第3話

「凛、最近ため息が多いよ。ため息は幸せを逃がすんだよ」


と親友のゆいが、心配する。


「元気印のお前がため息をつくなんて、世界は滅びるぞ!」


と、エロ魔神のれんはからかう。


滝下先生の、優しいけれども真のある話し方。

美人で頭の回転が速い。

男子学生との噂も頭から離れない。


私は先生に惚れたんだな〜。


もっと先生の事を知りたい。

知るためには…。


「凛、最近綺麗になったね」


「そうかな?ありがとう、結」

「今はさ、蓮がいないからいうけれどもね」

「うんうん」

「蓮は凛のこと好きかも知れないよ」


「はっ!?ないない。勘違いだよ。何でそう思うの?」


何とも思っていない相手の、好意かもしれない話を聞いて、私の想いは複雑だった。


その日の夕方で人もまばらな時、私は過呼吸を起こした。

ビニール袋を持参していたのに、自分ではうまくとれない。

そんなとき、蓮が駆けつけて、私の呼吸を整えてくれた。


「ありがとう」


私はニコッと微笑んだ。


蓮は鼻を指でこすった。照れ隠しかもしれない。


「治ってよかった。苦しいんだろ、過呼吸って。一応、一緒に保健室へ行こう」


蓮は私の手を引いた。そのまま、保健室へ向かった。


保健室に入ると、滝下先生は驚いた顔をしていた。


「過呼吸起こしたの?」


「ええ、ビニール袋を持参していたのですが、発作が起きると上手く使えなくて。それで、同じクラスの蓮君が手伝ってくれたんです」


「少しベッドで休んで行ってね」


私が横になると、先生はサーッとカーテンを閉じた。


「あの…、僕と凛は帰り道が途中なので、落ち着いたら一緒に帰りたいのですが…」


先生は物凄い眼力で蓮を睨んだ。


「いや、先に帰ります…」


蓮はうなだれて帰っていった











………………………………………………………


<滝下先生視点>



彼は、明らかに彼女に好意がある。彼女の魅力に気付いている。

ただ、彼女は蓮君を友人としてしか思っていない。

そして、彼女は私に好意を抱いている。


この三角関係をどうやって断ち切るか。




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