第11話 思いつき
「そう言えば、この世界ってスイッチないですね。」
「なんだ、それは?」
言葉すらなかった・・・!
異世界ギャップに驚きつつも説明するのにそう思った時の事を思い出す。
「魔道具って1回限りの使い捨てがほとんどですよね?」
「あぁ、後は条件発動による回数だな。」
結界とか攻撃を防ぐ回数で使い捨てですからね。
他か1回使ったら内臓されてる魔力が使いきるまで稼働するタイプ。
「スイッチって言うのは・・・動力と動く部分の接続部分(?)を切り離したり接触したりするって言えばいいのかな?」
いざ、スイッチの構造を考えると豆電球をコードで電池に接触させて光らせる学生時代の実験。
簡素な説明だとそうだよね?
こっちの世界でその概念なさそうだけど・・・。
「魔法陣に魔力が流れない仕組みか・・・。
それになんの意味がある?」
「えぇ?使いたい時に使うみたいな?
内蔵魔力を垂れ流しにするんじゃなくって少しだけ使ってオフにして動きを止められるんですが・・・。
ん~・・・あっ、水の石って1回魔力を込めたらその魔力が抜けるまでずっと水を生みだし続けますよね?
それを自分の意思で止められます。」
前だと使いたい時だけ使うって形。
特に室内の照明とか昼間はオフで夜だけ使うって生活が当たり前だった。
今は蝋燭が主流で照明になる魔道具とかはないけど・・・。
スイッチ概念があれば作られる?
使い捨てだととんでもない消費になるし。
「なるほど、無駄な魔力消費が無くなるな。
聞いた感じ構造はとても簡単だが・・・。」
「魔法陣って削れるのダメなんです?」
「何?」
魔道具の構造とかよくわからないから思いついたままに聞いてみる。
魔法陣を刻んでるのを2分割とかにして使う時だけ繋がる感じにすればいいのでは?
魔法陣知らないから適当な文字をそれっぽく見せて界て別の色インクでここの部分を切り取ってしまう形と注釈する。
「魔法陣って陣全体に魔力が行くことで発動するなら陣が触れた時だけ稼働できる形に出来ません?」
「ふむ・・・魔石に刻むタイプはこれで行けるだろう。」
「刻む?」
「む、知らないか?」
「専門知識はないです。」
「そうか。
さっきお前が上げた水を出す魔道具などは魔石に陣が刻まれてるのが主流だ。
だが、確かに野営の際に水が出たままでは音に気づかれる場合があり使用をためらう時もある。」
「野営なら良いのでは?」
「監視の時とかだ。水袋だとさすがにかさばる。」
「なるほど。」
使い分けかぁ。
まぁ、水袋で持ち運ぶより魔石で持ち運びの方が荷物かさばらないから・・・誰もが考えるかな?
でも、使い捨てなら結局は荷物が多くなる・・・?
どっちだろう。
「後、明かりとかも使えるのでは?
洞窟などは火を使うと天然ガスに引火する場合がありますが魔道具なら引火の心配ない、はず?」
「天然ガス?」
「何それ?」
あっ、この辺りの知識無いのかな?
興味津々にこっちを見る2人に思い出しながら口にする。
「天然ガスって言うのは・・・。
自然界に発生する特殊な気体・・・空気?」
気体って言葉に眉を動かされたからさらに言葉を変えるがなんで空気?って顔をされた。
元学生にきっついぞこれぇ。
まぁ、説明できる範囲でしちゃおう。
「えっと、前の世界は人の文明が出来上がるまで何千年、何万年って時間が経過してたんです。」
「え?そんなのわかるの?」
「え?あっ、はい。地層で私が生まれる前に発覚しました。」
「地層?」
「土の層。んー・・・崖際とかにむき出しの地面で色の違う層になってません?」
「あぁ、あるね。」
「ふむ、見た事あるな。」
よっし!見覚えあるならイケる!
でも、ごめんなさい!詳細は覚えてないので許して下さいね!?
「えぇっと、その色の違う層を地層って呼んでいまして・・・。
それで判明したって聞きました。
層ごとに発掘されるものが違うから時代特定が出来るんだっけな・・・。」
「さすがに専門職の知識になるか・・・。」
「はい。ただ、テストで時代の事とかで出たの覚えてますねぇ。」
語呂合わせ懐かしい・・・。
中学で習ったら内容が高校で変わっちゃったりして混乱したなぁ。
普通に語呂で覚えてたけど違ってるとか勘弁して欲しいよね。
覚え間違い!?って、同じ語呂で覚えてた友達と騒いでたら教科書の内容変わってたと・・・。
皆して呪詛吐いてたなぁ。
「そもそも地層ってどう作られてるのかわかるの?」
「えぇっと・・・火山噴火で固まった溶岩とか・・・山際だと地震とかで崩れた層とか?
それらが湖とか海に流れて積み重なってくことで作られた・・・って事だったはず。」
「ふむ、元は水底だったところに地層が見えるのか。」
「山に出来るもの?」
「この世界は知りませんが・・・。
隕石落下で出来たクレーター部分に雨水が溜まって湖とになった場合とかもあります。」
「隕石?
あぁ、あれか・・・。
歴史を紐解いても数回程度あったらしいな。
なるほど、そうやって出来た湖もあるのか。」
めちゃくちゃ目がイキイキしてる・・・。
知識欲のある人って未知な知識前にするとこんな感じだよね。
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