第7話

(蓮視点)



3限目の休み時間のこと。


俺は結に愚痴をこぼす。


「長時間のハグって、教師としてアリなのかよ?」


「セーフじゃない?もっとも、スクールカウンセラーへのつなぎだとしたら。」


「クソっ!!」


俺は壁を思い切り叩いた。


そして、凛は教室に戻ってきた。


「ゴメンね、心配かけちゃって」


結が凛の頭を撫でる。


「心配したんだよ。特に蓮がね」


凛の目から涙がこぼれた。そして、俺の胸に軽くもたれかかった。

俺は無言でこの姿勢を受け入れた。凛の頬は柔らかくて、温かかった。


俺はその日の夜、昼間の事を思い出して自慰をした。

凛としたいけれども、どうしようもない。



翌日、凛は学校を遅刻した。凛が遅刻するのは珍しかった。

俺と結はノートを取り、コピーをして本人に渡した。


「ありがとう。いつもゴメンね」


そして、しばらくすると、凛はスクールカウンセラーと一緒に教室を出た。滝下と違う女が白衣を着ていたからだ。


凛が去ると、結がとんでもない事を俺に言った。


「ねえ、蓮。私とセックスしてみない?」


「お前、何言っているんだよ。付き合っていた奴とかいただろう?」


「今はいないのよね。それに、蓮、たまっていない?」


痛いところを突かれた。


「見ていてかわいそうなのよ。だから、実物で鬱憤を晴らして、ついでにいつか凛とする時の経験値を摘めば良いでしょう?今日ね、母も父は用事があって夜に帰ってくるのよ。だから、午後は空いていてね。」


帰り道、俺は初めての家に行った。

結の部屋は整えられて綺麗だった。

入ってすぐに、結に舌を入れる熱くて深いキスをされた。俺もそれに応えるが、すぐに勃起してしまった。


結はベッドの上で上下を脱いだ。肌の色は白くて、絹のようだった。


「おいでよ」


結はクスクスと笑った。


俺は、結の誘導されるまま何発もやった。



「気持ち良かったでしょう?」


「ああ」


「性欲旺盛ね。蓮の童貞貰っちゃった」


俺は、凛と俺の友人である結とやっちゃったんだな。


結はこう答えた。


「セフレとしてだから気にしないで」


ケラケラと笑っていた。


もし俺が結を好きだったら、何の問題もないのに。


帰りは一人だった。

男はセフレと恋人と扱いが全然違うというが、俺は虚しかった。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る