第11話
(凛視点)
私は涙が止まらず、しゃっくりまで出るしまつ。
先生を見送りに玄関の外に出ると、そこには蓮がいた。
「結は帰ったよ」
「蓮、私は児童精神科にかかる必要があるんだ って。私はそんなに悪い事をしたのかな?」
私は手足が震えた。ガタガタ。
「助けて、蓮…」
蓮は私を頭を優しくなでて…、優しく頬にキスをした。
私は目をまん丸にした。
「嫌か?」
何が起こったのかわからずに、私は呆然と立っていた。
「 いや…、嫌じゃないよ、ただちょっと驚いただけだから」
「嫌だったら気兼ねなく言ってくれ」
蓮は私の身体を抱きしめた。
ぽわっと心に火がつき始めた。
蓮は思いっきりテレていた。そして目をそらせた。
「俺がフォローしてやるから、学校に来いよ。楽しくやろうぜ」
私は蓮の胸をギュッと抱きしめ返した。
(蓮視点)
そして…、学校では2年生の期末テストが始まった。
1学年400人中、凛は学内10位だった。
蓮は学年1位。
「俺様のノートのおかげってことよ。感謝しろよ」
「ありがとう」
「お前、雰囲気変わったな。何だかこう、丸くなったような気がする」
「蓮こそ、変わったね。何だか、紳士に見える」
「あっ、廊下のお姉ちゃん、胸が豊満で…」
俺が凛に足を踏まれたのは言うまでもない。
結は俺にボソッと言った。
「よかったね、二人とも。お互いの闇みたいなものを、二人で乗り越えたね」
そして、三年生の受験シーズン。
俺は地方の国立大学の医学部へ進学。
凛は都心の外語大の言語学部に進学。
遠距離になるからということで、二人は学生結婚した。
結も呼ばれた。大泣だった。
色々あったけれども、結果オーライだった。
(終)
保健室の先生と milly@酒 @millymilly
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