ラミ

@log1111

第1話

「ある星にパンゲアという大きな大陸があった。パンゲアには多種多様な人種や文化、生物とにかく色々と入り乱れていた。また、大陸には国名がある。その名はThe County。しかも、その国には777もの主要な都市がある。そしてその中の1つ東京。そして、東京の渋谷のある場所。そこには一人のいたいけな少女がすんでいたのだ。」「どうよ?この、完璧な書き出しはー!」

「長いしだめ。」

「はあ?!なんで?」

「だから、長いからだって。しかも、それあんたの今までの記録を自分で!書くんでしょ?」「なにが、いたいけな少女だ!ババアが!」

「んだと!その時のあたしはまだ15歳だぞ!」

「気にする所はそこじゃねぇだろ。」

「んじゃ、どこだってんだよ!」


女性は目の前にいるいけすかない、そして、透けもするその存在に激しく怒る。

そして、その存在は


「うるさ。分かった、バカに訂正するから。」

「なら、いいか。」

「相変わらず、それでいいんだな…。」

「あたぼうよー。容姿に関すること以外は基本怒らんぜー、あたしはさぁー。」

「はぁー〈ため息〉、んでその後は書いたのか?」

「おう!えっとなー。その少女はボランティア活動をしていた。休日の昼は地域にいる皆のために。そして、夜になると…、




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




それは、雪が降っている寒く暗い夜。依頼されてあたしは真っ暗な空間に、前しか明かりがつかない懐中電灯を照らしながら、ある場所を歩いていた。ハエが目の前を耳障りな羽音でとび、しまいにはすぐぞばにある水道からのとんでもない異臭を放つそんな二度と来たくないと思わせる、汚い下水道の中を歩いていたのだ。


「うぇ~、いくらみても本当にきたねぇなーこいつは…。とっとと、出ていきたい所だが、んでもそうもいってられんか。」「今回の怪異はほっといたら、厄介だしな…。」


怪異とかとは基本的に、まず話して穏便にすませようとすることがセオリーだ。まっ、今回は違うがな、何を隠そう人を5人すでに殺しちゃってるし、それにしても…


「いねぇな、」


いない、聞いた話によるとこの下水道にいるんじゃなかったか。てか、行き止まりまで歩いて来ちまったし。かれこれ、40分は歩いてんだが。あれ、入る下水道間違ったか?


「…」「帰るか。」


あたしが帰ろうと後ろを向いた途端、


「うおぉ…、」

「!」


声が背後から聞こえた。だから、すかさず向きなおったが…


「?いない。」


当然壁だからだれもいなかった。ぬりかべの可能性もあるから、罵詈雑言を吐いて探ってみたが。


「ないか。」


何も反応はなかった。ついでに専用の機器も使って調べるが反応なし。イラッとした。




「んだよ!なんもねぇじゃねぇか!ふざけやがって、幻聴でも聞こえてたのかあたしは!」「もういい!今度こそ帰るぞ!」


「ねぇ…」


「!」




聞こえた、やっぱ幻聴なんかじゃねぇ!でも、おかしい、さっきまでの声とは違う。あと、今の声、どっから聞こえた?いまのはまるで…




「帰るの?」


「寂しいよ、遊ぼうよ?」




わらわらとあたしの周りの壁から顔や人間の四肢が現れる、ちなみに顔は男の子と女の子の顔。そして…ヤギ?




「メェー」


「退屈しないよ。ここにいると。」


「へぇ、何があるってんだ?」


「…」「待ってて。あっ、あった!ボールだよ!ホラ。」




そういう、あいつが取り出してきたのはおそらくそいつらが殺したであろう被害者たちの頭だった。




「これで遊ぼうよー。」


「そうだよ。」


「メェー」


「…」




やべぇな。こいつ、なんか本当に。




「それにここは良い匂いがするでしょ?」


「んなわけねぇだろ!」


「…」「そう」


「じゃあ、夢を見せてあげる…。憑りつき様。」


「ンメェー!!」




二人の子供の顔とヤギの顔は再び壁の中に沈む。その代わり現れたのは、見覚えのある円盤だ。円盤の端からはさっきまで周りの壁にあった子供の手が伸びてる、そして…




「あぁ…お前か。ひでぇ姿になったもんだな…」




あたしは今回の騒動の犯人がようやくわかった。

その円盤の真ん中にあるのはヤギの顔だった。だが、さっきまでの顔とは違う。目の中にさっきまでの子供の顔が埋まっているのだ。




「輪入道」

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