第16話 ガイア
グッドとラックを見てプルートは言った。
「分からないだろう。オリュンポス十二神とは、神の祖であるガイアが創り出した12柱の神の事だ」
プルートはヴェスタを見た。ヴェスタは首を傾げた。
「どうしました?」
「君は1人目だ」
「1人目?」
「わすれるのも無理はない。君の真の名はヘスティアだ。かまどの神としてガイアが創りだした」
「私が神様?」
再びグッドとラックを見てプルートは言った。
「お前たちが会ったバルカン、ジュノー、アポロ。他にもお前たちが会った者がいるはずだ。その中にオリュンポス十二神がいただろう」
「俺たちが会っただと?」
「それは本当ですか?」
「本当だ。因みに私も十二神の1人で、真の名はハデスと言う。私は話が下手なのでお前たちに間に入ってほしい。早速会いに行く。付いてきたまえ。ヘス…ヴェスタも共に行こう」
「私もですか?」
「君の力を貸してほしい。安全は保障する」
プルートは黒い靄を放ち、靄は歪みと化した。プルートとヴェスタとともにグッドとラックは歪みに入った。歪みを出ると、目の前にバルカンがいた。
「・・・お前らはあの時の」
「久しぶりだな。と言ってもつい最近か」
「・・・何の用だ?」
「僕たちではなくこの方がバルカンさんに話があるそうです」
「バルカン、お前はオリュンポス十二神の1人、ヘファイストスだ」
「・・・は?」
「わすれるのも無理はない。鍛冶の神であるお前に頼みがある」
「・・・何だ?」
「ヴェスタという彼女もオリュンポス十二神の1人で、温かい炎を生み出せる。その炎とお前の腕を合わせればどんな力にも耐える武器が作れるだろう」
「・・・わかった。任せろ。よろしく頼む」
「役に立つか分かりませんが、頑張ってみます」
「2人とも頼んだぞ。私たちは他の者を集めるぞ」
「「はい」」
グッドとラックは、プルートの創った歪みを通り、十二神に会いに行った。そして、彼らと共に再びバルカンのいる星に向かった。すでにバルカンとヴェスタは武器を完成させていた。プルートは十二神に説明した。
「まず、皆の者集まってくれて感謝する」
「礼よりも何をすればいいか教えてほしい」
「そうですね。目的が分からなければ知識も使い道がないというものです」
「ミネルヴァの言う通りだ。皆の者には、この武器に力を込めてほしい」
「力なら暴れ牛の我だけで十分だ!」
「そういうことではないはず。高速処理を得意とすることも力の1つと言える」
「マーキュリーの言う通りだ。バッカスの酒の力も、ネプチューンの勇敢な力も、ヴィーナスの美の力も、セレスの豊穣の力も、ここにいる十二神の力すべて必要だ」
グッドとラックは疑問を投げかけた。
「あの、ここに僕たちを除いて、13人いますけど…」
「十二神は13人なのか?」
「2人の言う通り、ここに13人いる。因みにゼウスも十二神の1人であるから、合わせて14人いるな。これは、深く考えなくていい」
「いいんですか!?」
「いいのか!?」
「12人以上いればいいのだ。よし。皆の者、手を武器にかざしたまえ」
十二神は武器に手をかざした。力が集まり、武器が虹色に輝いた。それをプルートは掴み、掲げながら言った。
「皆の者、感謝する。私は暗黒物質の化身との決戦に挑む。いざ、参る!」
グッドとラックはプルートに預かったランプのふたを開けた。プルートが中に吸い込まれた後、ふたを閉めた。
「行っちゃった…」
「無事だといいが…」
その時、二人の脳裏に声が響いた。
「ゼウスの子らよ。長い旅、ご苦労でした」
「誰かの声がする!?」
「誰だ!?」
「驚くのも無理はありません。其方らを導いたのはこの私だったのです」
「あなたは!?」
「まさか!?」
「また会いましょう。ゼウスの子らよ…」
グッドとラックは意識を失った。
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