第5話

(蓮視線)


昼休み。俺と結は食事をしていた。今日は凛は学校を休んだ。



結が俺にこう言った。


「なんだか凛、保健室の滝下先生と距離近いよね」


俺はこう答えた。


「あからさまに近いよな。特に凛のほうから」


「蓮ってさ、凛に気があるでしょう?」


俺は飲んでいたイチゴジュースを吹き出した。


「そんな事あるわけないだろ!」


結はクスリと笑った。


「凛を見る蓮の視線が、とても優しいんだよね。凛は蓮の事をエロ魔神ってちゃかすけれども、端から見たら、蓮は進学校に通う好青年だから」


「それって褒めてんのか?」


「逆に言うと、蓮は凛の事が好きすぎて、凛が誰かを好きになったら、相手蹴飛ばしてさらって行きそう」


凛は、進学やら就職で俺から離れていくのはわかってはいる。

ただ、滝下はあり得ねえ。あいつがいると、純粋な凛が弱っていって苦しむだけだ。


「忠告だけど、凛、滝下先生、蓮の三人で修羅場になった時だけれども…。蓮が絶対に言っちゃダメな事があるよ。それはね、凛がいるときに滝下先生をけなすこと。例えば、滝下先生は凛をだましているだろとか、凛はお前のせいで具合が悪くなったとか。もっともその場の勢いで凛に告白とか。冷静にね」


「実は俺さ、凛の同意なしにキスしちまって」


「!!」


「凛が人気の少ないところで過呼吸起こして…。ビニール袋や紙袋もなくて、仕方なかったんだ。それで、凛は涙を流していて。村上先生と滝下の奴が二人で仲良く歩いていて、いなくなってしばらくしたら、凛が過呼吸を起こして…。」


「事故よね」


「事故なんだよ。でも、気持ち良かったな…。」


「そこが、エロ魔神でお友達関係から踏み出せないところ。一言余計。」


「そういうお前はどうなんだよ。友達以上になった奴いるのかよ?」


「別れたよ。でも良い想い出だったね」


「やったのか?」


「秘密」








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