第8話

(滝下先生視点)


私は、スクールカウンセラーからこう言われた。


「平野凛さんは、非常に不安定です。学校にも行きたくないみたいです。」


「どうやって解決したら良いですか?」


「まずは、児童精神科に行く事も検討しないといけないと思います。そして…、滝下先生の対応次第でうまくいくかもしれません」


「そうですか」


私が原因…。


でも、それに応えることは出来ない。

高校生と教師の立場。決して間違う事は出来ない。もうその覚悟はない。

しかし、彼女は高校卒業まで待つことは出来ないだろう。彼女には大切にしてくれている蓮君がいる。

そして、私はどっちもいける性癖などと言えない。






(蓮視点)


結とセックスしてから、結は今までと変わりなく接してくる。

俺は、顔を合わせる事が出来ない。


「セフレって嫌な関係かしら。私はそうは思わないけれども。割り切れない?」


「いや、別に」


凄く気持ち良かった。

でも、虚しかった。結を抱いた時に、思い浮かべたのは凛だった。


そして、凛は学校に来なくなった。


俺は自宅のコンクリートに拳を当て、そして蹴った。

何でだよ!

滝下のせいだろう!

何であんな奴が良いんだ!クソ!


コンコン


親父が部屋の戸をノックした。


「リビングで飲もうじゃないか」


「え、ああ…」


俺は自暴自棄になるのをやめた。



俺はノンアルコールビール、親父はビールを飲んでいた。


俺は滝下の事を話した。

結とのセフレは伏せた。


「話してスッキリしたか?」


「多少は」


「滝下先生と平野凛さんのボイスレコーダーを録るといい」


「そうしたら凛が悲しむ。今は登校だってしていないんだぜ」


「今のままだと、悔しくて何も出来ないままだ」


「わかった。考えてみる」











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