第8話 ポセイドン

 グッドとラックは時空の歪みを出た。

「まだくらくらするよ」

「大丈夫か、兄さん」

「ああ。体を動かしたい気分だ」

グッドとラックはいつものように機体を休ませるため、近くの星に降りた。星は海に覆われており、星の民は、海を泳いでいた。二人は機体を海の上に浮かべた。

「僕も泳いでこようかな」

「じゃあ、俺も泳ぐよ」

二人は服を脱ぎ、海に飛び込んだ。この星の海は、不思議なことに呼吸が出来た。

「この水、すごいぞ。話すこともできる」

「おい、何か来るぞ」

凄い速さで民が泳いできた。二人は避けた。民は槍で突いた。槍の先に魚が付いていた。

「お見事」

「どうも。あなたたちはこの星の者じゃないな」

「どうして分かるんだ?」

「ヒレがないからさ。わたしたちは、長い時を経て足が退化し、ヒレを持った」

「通りで泳ぎが上手いわけだ。生まれつき泳げたのか?」

「まさか。はじめは教えてもらったよ。その間、勇者様が守ってくれた」

「勇者?」

「紹介するよ」

民は二人に紹介するため先を泳いだ。二人は民に置いて行かれないように必死で泳いだ。

「はあはあ…速いな」

「それも勇者様のおかげさ。この方が勇者ネプチューン様だ」

「何度も言うけど、呼び捨てで良い」

ネプチューンは長い髪を持つ勇ましい男性だった。

「男前だ」

「お世辞でも嬉しいよ。そういう君たちもなかなかいい男じゃないか」

「そうだろう」

「ああ。何かの縁だ。泳ぎを教えてあげよう」

「せっかくだから習おうか」

二人はネプチューンの指導を受けた。二人は泳ぎが上手になった。

「うん。いいね。あとは武器の使い方だね」

「水中で武器を使うのがこんなに大変とは思わなかった」

「ネプチューンが持つ槍、かっこいいな」

「この三叉の槍は僕のお気に入りでね。これだけは誰にも譲れないんだ」

「そんなに大きい槍は誰にも扱えないだろう」

「そうかもしれない」

二人は少し水中で武器を使えるようになった。

「ありがとう。おかげで水中でも戦えるようになった」

「それは良かった。またいつでも教えるよ」

「男前だ」

二人はネプチューンと別れ、機体に戻ろうとした。二人の横を巨大な影が通り過ぎた。

「あれは、怪獣だ」

「追うぞ、ラック」

二人が追うと、ネプチューンが怪獣と戦っていた。

「加勢するぞ」

「助かる」

「教えられた通りにやれば勝てる!」

怪獣の狙いを定めないように三人は泳ぎまわった。ネプチューンが三叉の槍を怪獣の体に刺した。怪獣は暴れ、三人は避けた。

「体が縮んだ今、怪獣が強敵に感じるぜ」

「倒すだけで命がけだ」

「この獰猛さ、鮫以上だ」

怪獣が突進してきたのを避けたとき、ネプチューンが怪獣のヒレで怪我を負った。

「大丈夫か!?」

「ああ…痛みには強い。だが、上手く戦えないな。すまない」

「また来る。血の匂いでより速くなってる」

怪獣が旋回して三人に突進してきたとき、海面から鋼鉄の網が降りてきて、怪獣を捕らえた。二人は謎の助っ人を追った。海面に出ると、巨大な戦艦が網を怪獣ごと引き揚げ、飛び去った。ネプチューンが二人に尋ねた。

「知ってるか?」

「いや、知らない」

「俺たちは助かったが、あの戦艦も怪しい匂いがするぜ」

二人は戦艦を追うことにした。ネプチューンと別れ、機体に乗った。

「この星でもいろいろあったな」

「まだまだ知らないことばかりだ」

グッドとラックは時空の歪みに入った。

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