第2話
私は過呼吸を起こす事がある。
そんな時、滝下先生がビニールを持って駆けつけて、呼吸が落ちついてくる。
滝下先生、行かないで…。
保健室に戻ろうとした滝下先生の腕を、私がつかんだ。
滝下先生はニコっと笑った。
「保健室でもう少し休もうか」
私は保健室に連れて行かれ、ふわふわとした真っ白の布団に横になった。
滝下先生は、電子カルテのような物を見ながら、キーボードを素早く打っていた。
先生は裸眼だ。
じっと見つめていると、目が合う。
先生はニコっとしながらこちらを見る。私はテレてしまい、目をそらせてしまう。
「そろそろ大丈夫かな。顔色も良いし、教室に戻って大丈夫よ」
幸せの時間はそう長くは続かない。
「わかりました」
私はゆっくりとベッドから降り、寂しげに保健室を出た。
先生は閉められた保健室のドアをじっと見て、仕事へ戻った。
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(滝下先生目線)
彼女はよく過呼吸を起こす。
ストレスに弱いのだろうか。
ちなみに、私は男女どちらも好きになるタイプだ。世間でいう、バイセクシャルだ。
彼女は可愛い。
か弱くて、華奢で。多分、まだ自覚はしていない。
そのうち男性ウケするだろう。
私はふと校庭を見る。彼女に触れた手はまだ、ぬくもりがあるような気がした。
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