第12話 実験
話題がそれたりしながら手持ちの素材でスイッチ概念出来そうだからそれが出来るかの確認をしてから設計図を作ろうって話になった。
まぁ、実際に機能するかわかんないからそうなるか・・・。
「って、事で作った。」
「秒で作れるとかおかしくないですか?」
目の前に出された真っ二つの魔法陣が描かれた魔石を見つつ呟く。
手元で何かしてるな~って思ったら秒で作られるとか意味がわかりません!
「魔力操作が出来れば直接刻める。
さすがに室内を水浸しにする訳にはいかないからな。」
「待ってください、なんの魔石使ったんですか?
ランクの低い魔石じゃないですよね!?」
「ブラッディーベアーの魔石だな。ランクは・・・Bだったか?」
・・・それ、高位冒険者とか騎士団の小隊が必要なレベルぅ。
魔石の正体に戦慄しつつもリィンさんの後ろについて行き外へと出る。
そう言えば、ここに来てから外なんて全然気にしなかったけど・・・。
迷いの森ってこう・・・おどろおどろしいと言うかホラースポットな森をイメージしてた。
実際にこう見ると鬱蒼としてる森にしか見えなくって不思議。
「どうした?」
「いえ、迷いの森を噂からおどろおどろしい場所と思ってたので・・・。
実際に見て見ると全然怖くないですし、ただの鬱蒼とした森にしか見えないのが不思議で・・・。」
「あぁ、それはセラフィナだな。
精霊達が森に入って来るのを迷わせてるだけだ。」
「まさかの精霊の悪戯!?」
怖さが激減しましたよ!?
原因わからず森の外や入口に戻されてたのがまさかの精霊。
未確認の魔物だと噂されて恐怖倍増だったんですよね。
なんなら未確認の魔物を捜索依頼も出たなんて噂もありましたが・・・。
「そんなに驚くか?」
「未確認の魔物の仕業だと噂されてましたので・・・。」
「なるほど、姿を見せてなかったからそうなったか。」
まぁ、人って理解出来ない未知を恐れますから。
鬱蒼として暗がりが多い森って言う場所もあって余計に怖かったんじゃないかな?
実際に体験した事ないから予想だけどきっとそうなんだろうなぁ・・・。
「結界を張ってるが・・・念の為にロイエの護衛を。」
「ふふっ、楽しそうだから良いよ。」
「それと、ロイエはここにいろ。
森に近いと魔物共が寄って来るかもしれないからな。」
「はい。」
家を出たすぐそばで待機を言われたので大人しくセラフィナさんと待機する。
いや、だって魔物の相手なんて絶対に無理!
生活魔法程度しか出来ない魔力量だからね!
ちょっと、むなしい・・・。
リィンさんが森の方によって行くのを見ていればこちらに振り向きまっぷたつにした魔石を魔法陣が繋がるように触れ合わせると同時に水が音を立てて滝のように流れ出す。
それを見てリィンさんが魔石を離したと同時に水の放流が止むのを見る。
「ふむ、成功だな。
魔力量も減ってはいるが現状では保持量は変わらないはず・・・。
この状態で数日様子見が必要だ。」
「それ、もう1回くっつけたらちゃんと水出ます?」
「む?確かにその確認も必要か・・・。」
疑問を口にすればさっそく魔石をくっつけたり離したりと何度か繰り返すリィンさん。
もちろん、それに合わせて水が出たり出なかったりも繰り返される。
これって今のところ成功扱いで良い、んだよね?
「後、気になる点はあるか?」
「えぇっと・・・魔力が完全に抜けきった後ってどうなるんです?
魔石に魔力をチャージする事ってできますか?」
「ちゃーじ?」
「充填って意味です。」
前世の言葉が出てたらしく繰り返された言葉の意味を素早く伝えれば首を傾げる。
「どう、だろう?
魔道具の充填装置に魔石を入れて充填する方法は確かにあるな。
魔石自体への充填・・・ふむ、興味深い。
お前の世界ではあったのか?」
「えぇっと、電気をため込んだ物がありましてそれと接続する事で道具を使っていました。
外・・・旅先とかの野営で電気が必要な時とかですね。
後、電池って言う道具の中に内蔵する電気をため込んだ道具は使い捨てばかりだったんですが再利用できるように充電式の物もありました。
ただ、充電式のは使用回数は決まってましたね・・・。」
50回とか100回とかそう言うのあったな。
スマホのモバイルバッテリーとかもそう。
振り返ると色々とある、ソーラー充電式とかコンセントからの充電式とか・・・。
「回数制限あるのか?」
「んーっと、電池の中で溜める素材?の耐久の問題?」
「あぁ、そちらの問題か・・・。
永続的に使えると利益の問題にもなるからそれでもいいのか?」
どうなんだろう?充電式も使い捨て式もどっちもどっちだし。
良い所もあれば悪い所もあるのは両方共だからなんとも言えない。
まぁ、この世界でその知識を持ち込んだとしてもどう変化してくか見てくのも楽しそうかも・・・。
「とりあえずコレは事をまとめるからロイエの意見も聞かせてくれ。
セラフィナ、魔石を魔法陣と繋がる形で触れ合わせるなよ?」
「うん、わかった。
所で魔法陣と繋がらない感じで接触させるとどうなるの?」
「ん?そう言えばそうだな・・・。」
リィンさんがセラフィナさんの指摘に早速試しだす。
水も出ない様子に一つ頷く。
「魔法陣が未完成状態の扱いで発動しないようだ。
資料をまとめてヴィナに送って意見を聞く。」
「良いですけど・・・まとめるの私、苦手ですよ?」
「意見と知識提供で構わん。
学生に研究資料をまとめる技術は求めてない。
その道に進むならいざ知らず未経験の者には頼まん。」
なるほど、きっと書き方にもテンプレがあるんだろうなぁ。
テンプレで思い出したけど商会とかに簿記の知識とかありかな?
帳簿の付け方見たことないけど・・・単式簿記を使ってるのなら複式簿記に切り替えればもっと楽に帳簿つけられるんだろうな。
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