第16話 テストの結果!

金曜日。

明日から休日。


相変わらずクラスの女子たちは怖いけど、今は莉緒ちゃんとももちゃんの3人で仲良くしてて楽しいんだ。

そこにたまに武尊と紘夢が入ってくれるから会話がさらに盛り上がるんだ。


こういう風に、友達が増えて仲良くできるのって改めて嬉しいなって思った。



「席替えをするぞ!」



6時間目はロングホームルーム。

いわゆる学活みたいなものらしい。

起立と礼をすると、先生がそう言ったの。

すると、クラスメートみんながわぁ!って盛り上がったの。


席替え、かぁ。

今の席でも全然良いけど、新しい席もちょっと楽しみかも。

うちのクラスは学期に一回の頻度でやるんだって。


くじ引きを引いて、そこに書いてある数字が黒板に描いている数字の席になる。

1番だと大変そうだなぁ。

挙手制じゃないから、先生によっては1番の人だけ当てるから人気がないみたい。


先生が黒板の席に数字を書くまではどこになるかはわからないからすっごくドキドキする!


「絵奈は何番?」


後ろから武尊に声をかけられる。


「私は18番だよ」


「俺、36。席近くになれたらええなぁ」


武尊が祈るように言う。

そうだなぁ、近くになれたら良いよなぁ。


全員がくじを引き終えて、先生が黒板に数字を書き出す。

すると、あぁ、とかわぁ!とかクラスメートの声が大きくなる。


私の数字はまだだなぁって思ったらなんと1番後ろだ。

1番後ろかぁ。

しかも真ん中の列。

黒板の文字は見えやすいかな。


あ、36番が18番の隣に書かれた。



……ん?

あれ、18と36?



えっ!?ってなって、慌てて後ろを振り向く。

武尊がいつもより倍増の微笑みで私を見ていた。


「やったな、絵奈」


「うん!」


良かった、ひとまず一安心だ。

隣が友達ってすごく嬉しい。


そういえば紘夢やももちゃん、莉緒ちゃんは何番なんだろう?


一斉にみんなが席を移動する。

同じグループの子達は席が近かったらしく、すごく喜んでる。

男子なんて1番前の子がいじられてる。

なんだか賑やかなクラスだなぁって思う。

ほとんど話したことない人ばかりなんだけどね。


新しい場所に席を移動させて、席に座る。

その右隣に武尊が座る。


「……絵奈、と武尊?」


左からクールな声。

そこには紘夢がいた。


「ひ、紘夢!?」


「席隣だ」


紘夢は小さく笑う。

何だかすごく嬉しそう。

可愛いなぁ。


「絵奈!!」

「絵奈ちゃん!!」


今度は前から2人の声。

……もしかして……

満面の笑みを浮かべたももちゃんと莉緒ちゃんが私の席の前に移動させた。

勢いよく席から立ち上がる。


「良かったぁ!!近いよぉ!!」


3人できゃっきゃっ喜ぶ。

嬉しいっ!!

みんなと席が近いよぉ!!



「はーい、課題テスト返すぞー」



先生がテスト用紙をドン、と整えながらつっこむように言った。

しーん、と教室が静かになる。

ええー……と、楽しい空気は吹き飛んでしまった。


名前順で返される。

一気に3枚と、順位表が返されるんだって。


「2人とも、返されてもすぐ見たらあかんよ。3人で見るんやから」


武尊が緊張気味に言う。


「「えっ」」


紘夢と声が揃う。

そんなの余計ドキドキするよ!!


そろそろ私の番だっ。


「西園ー」


ばさっと一気に返される。

周りを見ると、対決してる人も多いみたい。


席につき、2人を待つ。

平均も気になるし、点数も順位も気になる。

テストでこんなドキドキしたことないかも。


「ほら、見るで。せーの」


武尊の合図で見る。

……えっ!?!?


「武尊、どうだったの」


紘夢が聞く。


「俺はー英語が100で、数学が94、国語が97で学年2位」


2位!

すごい!!


「紘夢は?」


「数学100、国語95、英語が96で、武尊と同じく学年2位」


紘夢も高い!

……って、同じ順位だ!

てかそんなことあるんだ!?


「引き分けかぁ」

「引き分け、ね……」


あはは。

すごい偶然だよね。


「「絵奈は?」」


2人が私の結果を見る。


「「は!?」」


2人の声にびっくりして、ももちゃんと莉緒ちゃんが振り向く。


なんと……3教科全部100点。

クラス順位と学年順位……1位。


紘夢と武尊が顔を見合わせる。

ももちゃんと莉緒ちゃんも目が見開いてる。


「やっぱ絵奈には勝てへんかぁ……」

「……さすがすぎる……」


あ、あはは……

自分でもびっくり……


「「1位ってすご……」」


ももちゃんと莉緒ちゃんの声が揃った。

わ、私もいまだに信じられないよ。


「てことは、俺と紘夢でクレープおごりか」


「え、2つ!?」


お腹いっぱいになっちゃう!!


「行く時はいつもよりお腹空かせて行った方が良さそう」


たしかに!

紘夢、ナイスアイデア!!


「中間は負けんよ」


「俺も。負けないから」


うわあぁ、圧がすごいぃ!

けど、親に安心して見せられる点数で良かったなぁ。



今週の学校は終わり。

やっと休日!


明日は早速、武尊と紘夢とクレープ屋に行って、日曜はももちゃんと莉緒ちゃんと隣町の城川市に遊びに行くんだ!

すごく楽しみ!!


今週はいろいろあったなぁ。

高校生活、本当に不安だったけど友達も増えて、すごく楽しい。


今にしかできない、最高の思い出をこれから作ってみせる!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る