第2話 2年3組

 私は職員室で説明を受け、朝のホームルームになるまで職員室で担任の先生と軽く話をしていた。

そして、ホームルームになり先生と一緒に教室まで移動する。

先生が今教壇に立って、僕のことを説明してくれている。

あー、恥ずかしい。

そう言って待っていると、扉が一回ノックされた。

それは入ってきていいという合図だ。

 私は心臓をドキドキ言わせながら、教室に入る。

そうするとみんなに一気に視線を向けられる。

「えっと、私の名前は黒田音子です。誕生日は2月22日で、趣味はギターです。お願いします」

そう言って、私は窓側の一番後ろの席だと言われそこに座る。

ほっと胸をなで下ろし、そこに座る。

 そうして、朝礼が終わって私は一時間目を確認すると早速体育だった。

「ねぇ、音子ちゃんこれからよろしくね」

「うん、よろしく」

「そういえば、名前可愛いね。音に子どもって書いてねこでしょ。めっちゃ羨ましい」

「そんなこと言われたの初めて。ありがとう」

隣に座っている女の子。

なんかすごいプチに似ているなぁ。

「プチ」

そう呟いてしまった。

「ん?なんて」

「ううん、なんでもない。そういえば、一時間目は体育なんだね」

「そうだよ。ちなみに自慢じゃないけど私体育できるんだ」

「そうなんだ。私できるかわからないな」

だって、今まで授業というものをやったことがないから。そう心の中で付け足す。

そうして更衣室に行く。

 体操服に着替え、体育館に集まる。

「あの、黒田さん」

そう呼ばれている。

「今音子ちゃんのこと呼んでいるのが健崎先生。あの人が褒めることはそうそうないけど、案外優しい先生だよ」

そう言われ、先生の元に行く。

「今日転校してきた黒田さんね。体育どう」

「頑張ります」

そう元気に行って見せた。

「そう。じゃあ、頑張れ。今日は早速バスケットボールやるけどできる?」

「多分できます。一応ルール確認とかしたくて」

そう先生に言い、軽くルールを聞いてから全員で集まり、まずは人数確認する。

それから準備運動をやり、それから練習を始める。

まず最初はボールのパスの練習だった。

でも、あー眠いな。

そう思っていると不意に欠伸が出る。

あの頃はいつ寝てもよかったのにな。

そこではっとした。

これが神様に言われたことかもしれない。

ちょっと界隈が違うだけで、全くルールが違う。

そこをまずは守らないといけないんだ。

そう思いながらボールを扱う練習をする。そうすると、隣に座っている女の子が近くで練習する。

「そういえば、名前言ってなかったよね。私は乾里美。よろしく」

「うん、よろしく」

「じゃあ、シュートするから。里美さん、スリーお願い」

そう言われて里美ちゃんがゴールから少し遠いところからボールを投げる。

先生が説明するにそれはスリーポイントシュートというらしい。

そして、シュートの練習が終わってから軽くゲームをやろうと言うことになりチームに分かれた。

里美ちゃんとは違うチームになってしまった。

チームのみんなが勝てないと思っているらしい。

それから察するにバスケ部はいないと思った。

初めてだけど、頑張ろう。

そして、試合が始まった。

やはり、ボールの主導権は里美ちゃんが持ってしまった。

そのせいでこちらのチームの負けは確実なものになってしまう。

私は前世の俊敏さでボールを奪う。

「音が……」

私はそのままドリブルをしながら、軽やかにシュートを決めた。

みんなが私のことを見る。

でも、私はボールの方に意識が向いていて周りのことが気にならない。

次は里美ちゃんチームがボールをゴールさせようと攻めてくる。

みんな奪えずに、困難している。

息を潜め、みんなを様子見をする。

そして、相手チームが里美ちゃんに投げようとしたボールを私は里美ちゃんに渡る前にキャッチして真ん中くらいから投げた。

「届け」そう叫んだら音もなくゴールに入った。

もしかして、前世が猫だったことって体育に役立つかも。

そう思いながら試合を続ける。

そこから点数を取られたりもしたが、私たちのチームが最終的に勝つことができた。

「すごーい。音子ちゃんって体育できるんだ」

「めっちゃすごかったよ」

そう周りからかなり褒められる。

「えー、音子ちゃんって体育できるんだ。私からボールを奪えた人第一号だよ」

そう言う。

そこで気になったことを聞く。

「そういえば、里美ちゃんって何部?」

「えっ?私は軽音部」

やっぱり。

「なんで?」

「いや、このクラスにはバスケ部がいないんだなって思って」

「なんでそう思ったの?」

それから私は思ったことを話す。

「へぇ、頭もいい感じなのね。気に入った。今日中に学校を案内してあげる」

私は急なことに驚いたが、

「ありがと」そう言い、更衣室に行った。


 そして、転校してからざっと二週間が経つ。

自分の好き嫌いがはっきりと分かる。

まぁ、一応高校生になるまでの記憶もあるのだが。

はっきりと分かったのは体育が意外と好き、音楽が好き、英語や国語が好き。

他もできるはできるが好きなものと比べると難しい感じがする。

それに仲いい友達もできて、今は五人で毎日楽しくやっている。

まずは、一番最初に仲良くなった乾里美。

里美ちゃんは毎回体育で私とバトり、勝ったり負けたり。

それに次は鮫島大河。

大河はいつでも臨機応変で頼りになるときは頼っている。

だが、高所恐怖症でいじりやすい。

そして、鳥飼翼は完全な理系男子。

だが、意外と身体が動くたちでみんなで踊ったりする時に、センターに立つと映える。

最後に鹿乃紅葉。

すごい清楚な名前だが、思っていたよりもギャルな感じが強い。

ここみんなの共通点は軽音楽部に入っていること。

しかも、みんな何かしら使える楽器は違う。

 

 だが、一つ気になっていることがある。

私はプチが本当に気になっている。

見かけた場合は飼いたいくらいだ。

でも、ここ最近プチを見かけない。

この街は猫の時に住んでいた街と一緒だった。

河川敷も調べてみたが、いない。

河川敷の人に野良猫の話をすると、二週間前くらいから見ないと言う話を多く聞く。

あれっ?

二週間前って私が人間になった週。

その時に、頭が少し痛んだ気がした。

そして、あぁそういえば私妹いたんだった。

「もしかして」





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