第3話 アルテミス
グッドとラックは時空の歪みを出た。
「歪みを抜けた」
「何も変わったところはないな」
二人が宇宙空間を移動した。
「次の歪みはどこだ?」
「見当たらない。そうたくさんあるものじゃないのか?」
「もしそうだとしたら、早とちりだった。次の歪みが出るまで時間があるな」
「兄さん。あそこに星がある。行ってみようぜ?」
「そうだな」
グッドとラックは星へ向かった。その星では、狩りが盛んだった。星の民は、食糧となる動物を石で出来た武器を持ち、追いかけていた。その中に、動物に跨り、動物を追いかける勇敢な女性がいた。その女性は“狩人”という異名で親しまれていた。狩りを終えると、寝床にしている洞穴の近くで火を焚き、獲物を炙って食べるのだった。
「今日の収穫は少なかった…」
「本当だ。それだけじゃあ、お腹がすぐ空いちまう」
「はあ…それに比べて、彼女はすごいや」
「ああ。今日もみんなの倍は獲ってる。流石は狩人、ダイアナ」
「それより、知ってるか?最近、大型の動物が出現して、動物を食べちまうらしい」
「知ってる。あれに出くわしたらその時が最後だ。出会わないのが身のためだ」
「ダイアナなら大丈夫じゃないか?あんなに強くて勇敢なんだから」
「あんなに強くて勇敢でも流石に駄目さ。あれは化け物だ」
男たちの話をダイアナは聞いていた。次の日、男たちは狩りに出かけた。
「よーし。今日はたくさん狩るぞ!」
「頑張れよ。あそこに群れがいる」
「行くぞ!まず一匹目!」
「こっちも獲った!」
いつものように男たちが狩りをしていた時、動物の群れが半分いなくなった。
「あれ…?何か減ってないか?」
「気のせいだ。誰もいないじゃないか」
男たちの立つ地面から鋭い歯を持った口が大きく開いて飲み込もうとした。
「横に跳べ!」
ダイアナの声で、横に跳んだ男たちは間一髪飲み込まれなかった。
「ありがとう!」
「狩人様!」
「感謝するよりも逃げるのが先だ!乗れ!」
ダイアナは愛馬に男たちを乗せた。ダイアナがムチで馬を走らせたとき、地面から砂を撒き上げながら、四足歩行の怪獣が出現した。
「出た!化け物!」
「狩人様、助けてくれ!」
「今助けている!」
怪獣が猛烈な勢いで迫り、長い舌で捕らえようとしてくるのを、ダイアナは華麗なムチ捌きで避けた。しかし、長い舌が二本あることはダイアナも気が付かなかった。
「危ない!」
「来てます!」
「話しかけるな!」
男たちは鋭く尖った石を投げまくった。怪獣は長い舌で石を飲み込み、むせた。その隙に、ダイアナは狙いをすまして武器を投げた。武器は怪獣の目に当たり、ひるんだ。しかし、それは逆効果だった。怪獣は怒りで我をわすれ、長い舌で捕らえた。ダイアナは死を覚悟した。狩りをする者として生と死は隣り合わせと理解していた。その時、ダイアナの目に光が入った。気づくと、ダイアナは外におり、怪獣は仰向けに倒れていた。そして、その奥に二人の光の巨人が立っていた。二人はグッドポーズをして飛び立った。気絶する男たちの隣でダイアナは口を開けて見ていた。二人が宇宙空間に出ると、時空の歪みがあった。
「どういうわけだ?ずっと出なかった歪みが怪獣を倒した後出た」
「わからないけど、出た。入ろうぜ」
「ああ」
グッドとラックは時空の歪みに入った。
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