第5話 異世界の知識
「つまり、風や水の力を使って電気を生み出す装置を動かしてたと・・・。」
「そうです。このプロペラ部分を風や水で動かす事で発電機を動かす事で電気を生み出すんです。」
簡単な構造を教えれば魔力発生は無理だなとぼやくのを聞く。
まぁ、魔力の発生方法なんて知らないしなぁ。
「そもそも、電気を生み出すはつでんきとやらの内部構造はどうなってる?」
「磁石とコイルを使って作ります。
えぇっと・・・コイルって言う銅で出来た糸状にしたのを糸巻状の近くで磁石を動かすと電気が発生する現象が起きるんですよ。」
鉛筆に銅線巻いて磁石の周りをうろうろさせて電球の電気つくかって実験授業でやったなぁ。
そうやって、前世の授業内容を思い出しながら説明をする。
現象名なんてもう忘れたけどね!
さすがに、10年以上も前の記憶だから覚えてないのは許して欲しい。
「磁石とは?」
「鉄とかに近づけると引っ付く奴。
あれって、人工物だっけ・・・?」
自然界にあるものだっけ?
どっちかわかんないな・・・。
正直、そう言うの気にせず使ってたしそう言う物って認識なんだよなぁ。
今、振り返ると普通に使ってた物がどう言う原理とかってあんま知らないのばっかだし。
「ふむ、当たり前にあるが故に仕組みを知らない・・・そう言う事か?」
「まぁ、そんな感じ(ぐぎゅぅ~)・・・。」
自分のお腹が鳴ったのにお腹を押さえて固まる。
・・・そう言えば夕食も食べてなった。
「なんだ、空腹だったか?」
「・・・お昼から何も食べてない、ので・・・。」
さすがに恥ずかしくなったので視線を逸らしつつそう答える。
視界の端に居るセラフィナさんが面白そうに笑ってるのがちょっと腹立つなぁ。
「生憎と俺は食えればいいからお前の口に合うのは作れんぞ。」
「・・・?
キッチンを借りられるのでしたら作りますが?」
「・・・お前子爵令嬢だろう?」
何で令嬢が料理出来るんだって未知の生物をみたとばかりの反応をされるのに確かにと内心思う。
普通の貴族令嬢なら料理なんて出来ないもんなぁ。
「うち、貧乏です。」
「うん?」
「年子の双子の弟達がものすごいトラブルメーカーで精霊術で暴れてその修繕費で借金三昧。」
「・・・。」
「そんな双子の主張と言うかトラブル対応でほぼほぼ面倒みられる事ないので勝手にしてました。」
「いや、食事は出るでしょう?」
「学園通うのに平民が借りる宿舎の一室でパン屋で捨てる部分貰って調理して食べてましたが?」
「ちゃんと教育はしろ、親っ!」
リィンさんって意外に常識人だなぁ。
両親へのツッコミにそう言われるのに確かに、聞いてると育児放棄だ。
まぁ、結果的にそうなってるし・・・。
「それ・・・訴えたら?」
「でも・・・。」
「あのな、そんな親なら縁を切れ。縁を。」
「えぇ・・・。双子狙いの人さらいとかも居るからこっちに手を割けないの理解してますし・・・。」
「雇えと言いたいが・・・その双子によっての借金で雇えないか?」
「ですです。基本、双子の騒動でかき消される感じなんで・・・。
まぁ、そんなものとして受け入れてます。」
「受け入れるな・・・っ!」
「えー・・・・。」
訴えてもすぐに忘れられるし・・・。
印象に残りづらい日本人の性って事にしてスルーしてた。
まぁ、正直双子のトラブルに巻き込まれると自衛出来ないから死にそうだからほっとかれる方が自衛に繋がって良いんだよ!
「あのね、ロイエさすがにそう言うのは精霊視点からでもダメだと思うよ?」
「正直・・・。
双子狙いの人さらいとか居るから関わりたくないからほっといてくれてラッキー!としか思ってないんですが。」
「・・・そこまでヒドイのか?」
「ひどいですねぇ。今は自力で蹴散らしてますがそのついでとばかりに街の住宅1つ2つ破壊しちゃうんで。」
「それは・・・自衛能力なければ関わりたくないな。」
「結界とかは魔力量で決まるからねぇ。
そう言う事ならほっとかれるのが一番かな?」
「はぁ・・・理解は出来た。
なら、異世界の味付け出来るか?」
「材料見ないと判断つきませんよ?」
「出来るなら頼む。ここでの楽しみなんか知識と食ぐらいだ。」
「とか言って君、味覚可笑しいでしょう。
栄養高いからってまっずい料理作って。」
「む?アレは必要な栄養素だけで作られた奴だから。
料理の手間暇の時間を知識を得る時間にする為の処置だ。」
「はいはい。
私も異世界の味付けは気になるから楽しみにしてるよ。」
「ほ、ほどほどにお願いしますぅ・・・。」
過大な評価は止めて欲しい・・・。
前世、今世ともに料理人って訳じゃないんですよ?
一般人の手料理に過大評価良くない!
「キッチンはこっちだ。」
「あっ、はーい。」
「いや、リィンその前にこの子着替えさせるべきじゃない?
会話だけだったからよかったけど・・・。
ドレス姿で調理は動きにくくない?」
「「あ・・・・。」」
セラフィナさんの指摘に案内について行こうとした足が止まる。
そうしてから自分の服装を見下ろす。
・・・うん、確かにドレス姿。
この姿で火を扱うのはちょっと厳しいな・・・フリルとかリボンに引火しそうで怖い。
「さすがに俺の服はサイズが違うからな・・・。
ヴィナにでも頼むとするか。」
「館長?」
何でそこで館長が話題に出てくるんだ?
首を傾げれば呆れた表情された。
「あいつは王都に居るからな。
あいつのところにいる司書の女に着替え一式至急用意してもらえばいい。」
「意外・・・君なら金を渡して転移させて買い物させるとかやりそうだったのに。」
「ドレス姿でそんな事をさせる方が変な噂が立つだろう。
そうなれば後が面倒だ。」
「確かに。」
まぁ、ドレス姿で着替えを買うとか悪目立ちにしかならないもんなぁ。
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