第3話 待って、情報過多ぁっ!

「ふむ、事情はわかった・・・。」


威圧感マッシマシなイケメンの言葉に詰めてた息を吐く。

いや、館長・・・転移先がお世話になる人の頭上とかやっばいって!

怒られた・・・解せぬ。転移は館長だから私、無実っ!

怒って魔法を使われる前に館長の名前と手紙を出して弁明してなかったらどうなってたか・・・。


「それにしても王太子は馬鹿か?

10年来の幼馴染であり婚約者だろう?何故、顔も知らん?」


「逆にこっちが聞きたいやつ・・・っ!!」


勘違いで追放された者としてはマジでそれな!なんだよ。

そもそも、王太子と接点無かったけど・・・噂に聞いてたのと大分違うような?

正義感が強く不正とか暴いた実績持ちとか・・・。

行き過ぎた正義って奴かなあれって・・・。

振り返って考えればそんな感じかな?と回想しちゃった。


いや、ほんとなんであんな勘違いしたんだ?

髪の長さからありえないでしょ。

常識どこに置いてきました?


「俺が君の面倒を見る義理はないが?」


「えっ・・・それは困ります!

自衛能力もないのに迷いの森無装備とか死ぬ奴。」


「・・・君、本当に令嬢か?」


「魔力量少ないので生活魔法ぐらいしか出来ませんが?

いや、本気で死ぬ奴・・・。」


拒否の言葉に思わず迷いの森を一人歩いて魔物に食い殺されるのが連想できちゃう!!

やめて!死にたくないです!!


「まぁ、そう言う者もいるか・・・。

いや、それならそれで何故王太子は気づかない?」


「勘違いされたこっちが一番知りたい奴なんですが!?

後、大図書の司書してたんで館長がそこで得た知識開示許可貰ってますぅ!」


このままじゃ追い出されると思い館長が言ってた知識マタタビを提示したら・・・なんだろう。

好物を目の前にした犬のように尻尾を全力で振うのが幻視しちゃった。

ドーベルマンみたいに怖い印象霧散しちゃってるんですが?

え?この人ギャップすごくない?

マジで猫にマタタビじゃん・・・。


「あははっ、リィン。君は彼女を傍に置いておくべきだよ。

その飽くなき知識欲を満たす為にもね。」


「誰っ!?」


「セラフィナ・・・・どういう事だ?」


リィンさんの後ろに誰もいなかったハズのそこに忽然と現れた存在に驚く。

いや、同棲してる人いたのなら教えて欲しいよ館長ぅっ!


「君、転生者でしょう?」


「はぇ?」


「なんだそれは?そんな言葉聞いた事無いぞ。」


転生者って・・・。

確かにそうだけど・・・いや、分かるもの?

それが見るだけでわかるとか・・・この人・・・いや、人間じゃないよね?

人間に鑑定魔法持ちとかレア過ぎる能力持ちそうそういないし・・・。


「・・・その様子だとお前には心当たりあるようだな。」


「ふぁ!?」


驚きに固まってればリィンさんにそう言われるのに反応がまずかったと察する。

あっ、これ言わされる奴ぅっ!

後、なんか圧!!!圧が怖いぃ!!!

体にかかる重力倍増感覚するんだよぅ!!


「こらこら、リィン。君はちょっと落ち着こうか?

魔力の圧で圧倒されちゃってるよ、その子。」


「むっ?」


「うぅっ・・・。」


「はぁ・・・これで良いだろう?」


「あぇ・・・?」


急に体にかかってた圧が消えるのに変な声が出る。

さっきまで見えない重力に押しつぶされそうな感じが消えちゃった・・・。


「ごめんね。リィンって感情高ぶると高い魔力が圧となって感じるみたいなんだよ。

あんまり表情変わらないけど中身子供だと思ってね。」


気軽に言うなこの人ぁ!?

不愛想な感じで怖いんだよっ!魔力の圧とか初めて体感したしっ!

いや、それよりも・・・っ!!!


「えぇっと、転生者って初耳なんですが?」


「まぁ、普通は知らないかな?

前の生・・・前世を覚えてる存在の事をそう言うんだよ。

君の魂この世界の者じゃないから結構変わってるね。」


「この世界の者じゃない?」


あんまり動かない表情にその目力すんごいこぁい。

リィンさんの目力に圧されてちょっと後ずさりすれば転生を言い当てた人(?)がリィンさんにチョップを喰らわすのにちょっと驚く。

この人達の関係って不明過ぎる・・・。


「えぇっと・・・あなたの言い方ですと他の種族も知らないみたいな言い方ですけど?」


うん。言い方的この人ってどこの種族の方?

迷いの森なんてヤバい森に居るんだから普通じゃないし・・・。

いや、リィンさんもだけど・・・館長の知り合いだしね!

館長ハーフエルフだからエルフだから魔法めっちゃ得意だと思う。

迷いの森なんかに住んじゃうんだから自衛出来るレベルだろうなぁ・・・。


「あぁ、私は精霊だよ。ここに居るリィンと契約をしてる。」


「ふぁ!?せ、精霊!?」


人と同じ大きさの精霊なんて初めて見た!

精々両手の上に乗るようなサイズしか見た事ない。

精霊は、その姿の大きさで力の強さが違うから・・・この精霊は・・・。


「も、もしかして・・・上級精霊様・・・?」


「こいつは大精霊だ。」


「ぶっ!?」


上級精霊のさらに上じゃないですかヤダー!!

なんで契約してんのこの人ぉ!?

そもそも、大精霊なんて御伽噺とか伝承でしか出て来ませんよ?

大図書の本にも昔に顕現したってチラッと出てたぐらいだよ!?


「だ、大図書でも・・・歴史書にチラッと出て来たぐらい稀な存在ですよ?」


「まぁ、莫大な魔力が必要だから中々いないかな?

居ても騒がれるのが面倒だからって秘匿にしてた契約者達もいるよ。」


「複数形ー!?」


うっそでしょ!?秘匿に・・・いや、戦争があった時代だと秘匿に走るか・・・。

あっちこっちひっぱりだこなり用済みでポイ捨てコースとかになりそうだもん。

あ・・・っ、ラノベあるある展開だねこの辺。


「で?君、前世の記憶あるんでしょ?」


このまま忘れて欲しかった話題戻っちゃったよ・・・。

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