第6話 幼馴染の会話
「っと、言う事で着替えが必要だ。」
突如やって来たリィンに驚いたが言い分は最もだったので一つ頷き女性司書にロイエの着替えを準備してもらう。
費用は後で王家にで請求するかのぅ。
「ふぉふぉっ、大図書の知識持ちはやはりお前さんも気になるか?」
「それ以外もあるがな。」
「なんじゃと?」
リィンの言葉に反応をすれば結界を張られるのに驚く。
周りを警戒する必要があるような情報なのか?
「セラフィナが言うにはロイエは転生者らしい。」
「ふむ?ソフィアが言っておった異なる世界の記憶を持つ者か?」
ごくまれにいると聞いたが・・・。
ロイエがそうじゃったとは初耳じゃな。
「あぁ。鑑定魔法では見えないが精霊には称号でわかるそうだ。」
「ふむ、称号はごく一部の者しか見れんからのぅ。」
神職のなかでも高位の者でしか見えん部分じゃな。
一説では神の加護や寵愛を受けた者しか見えんらしいが・・・実際はどうなんじゃろうか・・・。
「なるほど、ロイエはその転生者じゃったか。
なれば、ソフィアが気にするかのぅ・・・。」
「さぁな。単純に魔力の波長かもしれん。
お前のようにな。」
「ふぉふぉっ、そうじゃのぅ。
まぁ、こっちもしばらくごたつくからお前さんのところに頼む。」
「異世界の知識持ちなんかそうそう居ないからな。」
相変わらずこやつの知識欲はすさまじいのぅ。
未知を理解するのを楽しむのはまさに玩具を与えられた子供のような奴じゃ。
まぁ、これがこやつらしいがのぅ。
「で?勘違い王太子はどうなった?」
「ふむ、気になるか?」
「昨今稀に見る大馬鹿っぷりだからな。
世情が乱れると困る。大図書が利用しにくいだろう。」
「まったく、お前さんが気になるのはそれか・・・。」
まぁ、リィンならこれが正解じゃな。
むしろ、こうでなければ天変地異の前触れかと思うぐらいじゃし・・・。
「王太子は王に回収されたわ。
側近の馬鹿共もじゃな。王城で幽閉で事実確認で大人が動いておる。」
「ふむ、妥当か。
まぁ、時間もそこまで経ってないからな。」
「うむ、確認もせずに情報だけで動くなど愚かしいわ。
ロイエの方はどうじゃ?」
「あまりにも普通過ぎて気狂いかと思ったな。」
「さすがに、そのもの言いはどうかと思うわ・・・。
まぁ、転生者らしいから歳は同世代より上じゃから達観しとるんじゃろうなぁ・・・。」
「なるほど、そう言う考えもあったな。
18で死んだと聞いたが・・・。」
「・・・お前さんデリカシーないのぅ。」
「質問の流れでそう答えたのがあっちだ。
知識量がどの程度かと聞けば18の学生で一般的な知識しかないとな。」
「なるほど。」
死んだ事の忌避感がないなら良いわ。
今生の年齢を合わせれば・・・親ぐらいの年齢になるか。
なるほど、ならばそこまで動揺もせんか。
「なんだ、納得顔だが?」
「いや、家族の関心が下の双子に行ってると言うのに平然としてたのがなんとなくわかってのぅ。
おそらく、ロイエは家族に関しては前世の家族を思ってるかもしれん。
まぁ、今世は下の双子に家族でかかりっきりなのもあって関わりが薄いせいもあろう。」
「なるほど、それなら少し納得だな。
家族に対する関心がなさ過ぎると思ったが・・・。
深層心理では前世の家族を思い今世の家族に対しては諦めと言う事か?」
「まぁ、ロイエ自身ちょっと存在感が薄いのもあるかのぅ・・・。」
「あぁ、それで他に意識がいきがちなのか・・・。」
「おそらく。」
過去を振り返ればそれで双子狙いの人さらいからもターゲットから外されてる感じもあるから・・・一概に悪いとも言えんしのぅ。
ただ、双子も双子で自覚せねばもうダメじゃが・・・。
「懸念事項か?」
「ちとなぁ・・・双子が勘違いの現場におったのに動かんかった事が問題かもしれん。
簡単に家族を見捨てるとなればただでさえ厄介な双子として見られておるんじゃ・・・。
国が排除に動いてもしかたあるまい。」
「自覚もしてないのか?」
「うむ。」
「それはまた・・・めんどうだな。」
「精霊術師として強いが故に止められるのが長男ぐらいでのぅ。
長男も弟だからと甘やかしておるが・・・あれは無自覚かもしれんな・・・。
どっちにしろロイエに対してはアウトじゃ。」
家族を簡単に見捨てるとなれば国への忠誠心もない。
長男が抑えられなくなればその時点で損害しか出さない双子を害獣として国が討伐に乗り出してもおかしくはあるまい。
やれやれ、ロイエも厄介事に巻き込まれるわ弟達が厄介事になるわ・・・。
ちと、大変すぎんかのぅ?
「まぁ、しばらく俺はロイエの知識を元に実験をしたいからな。」
「なんじゃ、気になる事でもあるか?」
「異世界の技術をこっちで再現してみようと考えてる。
まぁ、俺もどういった技術があるかは詳しくは知らんが面白い話が聞けたからな。」
今にでも戻ってその実験をしたそうな顔じゃのぅ。
まぁ、いま戻られても困るんじゃが・・・。
「かまわんが、せめてロイエの着替えは持っていくんじゃぞ?」
「目的がそれだからそれまでは待つ。」
「それならよいぞ。」
さて、わしもソフィアのご機嫌取りせぬとなぁ。
ロイエの件を知ったらさぞ文句を言って来るじゃろうから・・・。
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