ファースト・ラブ

とらまる

ファースト・ラブ

好きだ

大好きだ


君の姿を初めて見掛けたのは

あの噴水のある公園


君はちょっとすました顔をして僕の前を横切って行った

最初はお高くとまっているなぁ、と思ったけど


でも自分でも気付かないうちに

公園へ行くたびに君の姿を探すようになってしまった


君を見る度に

胸がキュッと締め付けられ

顔は火照り

体中が熱くなる


それが恋であると分かった時から

君を目で追うようになったんだ


ねぇ

思い切って声を掛けた時のこと

覚えているかい?


君は嬉しそうに僕の話を聞いてくれたね


僕はその夜、嬉しくて眠れなかったよ


あれから毎日毎日

僕とお話してくれたね


でも、僕は君が好きだ、と言えなかった


恥ずかしくて


ところが1週間くらい前から

君は僕が声を掛けても振り返りもしなくなった

スイスイ通り過ぎて行ってしまう


何故?


僕、何かひどいこと言ったかな?

僕、何か悪いことしたかな?


何で僕を無視するの?


あぁ、心が痛い


辛いよ


だから今日は君に言うんだ

勇気を振り絞って言うんだ


君が好きだ

大好きだ





「あら、ポチ。そんなに待ってもリリィちゃん、もう公園には来ないのよ。リリィちゃんね、1週間前に車に轢かれて死んじゃったの。隣町の動物霊園で静かに眠っているわ。せっかく仲良くしてもらったのにね。寂しいわね・・・さぁ、行くわよ」


!!・・・・・・


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