仮契約

 よし!お別れの紙書いたし、外に出るか!

 …あ…やってしまった…門番居るんだったー!

 それも…それも…深夜はエン様が門番だし…

 どうしよう…どうしたら外に出れる?

 まあ、行けるでしょ!うん!


「ライ?深夜だよ?どうしたる?」

「外に用事がありまして」

「用事は急ぎる?1人で行くのる?」

「急ぎですね。

1人で行きます!」

「深夜は夜型の魔物が全員起きてるる。

回復しか使えないライは死ぬの確実る!

イラ、マル、アルは連れていけないる?」

「無理ですね」

「うーん…用事聞いてもいいる?」

「いや…言いたくないですね…」


 どうしよう…このままじゃ外に出れない!


「しょうがないるね…

ザラエンデル様に出して良いか聞くる」

「分かりました」


 ザラエンデル様に聞くのか…


 <神様、魔神様は、人の心の中を観る事が出来る。

 だから、用事を言えない人の用事を観て貰う。

 それで、行かせて良いか、門番に伝える>


 (ザラエンデル様、ライを外に出して良いですかる?)

 (うん!全然大丈夫だよ!)

 (分かりましたる…

 でも、死んだりしませんかる?)

 (大丈夫。

 ライなら、あの子と契約すると思うからね)

 (分かりましたる!)


「ライ、ザラエンデル様から許可貰ったるよ!」

「ありがとうございます!」


 まさか…許可貰えるなんて!貰えないと思っていた。

 そうか!ザラエンデル様も、俺はパーティーにいらない存在だと思ってるんだ!


 (ザラエンデル様、あの子との契約以外に、何かたくらんでいませんかる?)

 (3人はドSだからね、男を好きと思ってないライが、メス堕ちしてる所を観たい!)

 (流石腐女神ですねる。

 でも、3人に怒られませんる?

 1で外にだしたんですよる?)

 (大丈夫よ!ライを自分の物にしたい!と思ってる3人なんだから。

 それに、何かの理由を付けてライをメス堕ちさせたいです!

 て良いに来て、何か良い案あるのか3人で聞きに来たからね)

 (なるほどる)


 よし!…深夜に出たけど…何をすれば良いんだー!


「ライー!」


 え!?誰?俺じゃないかもな


「ライ、無視しないで!」


 <そして、小さいドラゴンが、ライに飛び付いた。

 ドラゴンは神獣と言われている。

 野生のドラゴンは存在しない>


「神獣様!?

なぜ、神獣様がこんな俺の名前を知っているんですか!?」

「あー!そうだったね!これを見せれば分かるかな?」


 <神獣は、ピンクの魔石をライに見せた>


「それって…もしかして!俺と契約しようとしていた神獣様!?」

「そうだよ!」


 <それは、数年前>


「ライ!イラン!起きろ!」


 <カルザ

 ライとイランの父親 職業近衛兵>


「パパなに?まだ寝ていたい」

「そうだよ!父さん!お兄ちゃんと寝ていたい!」

「イラン!お前は14歳だ!ライと寝ずに1人で寝なさい!」

「嫌だ!お兄ちゃんと寝るの!」

「彼女が出来たらどうする!ライと一緒に寝れないぞ!」

「まあまあ、カルザその辺にしておきましょう。

もしかしたら、イランは彼女を作らないかもよ?」

 <ヘラン

 ライとイランの母親 教会にある医療場で働いている>


「母さん彼女は作るよ!」

「そうなの?でも、ライと離れないといけないよ?」

「その必要は無い!お兄ちゃんを彼女にする!」


 うるさい…寝かせて欲しい。


 え…イラン…ライを彼女にする!って言った?ガチで?


 え?ライを彼女?え?…え?ザラエンデル様に言ったらどうなるのかしら。


「起きろ!王宮に行かないといけないから!」

「パパ急だね…行かなくていい?寝てたい」

「駄目!神獣様が会いたい!って言ったんだから!」

「え!?神獣様が!?」

「え!?神獣様が!?」

「そうだぞ、神獣様が言うには、私が契約したい人間は貴方の息子にいますって」


 ならイランだな。

 俺が着いていっても意味ないし、寝かせて欲しい。


 ならお兄ちゃんだな。

 僕が着いていっても意味ないし、お兄ちゃんが寝てた所の匂いを嗅ぎたい。


「どちらも、俺じゃない僕じゃないって思ってるわね。

そんなの関係無い!神獣様が言ったんだから両方くる!分かったわね!」

「はい!」

「はい!」


 ヘランの言う事は聞くんだな…悲しい。

 まあ、怒らせるとどちらが怖い?って聞いたら、ヘランって言うだろうしな。

 俺も怖いもん!


 <家での権力があるとしたら、ヘランが一番上ですね>


 <ライとイランは起き。

 王宮えと向かった>


「カルザです。

確認お願いします」

「確認しますデル。

確認終わりましたデル」


 <デル

 ザラエンデルの眷属の1人。

 神獣の部屋の門番をしている>


 <ライ、イラン、ヘランの確認も終わった。そして、神獣がいる部屋に入ると、そこには神獣とザラエンデルがいた>


「皆さん、おはようございます」

「ザラエンデル様おはようございます」

「ザラエンデル様おはようございます」

「ザラエンデル様おはようございます」

「ザラエンデル様おはようございます」

「ザラエンデル様おはようございます」

「私の契約者さーん!」


 <神獣がそう言い、ライの場所に飛んできた>


「神獣様!?」

「神獣の契約者はライだったみたいね」

「え!?俺なんですか?イランじゃなくて」

「そうよライ。

その子はライを神獣にするって決めたのよ」


 なんで俺なんだ…


 やっぱり神獣様はお兄ちゃんを選んだ!

 お兄ちゃんおめでとう!


「神獣はライを選んだから、仮契約をしようか」


 <仮契約。

 神獣との契約は、神獣が契約できる歳にならないと、契約が出来ない>


「これは仮契約。

神獣が違う人の従魔になりたいと思ったら、この仮契約は消える。

いいね?」

「はい」

「はい」

「うん。

いい返事だ!それじゃあこの魔石に触れてくれ」


 <白い魔石2つを出した。

 神獣とライは魔石を触った>


「私は神ザラエンデル。

ライと神獣の仮契約をする」


 <そう言い、2つの白い魔石はピンク色に変わった>


 ピンクか、これはちゃんと契約が出来そうだ。


「ザラエンデル様、ピンクっていったいなんですか!?」


 パパが驚いてる。

 ピンクの魔石は駄目なのか?

 でも…なんですか!?って聞いてるから、パパは知らないって事だよな…


「いずれ分かる魔石の色だよ。

必ず言えるとしたら、この子とライは従魔契約をする。

そしてライ、この魔石は必ず持っていなさい」

「ですが…どうやって持っていればいいですか?」

「そうだな…ネックレスを作る事が出来るがどうだ?作ろうか?」


 ネックレスの方が身に付けれるから、無くさないし…

 作って貰おうかな。


「お願いします!」

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