第28話⁂虐め⁂


 ラブラブな二人碧とルフィ姫が、神様銀次から頼まれていた話を、十五歳に成長したクロ―ン三人組、信長🅰秀吉🅰家康🅰に手伝って貰おうと話し出した。


「実は…私は神様銀次から「ファイブドアーズ星」の守り人となって隠されている秘密を解き明かしてくれ。例えそれがどんな恐ろしい結果であっても……その後には静寂が訪れるであろう。そう神様銀次から仰せつかったが、その言葉を解き明かさなくては……その為にも暫くこのギャング王国に留まり、これだけ悪事の限りを尽くすジノ王の裏の顔を暴いてやろう?そう思っているの。碧も手伝ってくれると言っているの。そこで三人も一緒に手伝ってくれない?」


「隠されている秘密知りた~い!」三人が一緒にそう言った。


「じゃ~みんなもギャング王国に留まり、ジノ王の恐ろしい計画を一緒に探ってくれる?」

 ルフィ姫が言うと三人が「いいとも!」と答えた。

 

「潤沢な資源を有する⁑空中都市〈グランド王国〉だが…その空中都市には、善良な『天使』と悪事の限りを尽くす『悪魔』が住んでいる。先ずはその『天使』と『悪魔』を早速探りに行こう!」


 碧が胸の銀色の手帳に手をやった。するとその時、その銀色の手帳がピカピカ点滅した。


 碧が『 アブラ オーム シャンティ アブラシャンティ アブラシャンティ』と三回唱えると……なんと空飛ぶ近未来風自動車が目の前に現れた。


 こうして…五人は何ともハイセンスな空飛ぶ近未来風自動車に飛び乗り、空中都市〈グランド王国〉に辿り着いた。

 

 近未来的なグランドは、それはそれはハイセンスでゴージャス感あふれる世界が広がっていた。

 

 こうして一路、近未来風空飛ぶ自動車で、まず悪魔の棲み処に車を走らせた。

 

 するとそこは…何とも不気味な真っ暗闇の世界で、朽ち果てた沼から……何かしら巨大な動く影がニョッキリと出て来た?


 よくよく見ると、黒光りした毒々しいまでのウロコを身体中に蓄え、七つの頭と十本の角を持ち、ギラリと光を放つ恐ろしいまでの鋭い目で睨み付けられたら、恐怖で足がすくみ卒倒しそうだ。


 そして…巨大なコウモリのような羽を広げ沼地から……這い出て来た。

 まさに悪魔!真っ暗闇なのでハッキリは分からないが、サタンのような?

 ユダヤ教・キリスト教及びイスラム教における最大級の悪魔サタンなのだろうか?


【悪魔(サタン)とは、罪や悪によって神や人に敵対する霊的存在】




 ◆▽◆

 実は、この空中都市〈グランド王国〉の住民は人間と瓜二つのグランド人と、あの有名な人型宇宙人グレイの国だった。


 グレイの姿は灰色の肌に大きな黒目。世界中で、最も多く目撃されているエイリアンで、その身長は小柄な人間ほどで、頭部は大きく三頭身~四頭身程で、灰色の肌をしている。そして、その顔には大きな釣り上がった黒い目に、鼻の穴と小さな口が特徴的だ。肌の色から、このタイプの宇宙人は「グレイ」と呼ばれている



 そしてその昔、善良な天使たちは、グランド人やグレイと呼ばれる、宇宙人たちと一線を画して、遠く離れた北西に位置する雲の上で、それこそ皆仲良く幸せに暮らしていた。


 だが、そんな幸せな天使たちにも思わぬ事態が勃発した。

 それではどうして、天使たちは雲の上で生活するようになり、悪魔は地上の沼地に生活するようになってしまったのか?

 

 それは思いも寄らない問題が勃発していたからだ。


 天使たちは皆、天使の輪と羽をつけ、風にたなびくドレープで軽やかなワンピース姿で天空の雲の上で、変幻自在に変わる幻想的な空を眺め幸せに暮らしていた。

 

  日中は燦燦と降り注ぐスカイブルーの空を眺めながら、ふっくらした綿菓子のような雲の上をふ~わふわ。夕闇が迫る頃には、真っ赤な太陽とオレンジ薄紫のグラデーションが何とも美しい。そんな天空の雲の上で時間も忘れて美しい羽を広げて飛び回っていた。


 だが、そんな幸せな天使たちに思いも寄らない出来事が起こった。



 一般的には天使と聞くと輪と羽をつけるのが一般的だが、ある日天使の学校に思いも寄らない生徒が入学して来た。それは普通の天使とは全く異質の姿に生まれ付いた天使だった。


 それでは一体どのような姿だったのだろうか?


 それが…どういう訳か、一人だけ、それこそ……日本の黒鬼のような、真っ黒の身体に大きな口には牙を蓄え、角を生やし黒いコウモリの羽と寸分変わらない羽の天使が、入学して来たのだ。

 そこで一人だけ余りにも天使とかけ離れた異質の存在だったので、今まで見た事も無い余りにも醜い姿形だったので気味悪くなって、散々虐めた。


 それでも…それだけでは終わらなかった。


 雲間からダイヤモンドのような光が地上に降り注がれたある日の事、とうとう我慢出来なくなった。リ-ダ-的存在の男の子がこう言った。


「こんな醜い天使はこの天空には必要ない。この雲間から地上に投げ落とそう」

 そう提案して来た。


 意見は半々に別れたが、最終的には目障りだからと皆して雲の隙間から、その天使を突き落としてしまった。


(自分だけが醜く生まれた事は十分に理解していた。だからその何倍も努力して…あんなに皆に尽くしたのに……それなのにあんまりではないか⁈)


 

 やがて…その天使は念じた。

「神様、僕は自分だけがこんな醜い姿で、とっても卑下していました。それでも…こんな僕でも……皆と仲良くしたくて天使の学校に入学しました。そして、こんな醜い姿ながらに、その反面その醜さを補うために、皆の嫌がる仕事も率先して引き受け友達に親切にしたつもりです。トイレ掃除や、虐められている子がいたら、そこから救い出し一緒に帰ってやっていました。それなのに僕を雲の隙間から突き落としたのです。あんまりです。そして…地上ではもっと恐ろしい事が待っていました。それこそ…仲間がいないので、動物の餌食にされかかったのです。地上では異質の存在の僕は行き場が有りません。その為…身を隠すために、こんな沼地の中を這いずり回る生活を余儀なくされています。だから……だから……ウウウゥッ😡ウウウゥッ😈断じて許せません!」


 それこそ…鬼と寸分変わらない醜い天使は、余りの酷い仕打ちに、やがて…復讐の権化と化し、とうとう悪事の限りを尽くす『悪魔』になってしまった。




 それでも…何故?以前の何十倍も何百倍も恐ろしい姿、碧たちが目にした恐ろしい姿になってしまったのか?

  


 黒光りした毒々しいまでのウロコを身体中に蓄え、七つの頭と十本の角を持ち、ギラリと光を放つ恐ろしいまでの鋭い目で睨み付けられたら、恐怖で足がすくみ卒倒しそうだ。

 そして…巨大なコウモリのような羽を広げ沼地から……這い出て来た。

 まさに悪魔!真っ暗闇なのでハッキリは分からないが、サタンのような?


 天使の魔法である神の力が備わり、やがて徐々に悪魔に変化して悪魔の暗黒魔法を使ったのかも知れない。そして……恐ろしい姿に……?


 こうして恐ろしい事に、空中都市〈グランド王国〉に戦争が勃発した。

 ハイセンスな近代空中都市が粉々に打ち砕かれ存亡の危機に瀕している。


 碧とルフィ姫、そして…クロ―ン三人組、信長🅰秀吉🅰家康🅰五人の勇者たちもこの戦争に乗り出した。

 



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