第30話⁂銀色の瞳⁂


 だが、ビギンは宰相(さいしょう)なのだが、近未来的な空中都市でSF的な建築物が目立つこの建築物を攻撃する事に「待った!」を掛けた。

【宰相:政治家としてのトップ・王様の次に偉い人】

 

 それはそうだろう。自分達が築き上げた建築物を粉々にされては堪ったものでは無い。 

 だが、ビリ-王の拠点である、浮島の上に築かれた紫禁城の様な広大な城と、マチュ・ピチュのように高地の断崖に築かれた天空の城も、今は完全に壊滅状態となっていた。


 そこでこの国の王ビリ-が、最終手段として衛星放送で国中にお触れを出した。


「嘆かわしい事に、グランド人とグレイの戦争が勃発してしまった。グレイであるお義父さんでグランド王国の現宰相(さいしょう)として手腕を発揮しておられるお父上様、何故このような真似をなさるのですか?私がお義父様に何をしたというのですか?北西に住む悪魔を手なずけて味方に引き入れたらしいが。更にはギャング王国のジノ王とも同盟を結んでいるご様子。度々強盗目的で我が国に侵略している大泥棒と何故同盟を結ばれたのですか?絶対に許せません!……それからギャング王国のジノ王、私には秘密兵器が有る。直ちに引き下がれ!さもないとギャング王国に巨大な核兵器を投下するぞ!」

 

 

 そこで早速、碧とルフィ姫、そして…クロ―ン三人組、信長🅰秀吉🅰家康🅰五人の猛者たちもこの戦争に乗り出した。


 まず、信長🅰が口火を切った。

「まず、おいらの住んじょるギャング王国に、あのビリ-王が、第二次世界大戦末期に広島に投下しよった原爆が有ろう?その五〇〇〇倍以上の威力を持つ核兵器を投下すると言っとるでよ~。おいら達が住んじょるギャング王国が粉々になるだで、堪ったもんじゃあら-せん。ひょっとしたらファイブドアーズ星が跡形もなく崩壊する可能性が高いで……だで~何とかせんと―?」

 

 家康🅰が言った。

「何とか中断させる方法はありゃーせんか?」


 秀吉🅰が良い方法を話し出した

「そうじゃ!兵糧攻めはどうじゃろう?食い物を、ようけ無うして隠しとこまい」


 碧とルフィ姫も賛成した。こうして兵糧攻め作戦が決行された。


 グランド人とグレイ人達が寝静まった頃を見計らって、ルフィ姫が小鳥ハッピーを手に乗せ、ハッピーの頭を撫でて、銀次神様が言っていた呪文「 アブラ オーム シャンティ アブラシャンティ アブラシャンティ」三回唱えると、するとどうでしょう。冷蔵庫や冷凍庫更には食糧倉庫に貯蔵してあった食糧が、一斉にレプリカに変わり果て、ただのオモチャになってしまった。


 

 こうして…一週間が経過。

 グランド人とグレイ人の兵士たちが、食糧難でへたばり動けなくなってしまった。

戦争は完全に休戦状態になってしまった。


  

 だが、残念なことにギャング王国のジノ王が自国から食糧を調達して、宇宙人グレイに食糧供給をしたので、たちまち復活した。


 一方の悪魔「ティラノサタン」ワニ、トカゲたちも食糧難にあえいでいた。


 どういう事かと言うと、食料を絶たれたグランド人、グレイ人、それから他動物たちも食料不足に陥り、こんな沼地にまで小動物や魚をこっそり食べにやって来るので、瞬く間に食糧不足に陥っていた。それでも不足していた分ジノ王の食糧供給で復活できた。


 こうして復活を遂げたグレイ達や「ティラノサタン」ワニ、トカゲたちも…第二の重要拠点、金貨が眠る空中都市〈グランド王国〉の洞窟にやって来た。

 

 グレイ達は、王様の拠点天空の城を陥没させて、あと一息この金貨が眠る洞窟を包囲すれば勝利は見えて来ると踏んでいる。

「あんな役立たずのビリ-王を、早く王の座から引き釣り下ろさなくては!」と必死だ


 悪魔「ティラノサタン」は七つの龍の頭と十の角を思う存分生かして、洞窟を打ち壊して行く。七つの頭は勢い良く変幻自在に、山々や絶壁、洞窟を鋭い角と強靭な龍の頭を四方八方に勢い良く打ち付け粉々に打ち砕いて行った。


 ガッシャ——————ン! グッシャ——————ン! ドッドドドド バッカン!


 更には、あの巨大な口から牙を剝き出し、恐ろしいまでの勢いで炎を吹き出し洞窟の兵士たちを焼き殺している。 



 一方グレイ達は、果敢に宇宙船を自由自在に操り、最新鋭の機関銃でグランド人を片っ端から撃ち殺して行く。

 

 ドッドドドド ドッドドドド ドッドドドド


 一方のグランド人達も洞窟に隠れて果敢に応戦している。ピストルでグレイたちを撃ち殺している。バン バン バン バン バン バン 


 そこにグレイ達が爆撃機で、爆弾・焼夷弾・ロケット弾などを投下したり、ミサイルで洞窟を木っ端みじんに壊して金貨の在り処を探している。

 

 バッキュン!  ヒュ———————ッ❕ バッカン!

 

 どうもこの第二の重要拠点金貨が眠る洞窟を守るグランド人兵士たちは、食料には事欠かない様子。

 

 それは野山なので、山菜やキノコ更には動物達のアジトがいくつも有るので、キノコを積んだり動物たちを殺して食料にしているので果敢に応戦して来る。



 更に、グレイたちが宇宙船を自由自在に操り空を埋め尽くし、機関銃でグランド人を一斉に矢の如く片っ端から撃ち殺して行く。


 グッシャ——————ン! ドッドドドド  バッカン!

 

 グランド人たちも果敢に宇宙船を自由自在に操り、機関銃でグレイを片っ端から撃ち殺している。

 だが、宇宙人グレイの兵器の方が最新鋭なので威力は何倍も何十倍も上だ。実は…兵器やOA機器は全て高知能のグレイたちが開発を手掛けていた。


 完全にビリ-王の敗戦色が色濃くなって来た。

 

 

 だが……その時ルフィ姫の左の目が銀色に輝いた。

 一体どういう事なのか?


(それが……どういう訳か……あの…宇宙人グレイである、ビリ-王のお義父さんで近年グランド王国の現宰相(さいしょう)となったビギンが手腕を発揮しているのだが、どうも…恐ろしい企みを画策しているようだ。第一グランド王国にギャングとしてやって来た強盗団だったらこの国の一番の敵ではないか、そんな強盗団と同盟を結ぶ時点で怪しい。何かとんでもない企てを考えているのでは?)


 実は…そこには想像も付かない恐ろしい企みが有った。

 

 ルフィ姫の左の目が銀色に輝いたという事は、この戦争には思いも寄らない計画が隠されているという事だ。


 ルフィ姫は左の目が銀色に輝いたあの時に、銀色の瞳が危険人物を特定したので、ある人の魂を透視していたのだった。

 ルフィ姫は意識が遠のき、徐々に誰かの魂の声がぼ~んやり聞こえて来た。


 やがて…その声は鮮明になり誰だか分からないが、腹のうち魂の声がハッキリと聞こえて来た。

(ウッフッフッフ!ウッフッフッフ!この空中都市〈グランド王国〉がここまでになたのには訳がある。ワッハッハーワッハッハー実は…巨大植物都市〈ジャイアント プラント王国〉の「金の扇子」を手にしていた。あおぐことによって様々なものが出てくるとされる伝説の「扇子」ウッフッフッフ!それを…あのリンゴ婆さんを騙してウッシッシッシ~!)


(エエエエエエ————————————ッ❕誰がこんな恐ろしい事を言っているの?)ルフィ姫に心の声が聞こえた。

だが正体が分からない。


その時、銀色の瞳が本来の目に戻った。

だが、戻る瞬間瞳にハッキリ顔が映し出された。


それはズバリ!ビギン宰相だった。



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