第2話 集会と猫
くゎあぁ、と欠伸を噛み殺していると不意に声を掛けられました。
「久し振り、ルナ。これから集会があるみたいなのだけれど貴方もどうかしら」
彼女はレイ。私の主人に拾われる前からの知り合いで、真っ白な体毛にスレンダーな体を持っていて気品を感じさせる猫です。
「そうだな。最近顔を出していなかったのだし顔を出しましょうか」
「ええ、きっと喜ぶはずよ」
その集会所はすぐそこにありました。
「みんなルナが来たわよ!」
レイが声をかけるとあちこちから猫たちがあちこちからニュルっと出てきました。その中にはルナがよく知っている顔も見られます。
「やあ、ルナ久しぶりじゃないか。どうしたんだい」
そう声をかけてきたのはケンタです。茶色い毛に包まれた脂肪を波打たせてよいしょっとでも言うように塀から降りてきた彼は、更にこう続けました。
「あれ以来来ていなかったからボクたちも少しさびしかったんだよ」
「そうですか。それはすみませんでした。主人の家の居心地が思いの外良かったもので」
「そうなんだ。優しそうな主人で良かったね」
「えぇ。優しいのは優しいんですが……家にいることがあまりないのが玉に瑕ですね。もう少しシゴトというものを減らせばいいでしょうに」
「人間はボクたちみたいに簡単にはならないんだよ。集団で動かないといけないんだ」
「ケンタは今は情報屋をしているのよ」
「なるほど。だからそのような知識を持っているのですね」
「うん。やっぱり商店街に住んでいると色々と噂話が聞けるんだよね」
そう言った彼は依頼があるからと路地裏に消えていきました。
その後、残された私達は近況などを語り合い親交を深めました。特に印象に残ったのは隣町のぶち猫の話ですね。その猫は鳥を捕まえるのがマイブームらしいのですが、ある日カラスを捕まえていると群れになって復讐しに来て半殺しにされてしまったそうです。私はするつもりはないのですがもし自分がそんな目に会うとするとゾッとします。
【お知らせ】
最終話は明日12時頃に更新したいと思います!
どうか最後まで読んでいっていただけると嬉しいですm(*_ _)m
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