回復魔法しか使えない自分、勇者パーティーにいて良い存在なのか?パーティーに何も言わずに抜けます

かいとも

パーティーから抜ける

 はあ…ギルドに向かうの憂鬱だ…


 <ライはギルドに向かった>


 仕事…仕事だから!うん!

 少しの時間だけだから大丈夫!…


 うん…やっぱり皆の周りは多いな…


「イラン、マルン、ルラン、ごめん遅くなった」

「お兄ちゃん大丈夫だよ!」


 <イラン

 ライの弟 役割剣士>


「イランは…良いよね…

ライが…作って…くれた…朝飯を…食べて…るん…だから…」


 <マルン

 この国の王子の1人 役割盾>


「この会話毎日してますよね…

そろそろ辞めませんか?

ライさん、イラン、マルンお兄ちゃん」


 <ルラン

 マルンの弟 この国の王子の1人 役割魔法士>


「ごめん…いつも遅れて来てるから」

「遅れて来たお兄ちゃんに、遅れて来ても大丈夫だよ?

て意味で言ってるんだから」

「だって…イラが…うらやましいから…」

「はぁ。

まあ、毎日のルーティーンと思えば大丈夫ですかね」

「そんなルーティーン、無くしてくれますんかね?

そんな雑魚を、パーティーに入れるのではなく、他の王子王女や、高ランク冒険者、貴族、がいるんですよ!?」


 <この国の宰相>


 やっぱり…パーティー抜けた方がいいよね…


 は?しつこいな、宰相様は…

 心の声なら、宰相様って言わなくて良いよな?

 でも…様はつけないといけないよね…


 は?…しつこい…

 父様に…言っても…意味…無いから…最悪…


 うん…これも、毎日のルーティーンになるの最悪なんだけど。


「ザルド…僕達は。

ライを抜けさせる気ないって言ってるよね?

誰と組むかなんて、僕達の勝手でしょ?」


 マルンお兄ちゃんが普通に喋るなんて…

 それだけ怒ってるって事だもんね。


 <マルンはいつもゆっくり喋っているけど。

 魔物討伐や怒ると普通に喋る。

 敬語で話さない>


「お兄ちゃん、マルン、ルラン、クエストうけに行こ?」

「それも…そうだね…

今日…クエスト…何回…うける?…」

「10以上は確定じゃない?

あ…宰相、毎日言ってるんだけど。

他の王子王女は、やりたい事をやるし。

高ランク冒険者は、パーティーを組んで高ランク冒険者になったんだ。

だから、パーティーから抜けさせる行為はしない。

それに、俺達はライさんがいいから、パーティーを組んでるんだよ?」


 なんで俺がいいんだろ?回復魔法しか使えないのに…

 イラン、マルン、ルランは回復魔法使いながら戦えるから、俺がいい意味が本当に分からない…

 攻撃魔法や、自分お守る魔法を使えないから、いつも足を引っ張ってるのに…


「ちゃん、兄ちゃん、お兄ちゃん」

「ん?どうしたの?イラン」

「今回は、薬草採りしながら、魔物討伐でいい?」

「うん!俺は何も出来ないから、何でもいいよ」

「了解!

それと、何か考え事してた?」

「うん?何も考えてないよ!

心配させてごめんね」

「ううん!だいじょうぶい!」

「なんだよ、だいじょうぶい!って」

「言いたくなったから?」

「そうか」


 うん…絶対宰相様に言われた事で、何か考えているよね。


 うん…絶対…宰相に…言われた…事で…何か…考えて…いるよね…


 うん…絶対宰相に言われた事で、何か考えてますね。


「どうしたの?皆」


「ううん!ボケーってしてたよ」

「ううん!…ボケーって…してたよ…」

「ううん!ボケーってしてただけですよ」


 俺の事で考えてたのかな?

 やっぱり、パーティーから抜けさせようと考えてる?

 何も出来ないから当然だよね。

 今日の深夜パーティーから抜けよう!

 家出すれば、パーティーから抜けさせた事になるでしょ!


「お兄ちゃん、クエストの紙、受付の人に渡しに行ってくるね」

「行ってらっしゃい」


「すみません。

このクエストをうけたいのですが」

「薬草採取のクエストですね、分かりました。

毎日ありがとうございます」

「いえいえ、薬草はあればあるだけ良いですからね。

初心者冒険者がこれば、薬草は余りそうですけどね」

「ですね。

あと半月で初心者冒険者が沢山来ますからね。

それまでは、これからもお願いしますね」

「任せてください!」


「お兄ちゃん、マルン、ルラン、クエストの許可貰ったよ!」


「今日…なん束…まで…集める?…」


「そうですねー。

10以上は行きましょう!薬草を採りすぎてはいけませんし」

「じゃあ、10束~20束にしない?」

「イランに賛成!」

「僕も…イランに…賛成!…」

「俺もイラに賛成です!」


 <そして、薬草採取に向かった>


「さあ!薬草採取は、暇な作業なんで、なにか話したい人います?」

「あ!…じゃあ…聴きたいん…だけど…

なんで…ライは…いつも…遅れて…くるの?…」

「あ!確かに!気になってます!

ライさん、イラン、どうしてなんです?」

「あれ?話してなかった?」

「うん…」

「話してなかったですよ!」

「お兄ちゃんはね、寝るのが好きだから朝飯食べ終わったら、ベッドに戻って2度寝してるんだよ!」


 は?…襲える…じゃん!…

 は?襲えるじゃん!


 <マルとアルはなぜ、襲えるじゃん!と思ったのでしょうか>


「うーん!終わったね!

さあ、お兄ちゃん達何のクエストうけにいく?」

「俺はいつもどうり、回復草を教会に渡しに行って来るよ。

その後だったら大丈夫だよ」


 <回復草

 回復を土に使って生える草。

 回復力によって、生えて来る草は全然違う。

 回復草は、教会に持っていけば薬にして、売ってくれる。

 ちなみにライの回復草は、なんでも直せる回復薬が作れます!

 手足が切れたとしても、切断された手足を繋げるだけで、ライの回復薬を飲めば、手足がくっ付きます!>


「よし!じゃあ、マルン、ルラン、お兄ちゃんの用事が終わるまで、魔物討伐のクエストうけるぞー!」

「おー!…」

「おー!」

「何があるかも分からないから、魔物討伐は気をつけてね?」

「分かってるよ!お兄ちゃん!」

「分かっ…てるよ!…ライ!…」

「分かってますよ!ライさん!」


 ふう…まず、家に帰らないとだな。

 回復草を生やすためには、地面に回復魔法を使わないといけないし。

 今日魔力3/4使うか。


 よし!回復草を生やしたのはいいけど…

 抜くのがめんどくさーい!


 <ちなみに、回復草を抜くのに1時間もかかるらしい!>


 ふう…終わったー!

 これを教会に持っていったら、ギルドで待つだけだな。

 朝にしか宰相様は来ないから、昼からギルドに行くのは憂鬱じゃないんだよなー。


「すみません、ザラ様にお会いしたいのですが」


「分かりましたる。

ギルドカードを渡してくださいる」


 <エン

 この国の神の眷属の1人。

 昼は教会の受付。

 夜は国の門で門番をしている>


「ライ。

確かに、確認したまる。

ザラは、自分の部屋にいるる。」

「エン様、毎日ありがとうございます」

「いえいえる。

これが仕事だからる。

それにライだって、毎日感謝の言葉嬉しいる」

「いえいえ。

感謝するのは当然です!

仕事頑張ってくださいね!」

「うん!頑張るる!」


「ザラ様、ライです。

部屋に入っても大丈夫でしょうか?」

「大丈夫よー」

「失礼します」


「ザラ様、今日の回復草です」

「ライ…」

「はい!」


 え…何かしたか?

 え…なんもしてないぞ…

 ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ…

 怖い怖い怖い怖い怖い…


「3/4の魔力を使うな!って毎日言ってるだろ?!」

「いえ!必ず3/4の魔力を使います!」

「それでもだよー、ライ。

私が…私が…ザラエンデル様に怒られるのよー!

これで、ライが倒れたら…怒られるのは私なんだからねー」

「ザラ様、倒れたりなんてしません!

毎日魔力使わずに終わるんですから!大丈夫です!」

「それでもよー。

万が一なんて事もあるんだからー!

まあ、2/4にするまで、毎日言うからねー?」

「2/4にはしません!毎日3/4にします!」

「はあ…まあいいわ。

もう帰っても大丈夫よー」

「分かりました!

それでは、失礼しました」


 よし!ギルドに行こう!今日で、3人とのクエストは終わるのか…

 悲しいけど…3人の為なんだ!


「お兄ちゃん!また、お兄ちゃんがラストだよ!」

「え…今日は早いと思ったのに!」

「残念…だったね…」

「はい!これ以上話すと、時間の無駄になっちゃうから、クエストうけるよ!」


「ルラン、今日は何のクエストうけるの?」


「そうですね。

荷物持ちの手伝いや、ペット探しですかね」

「それ…じゃあ…今日も…頑張る…ぞー!…」


「おー!」

「おー!」

「おー!」


 <そして、クエスト10件終わらして、別々行動になった。

 ライとイランは、一緒に家で暮らし。

 マルンとルランは、王家の仕事をしに>


 <そして、深夜0時になった>


 よし!今からパーティーを抜けるぞ!

 俺が抜ければ、国を守る為に他の人をメンバーに入れるか、入れない!

 紙に書いて、リビングの机に置いておこう。

 イラが紙を見て、マルとアルに伝えるはずだ。


 <ライが紙に書いた文書>


 イラン、マルン、ルランへ

 俺は、パーティーを抜ける為に、ザラエンデル国から出る。

 回復魔法しか使えない俺は、勇者パーティーに居ていい存在とは思えない。

 4人の冒険は楽しかった!今までありがとう!

 パパとママにも、国から出る事は言ってないから伝えといて。

 ライより


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