第9話 作ってみたい物
「で?何故、保存庫なんか作る?」
「スイーツを作りたいからです!」
って、事で冷蔵庫作りですよ!
リィンさんの不満?知りません。
冷蔵庫もまたれっきとした異世界技術なので文句は受け付けませんよ!
セラフィナさんは異世界料理のレパートリーが増えるならウェルカムだからセーフ!
館長の言ってた胃袋を掴めってこう言う事なのかな?
「お前な・・・。」
「世に出せば流通革命出来ますが?」
「随分と自信満々だな。」
「当たり前じゃないですか!
良いですか?この世界は遠距離の食材流通は出来てないのを可能にするんですよ?」
「ふむ?精々1週間やそこらだろう?」
「月単位長くて年単位。」
「ほぅ?」
ちょっとだけ興味を示すリィンさんに畳みかける様に続ける。
「時間魔法の使い手ならそれこそほぼ永久的に保存も出来る様になります。」
「時魔法なら?」
「えぇ、前世では魔法なんてなかったので野菜、肉、魚を冷やしたり凍らす事で長期保存が出来たんです。
ただ、今世では時魔法って言う高度な魔法があります。
その魔法を保存する入れ物内部に時間が止まる効果の魔法を掛ければどうです?」
「入れた物の時は止まるから消費しなければ腐る事はない。
ただ、魔法を稼働させるから魔力消費の問題だな。」
前世の家電を魔法を使って再現する場合の仕様を告げればちょっとノリ気らしい・・・これはチャンスかな?
「で、その保存した入れ物を運搬すれば?」
「なるほど、それなら海から内陸までの運搬の最中に魚が腐る事も無いな。
確かに、流通革命が起きる。数か月の保存期間が延びるのだけでも大分違うぞ。」
実際に再現された場合の有効性を理解してもらえたから・・・これなら研究に持ってけるはずっ!
「ねぇねぇ、スイーツって?」
「ミルク、砂糖、卵を混ぜて冷やすとアイスクリームって言う冷たくって甘い物が出来ます。
冷蔵庫無いと氷魔法使いじゃないと作れませんねー。」
「リィン、私はそのあいすくりーむを食べたいから冷蔵庫作って!」
「・・・お前は異世界料理にハマりすぎだ。」
「だっておいしいから仕方ないでしょう?
それに君は異世界の技術を魔法に転用して作るんだから良いんじゃない?」
「む・・・。」
「完全保存用と調理用で2つ作って下さい!」
「君は君で遠慮がないな?」
「技術知識の提供する分です!今まで出来なかった事出来るから楽しいんですよ!
魔力無いしお金ないから材料揃えられないのでそう言うのしたくっても出来なかったんですよ?」
理由を言えばなるほどと頷かれる。
こっちだって前世のいろんなものが恋しくって再現したくっても出来なかったんですからね?
今の内にあれこれと再現出来るのはしたいじゃないですか!
やれる機会を逃さないだけです!
「まぁ、そう言う事ならわかるが・・・。
一端まとめるぞ。内部構図が分からん。
お前の知識は魔法の無い知識だから魔法に転換するならどういった内部構造かわからんと作れん。」
「昔の作り方だと上に氷を入れてその冷気は下に降りてく感じだっけ。」
「・・・アバウトだな?」
「冷蔵庫の初期はそうです。
私が生きてた時代だと電気が動力源の冷房装置を内蔵されてました。
ただ、そっちだと装置の内部構造わかんないので古い冷蔵庫の構造ならこっちでも作れるお思います。」
「なるほど。1つの品も技術が進む事に仕様は同じでも内部構造が異なるのか。
だとしても・・・お前なんでそんな事知ってる?」
「古いのだと博物館にこう言った物が初期で今はこう言った感じって事で展示されてますよ?」
電車とか飛行機や車とかも同じ感じで博物館あるし。
企業だと企業の歴史として歴代の開発された商品が並んでるところだってありますが?
まぁ、さすがに実物はなくっても資料として写真とか残ってたし。
「普通ならば技術は秘匿にしておくべきだが・・・。
そう言うのが無いのか?」
「世界的な戦争後は技術競争による争いみたいな?
技術力を押し上げる為に開示してるって感じなのかな・・・?
再現チャレンジ!とかする人いましたし・・・。」
動画配信者にそう言う再現動画を上げる人とか結構いるからなぁ。
一人自給自足生活の実況動画とかゲーム実況とか・・・。
世の中がそうだったから疑問に思わなかったけどこの世界からすれば技術は秘匿して独占するべき事。
それが国の強みになるって考えだもんなぁ。
「なるほど・・・。秘匿していてもいずれは知られるものだからな・・・。
それよりも放出してより技術力を高めるのに重きが置かれてるのか。」
「後は資源問題とかですかね?
特定のところにしか出ないのとかありますから。」
「ミスリルみたいなものか。
お前の居た国には1つで帝国に3つでドワーフは探せばいくらでも見つけるが・・・。」
「まぁ、そんな感じですかね?
そう言った鉱石や資源でアドバンテージを取る国や機械・・・この世界で言う魔道具でマウント取るとか結構分野が分かれてますね。」
「なかなか複雑化してるな。
戦争なら明確に勝敗は分かるが技術競争となればわかりにくくないか?」
「そこも国による特色が出てますかね?
私の前世は島国で製品の小型化を良くしてましたし・・・。
広大な土地を持つ国だと大量生産を売りにしたり人口が多い国だと労働力が多く得られるから他国に工場を作って賃金も自国で雇うより安上がりになる場合もありますし?」
「・・・技術放出のし過ぎとも思えるが。」
「そう言う開発工場を作る土地が無いから他国に作るって感じかな?
とは言っても部品で作って国内でいろんな工場で作った部品を組み立てる感じ?」
「あぁ、部品だけならどういった物が完成品かわかりにくいからありなのか・・・?」
前世の世界観に疑問をいだくリィンさん面白いな。
私からすればそう言うものとしか思えないし。
ニュースとか聞いて覚えてたのを出せば不思議そうにしてるのはなんか新鮮だなぁ。
前世の私はそんなの興味なかったし。
それよりも期末テストにヒーヒー言ってたり友達と遊んだり部活に励んでたからなぁ・・・。
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