第3話 ストローと恋人ごっこと

恋人役をする事になった。

俺は半分.....何だか不思議な感じがしている。

何故かって演技であっても。

桜子と付き合うわけだから、だ。


「.....不思議なもんだな」


俺は考えながら.....顎に手を添えて廊下を歩いていると。

目の前から赤毛の少女がやって来る。

かなりの美少女であって.....俺はドキリとしてしまう。

それから傍を歩いていると。


「.....貴方。.....さくちゃんの彼氏ね」


「.....!?」


俺は更に心臓が跳ね上がるかと思った。

そしてその赤毛の少女を見る。

まるでフランス人形の様な.....そんな少女。

俺は!と思いながらその少女を見る。


「.....いや。何の話だ」


「.....何の話ってすっとぼけるの?.....貴方.....彼氏役でしょ。.....私のチャンネル知っているかしら。.....私もVチューバーなの」


「.....!」


「.....私はよみこチャンネルというものをやっているわ。.....最近、突飛で貴方たちが出て来たから.....警戒しているの」


「.....よみこチャンネルって.....視聴回数が2億超えているあれか.....!?」


「そう。私はそのチャンネルの中身。.....何故隠さないかって?.....私は貴方達を嫌っているから。心から忌み嫌っている.....だから告げた」


私は負けないから、と言いながら俺を見てから。

そのまま睨んで踵を返して去って行った。

名前が、よみこ、という事か?

何れにせよ.....1年だったな。

どうなっている。


「わっ」


「うを!?」


「.....驚いた?アハハ」


「.....オイオイ。佐藤。勘弁してくれ」


背後に佐藤が立っていた。

俺を見ながら嬉しそうに顔をニコニコさせる。

その姿を見ながら、はぁ、と溜息を吐いた。

それから、何の用事だ?、と聞くと。

佐藤は、いや。珍しく1年生と話していたから、と柔和になる。


「.....まあそうだな。.....ちょっとな」


「そっか。.....赤毛の女の子だよねぇ.....ふーん。あんな子が良いのかな?」


「誤解するな。.....あんな女の子と付き合う程、顔はイケメンじゃない」


「そんな事無いけどな。.....私は.....心さえあれば.....」


「.....?」


「.....な、何でもないや。アハハ」


何で顔を赤くするのか。

ちょっと意味が分からない。

俺は思いながら.....そのまま佐藤を見る。

佐藤は、エヘヘ、と頬を掻きながらそのまま俺を見てくる。


「.....ねえ。戻ろうか」


「そうだな。時間になるしな」


俺は思いながら佐藤に告げる。

それから佐藤と一緒に教室に戻ると桜子が寄って来た。

そして桜子は、どうしたの?凛峰と一緒なんて、と言ってくる。

俺は、まあそこで会ったからな、と答えた。

そういや佐藤は何しにあそこに?


「職員室の帰りだよ。邦明くん。知りたいんでしょ?」


「.....ああ。成程な。.....職員室の帰りか」


「そうそう。.....プリント持って行ったの。.....そしたら.....君が居て」


「.....そうか」


その様子に俺は笑みを浮かべながら。

桜子を見る。

そんな桜子は俺達を見ながら笑みを浮かべていた.....と同時にチャイムが鳴った。

俺達はそのまま別れてから椅子に座る。


「.....よし。もうすぐ放課後.....だな」


そんな事を呟きながら。

そのまま放課後になってから。

そして.....桜子に呼び出された.....。

んでカフェに行く事になる。

恋人の様な振る舞いをしたい、と。



「パフェ食べる?」


「.....それは.....お前に任せる。何でも食ったら良いじゃないか」


「まあでも太るからね.....」


「そうだな.....それは言える」


俺達はそんな会話をしながらメニュー表を見る。

恋人同士ってどんな事をするのかいな。

俺は謎に思いながら.....そのまま顎に手を添えつつ。

そのままメニュー表を見ている.....と。


「よし。決めた」


「.....おう。何にする」


「恋人セット」


「.....お前冗談だろ。.....まあでも恋人だしなぁ.....」


恋人セットとは。

1つのストローでココアを回し飲み。

俺は.....少しだけ苦笑する。

が桜子はやる気みたいだが.....。


「桜子。.....お前恥ずかしくないのか」


「.....?.....何で?」


「.....何でってお前.....これ男と女がするには.....かなり無理があるぞ」


「.....ああ。もしかして間接キス?大丈夫。だってアンタだし」


「お、おう」


しかし俺は若干の抵抗がある。

でも.....まあ仕方が無いか。

こうなってしまうと、と思いながら注文している桜子を見る。

桜子はそのまま俺に笑みを浮かべてきた。

やれやれだな、と思う。

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