第10話

(凛視点)



凛は泣きながら、2階の自室で結に告白した。


「滝下先生もそうだし、男の人も好きになるの。おかしいでしょう?」


私はぽろぽろと涙をこぼした。

結は私の肩に手を置いた。


「そんなことないよ。でも、恋愛って良いよね。男子でも女子でもいいじゃない。何なら、私にする?」


私の涙は止まり、ケタケタと笑った。


「前にも凛に言ったけれども、蓮はいいやつだよ。下品だけどああ見えて優しいし、ルックスは良いし、頭もトップクラス。最後に凛をかっさらっていくのは…」


凛の父親がドアをノックした。


「養護教諭の滝下先生がいらしたので、席を外してくれないかな」


1階に滝下先生は上がり、父と母は緊張のため、背中をピンして話を聞く。


「こんにちは。私は、養護教諭の滝下と申します。」

「言いにくい事ですが、スクールカウンセラーから、児童精神科の受診を勧められまして…」


「児童精神科!!って何のことでしょうか?」


「娘さんの情緒を安定させるために、少年少女が一定期間中受診をすることです」


「そんな…。でも、引きこもりを続けるよりは…」


「最後に、凛さんの顔を見てから帰りますね。」


2Fへ行くと、部屋から出て行て涙を流した凛がいた。


「先生、せんせい…」


「何も力になってあげなくてゴメンね」


滝下先生はグッと力強くハグをする。


「ゴメンね。これ以上私にはしてあげられないの。あなたはあなたのすべき事をしなさい」


階段を下りる先生。

出口では蓮が寒そうに立っていた。


「平野凛さんの事を支えてあげて」


そう言って帰って行った。


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