第2話
夜。ある場所に人生相談所という建物があった。やってることはよろず屋だ。基本的になんでも話をきき、無償で相談にのってくれる。そして、そこで働くリーダー的立ち位置にいるのは女がいた。そして、その相談所に一人の男が現れる。ピンポーン。女がドアまで行き、開けると、
「あの…」「人生…相談所でいいんですよね。」
「はい、人生相談所です。」
「あの…変な質問なんですが…今、一人ですか?」
「はぁ…、確かに一人ですけど。」
「ハハ。そうですか。」
カチャと女に拳銃が向けられる。
「おい、金を…出せ…。金を…出すんだ…!」
それに対し、女は…
「ふんむ、なるほど。話を聞かせて頂こう。どうぞ、中へ。」
なぜか冷静に部屋の中へ向かって平然と歩き、部屋の中央にある対面式になっているソファーの1つに座る。当然俺は、
「んな…!おい!何平気な顔をしてんだ。銃を向けてんだぞ!こっちは!」
大声を出しそう叫ぶ。
「お客様!ご近所の迷惑です!」「そんなおもちゃ、さっさとしまって中へ入れ!」
「くっ!こいつ…!」
俺はドスドスと床を踏みながら、目の前にいる女の至近距離まで近づき、床へ向けて弾丸を1発撃った。そしてそれを間近でみた女は。
「ホウ。ドウヤラハッタリデハナイヨウダナ。」
カタコトになり、震えている。どうやら、本当におもちゃだと思っていたらしい。
「おい…」
「ハイ、ドウサレマシタ、オキャクサマ。」
「金を出せ。」
「タダイマ、ワタクシイチモンナシ。オカネムダヅカイスルカラ、ナカマカラゼンブ、ウバワレタ。」
「嘘をつくな、」
「オワッタ。」
と女はそう言い、カタカタと震えている。目が点になっている。嘘ではないようだ。ならば、取るべき行動は…
「金を、要求するか…」「おい!お前!」
「ハイ…」
「仲間の電話番号をうて!」
俺は近くにあった、電話機を手に取る。そしてそれを女に渡して、電話番号を打たせる。ポチ…ポチっと。電話番号が打たれた後、
「ハイ」
と渡される。そして、電話の相手が出てきて。
「はい、○○警察署ですが。何のごようけ」
切る。
「どういうつもりだ…。」
睨む。
「ワザトジャナインデス。マチガエタンデス。」
涙目になっている。
「…」「今度は俺がうつ番号を教えろ。」
「エット、○○・・・」
そして、掛ける。
「姉さん?どうしました?」
どうやら、こいつの弟が出てきた。だから
「梁川恵は今預かっている。」「返してほしくば」
「なるほど…ちょっとお待ち下さい。」
「はっ?ちょっ…」
そして、しばらく、時が経ち…
「周りにいた者達との話合いをしました。その結果、その方の生存の安否はどうでもいいこととなりました。よって、これにて失礼。」
ツー…。電話は切れる。
「お前…」
俺は女を見つめる、
「………」
女は黙っていた。しかし、今にも泣きそうなほど顔を歪めていたのである。
家族の手本 @log1111
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