第4話 本人証言

令和元年に、夫婦で話し合いをした。

夫からの離婚調停、訴訟に。

夫側は弁護士有り、私は無しで裁判になった。


裁判上は離婚成立になった。

法廷で、次のような質問をされた。



甲第2号証(写真を示す)

夫側弁護士→以下弁:

これはあなたのお部屋の床に落ちているスプーン。

それから何かプリンかゼリーか何かのごみでしょうか。

が、写った写真だと思いますが、これは具体的には、このスプーンの先っぽの、このカップは何でしょうか。


私→以下被告:プリンですね。


弁:この敷き布団と思われるところの隣に、赤いものと黒いもの、ペンのようなものが写っていると思いますが、これはペンでよろしいでしょうかね。


被告:はい。


弁:お子さまが生まれたのは平成22年ですよね。


被告:はい。


弁:平成27年ということは、お子さんは5歳ですね。


被告:はい。


弁:お子さんは自由にあなたの部屋に、自室に入ることが、引っ越し前の自室に入ることができたということですね。


被告:はい。


弁:お子さんがペンを踏んだり、このプリンのごみに何か興味を示したりというようなリスクというのは考えてなかったですね。


被告:特に5歳であるなら危険はないと思いましたし。


弁:それから鳥のふんですが、引っ越し後のあなたのお部屋に鳥のふんが散らばっている状態ですが、これもお子さんに心配ないと。

特段支障はないと考えたということでよろしいですかね。……



というような質疑応答があった。

法廷内に立ってる時点で、私は疑問に思った。

であるなら、夫のした事は何だったのだろう……



平成29年頃、日曜日にスーパーのダイイチへ食品の買い出しに出掛けた。

夫の運転で、私、息子が車でグリーパーク西側の道路を移動中の事。


助手席の息子が嬉しそうに、突然振り向いてきた。

「母さん、見て、見てー」


後部座席の私は何かと思い、見ていた。


夫がクラッチペダルを踏み、息子がシフトチェンジレバーを操作していた!

「いーち、にーぃ、さーん…」


「何やってるの!やめて!危ないからやめて!」

4速目で、やっと声が出た。

私は目の前で起きた事を信じる前に、反射的に強く制止した。


息子は惰性で、6速までシフトチェンジを完了した。

息子は何故私が慌てているのが、理解出来ないようだった。



あれは、明らかに運転危険だった。

その日の法廷でのやりとりが馬鹿馬鹿しく感じた。


何がプリンの容器だ。何がスプーンだ。何がペンが落ちているだ!

そんな物、危険運転の前では、ドラクエで言うところのひのきの棒じゃないか!


夫は馬鹿だ。本当に馬鹿だ。

当時息子は7歳だった。

やっていい事と悪い事の区別が付いていないのは、夫の方だ。

息子の車に対しての興味を、間違った方向に煽っているのは、夫の方だ。

リスクを考えられていないのは、夫の方だ。


渡邊司は危険運転について、今も話す事は無いらしい。











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