第4話 新しい生活
「つまり、お前の前世は魔法が存在しない異なる世界でありその記憶を今生も持っていると・・・。」
「はいぃ・・・。」
圧が・・・っ、圧が怖い・・・。
目もギッラギラで獲物を狙う肉食獣の目つきぃ・・・。
「ね?君にとっては嬉しい事じゃない?大図書の知識もあるんだし。」
「ふむ、確かに・・・。
未知なる知識は俺にとっては喜ばしい。ヴィナの奴そこまで考えて寄越したのか・・・?」
「いえ、館長知りませんよ?
正直・・・言っても証明出来ないから誰にも言ってなかったので・・・。」
セラフィナと呼ばれた大精霊に視線を向ければ笑われる。
精霊にはモロバレらしいからね!
「ふふっ、そうだね。人間の鑑定魔法じゃ称号は分からないだろうね。」
「なんだそれは?」
「ほら、勇者とか聖女って特殊なスキル持ちは世界が与えたと言われるでしょう?
称号も同じように世界が与えたものなんだよ。」
「なるほど。さすがに世界が定めたものの情報は俺達には知るのは無理だろう。
情報量が多すぎて脳が壊れる。」
この人、ほんと理解力高くってこっわ。
何でそんな簡単に理解出来ちゃうの?
知識欲あるだけにそんな理解力でも身に着けたんですか・・・?
「ふむ、確かに異世界の知識は興味あるが・・・。
それは禁忌に該当はしないのか?」
「さすがの君でもその辺りは気になるかい?」
「禁忌に触れて死んでは知識を得られないだろうが。」
「ブレないね・・・。」
知識欲あるならそこに触れても知りたい!!って、人だと思ってたら違うんだ。
顔に出てたらしくリィンさんに呆れた顔された・・・。
「確かに知りたいが死んだらそこで無意味になる。
新たな知識が得られなくなる方が問題だ。」
「死に対してそう考えるから君は面白いんだよ。」
「むしろ、死が怖くないな言い方がヤバい。」
知識を得られるか、得られないかがこの人にとっての生死なの?
変ってる人だなぁ・・・。
「まぁ、基本は大丈夫だよ。」
「基本?」
「さすがに世界が滅ぶとかそう言う話になると禁忌だけど・・・。
彼女、見た感じ無害だし知識量も異世界でも一般的なレベルとかなんじゃない?」
「そうなのか?」
「うぇっ!?そう、言われても・・・あっちで死んだの18ですし・・・。
学生だったので専門的な知識はないです。」
「なるほど。とは言っても魔法が無いからその時点で一般的な知識でも大歓迎だ。」
ブレないなぁ・・・。
ホントに知識を得るのが好きな人なんだなぁ・・・。
大図書利用者によく居るような研究者達とはちょっと違うけど・・・。
「なら、ここに置いても良いな。」
「私、異世界の料理とか気になるなぁ。」
「え!?精霊って食事するんですか!?」
「嗜好品な意味合いかな?
食べなくっても空気中の魔力があれば良いんだし。」
まさかの嗜好品扱い・・・っ!
うちの弟達の精霊は食べる事とかなかったから初めて知ったなぁ。
「で、お前の名は?」
「ロイエです。ロイエ・メレディス。
一応・・・子爵家なんですけど・・・。」
「・・・ますます、王太子が何故間違える?」
「その・・・婚約者のアリアナ様と同じ髪と目の色ですけど・・・。
手入れの違いから髪艶とか違うのに聞いてくれなかったんです・・・。」
婚約破棄を言われた時の事を思い出して言えばあからさまに馬鹿かって顔をするリィンさん。
気持ち分かるけど・・・一応王太子、私、臣下なんです・・・。
「そんな勘違い王太子なんぞが王になれば苦労するな。」
「あの国、弟居たから大丈夫でしょう?
私は、セラフィナよろしくね。」
この大精霊も気さくだなぁ・・・。
今まで見た精霊は言葉喋らなかったけどこんな性格なのかな?
何かしてると近づいて来たりとかはあったから好奇心とかは強いのは知ってるけど・・・。
「さて、前世では早速だが魔力なくしてどう生活をしてたんだ?」
「魔道具のエネルギーが違うのを使ってですね。
この世界で言う魔力ではなく電気を利用して道具を動かしたりとか。」
「ほぅ、確かに雷魔法は莫大な威力だからな。
しかし、それは人に制御できるか?
どうやって集めてたと言う?」
「えぇっと・・・風力とか地熱や水力を使って?
別の力を電気に変換してエネルギーを作ってた?」
「面白い、別の力を変換するだと?
ますます興味がそそられるな・・・。」
見知らぬ知識に目を輝かせて聞いてくるリィンさんに驚く。
さっきまでの圧は無いし・・・こう、子供が目を輝かせておもちゃで遊ぶみたいな感じだ。
この人にとって、知識は心惹かれる玩具なものかな?
「さすがにその辺りの仕様は分からんか?」
「えぇっと・・・水力と風力ならなんとか?」
山奥で生活してるドキュメンタリー番組で出てそう言うので電力賄ってるの見たのきっかけに調べたから一応・・・うん、覚えてるからイケるね。
「え?逆にそう言うのなんで知ってるの?
学生が知れる奴?」
「あっ、はい。
いろんな事を調べられる道具あったので。」
「なんだと?」
「えぇっと・・・こう、大図書に大量の本がどこに居ても閲覧出来る道具って言えばいいのかな?
もちろん、その道具にあらかじめ情報とか登録しないといけないんですけど・・・。」
インターネットってまさにそんな感じだもんね。
いろんな人がネットで情報配信してそれを調べれば見れたし。
「つまり、登録された情報をどこからでも閲覧できると・・・。
再現出来ないか?」
「んん、どうでしょう?
情報を記録し続ける装置と・・・それを閲覧する道具の2つで1つみたいな感じにしないと無理ですよ?」
「・・・お前、本当に前世学生か?
専門家に思えるぞ。」
「内部構造は知りませんよ!
全体の構造とか学校で教えられただけです!」
ネットワークの話とか・・・普通科だったから浅く広くの知識いっぱいあるだけです!
実際の機械内部は知らないですよ!?
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