第19話 家族への認識
「反省しなさそう。」
「唐突だな?」
「いえ、うちの双子の弟達の事を考えたんです。」
「そこまで信用ならないか?」
「逆ですね。
あの子達、お互いが居ればそれで満足のように見えたので・・・。」
振り返っても片時も離れた様子はほとんどありませんね。
叱られてもその場で反省してすぐにその反省も忘れるみたいな感じでしたし。
むしろ、反省のフリかと思った時もありました。
「まぁ、そうだろう。
双子は魂を分け合ったと言われている。」
「そうなのですか?」
「前はどうだったんだ?」
そう聞かれるのに前世の記憶を思い出す。
双子って種1つで一卵性で種2つの着床で二卵性だっけ?
一卵性の方は卵の方が分離したとかだったはず・・・。
「医学的な解明はされてますけど・・・。
さすがに羞恥心あるので文字にさせてくださいぃ。」
保体の授業で高得点は恥ずかしいってあるよね。
気分はテスト返しで保体が満点とれたのを先生にクラスで言われたような気分・・・。
同じように高得点とか満点の人も恥ずかしがるよね・・・。
他教科の点数平均なのに保体だけ高得点とか。
前世の事を思い出しながら羞恥心に悶える。
さすがに男女のアレコレにも関わるからもにょっとさせて欲しい。
「ふむ、医学的か・・・。
学生にしては随分と専門知識があるな?」
「ゲームとか漫画・・・んーっと、物語で出て来て印象的だったから覚えてるんですよ。
ジャンルも医療とかグルメとか冒険譚とか恋愛とか色々とあったので。」
「なるほど。
確かに、興味のある分野の記憶は長い事覚えてられるからな。」
知識欲の塊のリィンさんにとってはどんな知識も覚えてられるのでは?
「で、魂を分け合ったってどういう事です?」
「言葉の通りだ。
元は1つの魂だったがなんらかの理由で2つに分かれそれぞれの肉体を得た。
欠けた部分を求めて双子は共依存するか殺し合い魂を回収するとな。」
「・・・どこの逸話?」
「そう信じられていたという事だ。」
あっ、過去形って事は今は違うんだ。
なら、今はどうなってるんだろう・・・?
考えてる事が顔に出てたらしくリィンさんが説明をしてくれる。
「精霊術師の中で命の精霊と契約したのがかつていた。
そいつが契約した精霊に聞いたところ、違うと明確に否定した。
ただ、双子の場合は前世で縁の深い者同士の魂を持ってる場合があると言っていた。」
「あー・・・そう言う逸話はありますね。
前世、結ばれなかった恋人とか。」
「・・・先にそう言うのを言え。」
「曖昧な知識提供はどうかと?」
「逸話なら逸話と言えば良いだろう。」
「今後、気を付けます。」
逸話だけじゃなくってネットのちゃんねる情報とかもあるしね。
さすがにちゃんねる情報は間違ってるの前程だからやめとこう。
「って、事は双子のお互いいれば良いってのはそれに由来してるんですか?」
「かもしれないな。
双子を実際に見た事無いからなんと言えないが・・・。」
「まぁ、どっちにしろ私はどうこう出来ないですし。」
「薄情だな?」
「あぁ、はい。
なんとなく自覚してます。」
意外そうな顔された。
そんなに以外かな?
・・・甘ちゃんに見られてた?
「何と言いますか・・・。
私にとって家族は前世の家族が家族なんです。」
「何故、そう思う?」
「単純に関係の薄さ?
産まれてすぐに精霊術師の才能爆発でうちの爵位より上の貴族に狙われだしました。
そっちに掛かりっきりだったのである程度育つまでは私も弟達と会いませんでしたし・・・。
両親や兄にも会う事は食事の席ぐらい?
まぁ、私自身・・・弟達の誘拐や脅迫の対応で成長面にも問題ありましたし。」
「そうか?」
「家庭教師雇う余裕のなさや人手不足でほとんど放置されていて言葉を学ぶ機会が少なかったんですよ。
5歳ぐらいまで喋れませんでしたし。」
「・・・さすがに遅すぎない?」
「あぁ、喋りかけるのが居なかったから言葉を学ぶ機会が無かったか?」
「そう言う事です。」
「えぇ?貴族令嬢でしょ?
側付きとか居るでしょ?」
「あー・・・そう言うの主人から問い掛けに答えたりなんで。
自発的に声は出しませんよ?」
「うわぁ。」
セラフィナさんもドン引きしてますね。
つまり、それだけ人手足らずでほっとかれて育ったようなものなんですよ!
まぁ、だからこそ・・・。
「後、やらかす双子の監視があるから気に掛ける暇ないので。
基本、思い出さなければ放置ですし。
私も前世の記憶があったので勝手に学園の入学手続きとかもしてましたから。」
「・・・親として責務してないな。
さすがに家庭教師は雇ってないとは言ったがマナーなどは母親から習ってるだろう?」
「館長ですが?」
予想外過ぎてリィンさんの表情が真顔になる。
まぁ、そうでしょうね。
親としての責務完全にしてない状態ですし。
「・・・ロイエ、帰らない方が良いんじゃないの?
私としてはおいしい料理食べられるからずっといて欲しいし。」
「さすがにそんな家庭環境に戻すのは躊躇するぞ?」
「大図書に就職してさっさと一人暮らしする予定ですが?」
さすがに親元に帰るのダメだと言って来たのにそう返せばホッとした反応を返される。
そこまでダメなんですかね?
正直、今生の家族の関係が薄すぎてたまに会う親戚感覚なんですよ。
「とは言っても長男は反対しそうですが・・・。」
「今まで放っておいてか?」
「いや、あれは双子の首輪役もありますから・・・。
1人で2人の面倒とか手が足りませんよ。」
「うん?
魔法使えないの?
もしくは精霊術。」
「武官ですし魔法は身体強化ですよ。」
セラフィナさんが想像してる魔法師部隊の人じゃないですよ。
兄さんも交流持とうとしては双子が騒動を起こして中断って形だったので・・・。
まるっきり悪かったとも言えないんですよね。
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