第27話⁂サタン⁂


 


 リンゴ婆さんが、アクアの世界の魔女に会いに出掛けた期間、碧とルフィ姫が食事担当として精を出している。


 そんな時に、狭いキッチンでの事、二人はすれ違いざまに身体をぶつけたり、手が当たったりと嬉しい誤算が起こっている。


 それは日に日に大胆になって行き、自分の感情を抑えきれなくなった碧が、ある日とうとルフィ姫の手をギュ~ッと握りしめて告白した。


「ルルルルッ ルフィ姫……ルフィ姫……ボボ ボー僕は……あのー僕は……あのー以前から……あのーずーっと……ルフィ姫の事が😍……あのースス 好きでした💓💙💘」


 ルフィ姫は余りにも突然の、それも夢にまで見た憧れの碧に告白されて、嬉しくて嬉しくて言葉が出ない。余りの嬉しさに真っ赤っかになり、うつむいている。


 するとその時、碧がルフィ姫に近づきそっと抱きしめた。

 ルフィ姫も嬉しそうに碧に身をゆだねている。


 愛する二人の甘~い時が流れて、やがて…その感情は最高潮に達して……今度は碧がルフィ姫の唇💋に口付けをしようとした。


 だが、信長🅰秀吉🅰家康🅰三人の邪魔が入り大恥をかいてしまった碧とルフィ姫。残念な事にキスはお預けとなり、折角のロマンチックな二人の世界は一瞬にして打ち砕かれてしまった。




 それでも…碧とルフィ姫は信長🅰秀吉🅰家康🅰三人の目を盗みチャッカリキスをしていた。三人が眠りに付いている朝方、二人は美しい星を眺めながら愛を語り合っていた


 どれだけ時は流れただろう……朝だと言うのに南西の方向にはバイオレットの空に、無数の天の川銀河が流れて、右には緑のオーロラの帯が幾重にも揺れている。自然が織りなす神秘の現象、それはそれは圧巻の美しさである。 


 何とも美しい光景が広がって二人の感情は最高潮に達した。


 バイオレットの空に、無数の天の川銀河が流れて、右には緑のオーロラの帯が幾重にも揺れている。

「ルフィ姫愛しています。これから永遠に僕と……一緒に💛」


「……私も……碧の事が💛……だ――い好き」

 💋~~~💋

 二人のシルエットが重なり合い熱い口付けを交わした。

 こうして二人は恋人同士になっていた。

 


 ◆▽◆


 あの日以来二人はラブラブでいつもどんな時も一緒だ。そこで……ルフィ姫は碧に相談した。

「神様銀次が言っていた言葉「ファイブドアーズ星」の守り人となって隠されている秘密を解き明かしてくれ。例えそれがどんな恐ろしい結果であっても……その後には静寂が訪れるであろう。そう神様銀次から仰せつかったが、その言葉を解き明かさなくては……その為にも暫くこのギャング王国に留まり、これだけ悪事の限りを尽くすジノ王の裏の顔を暴いてやろう?そう思っているの。碧も一緒に手伝ってくれない?」


「俺はルフィ姫の為だったらなんでも協力するよ。任せときな!それから…あの俺が作り出した出来損ないクロ―ン三人組、信長🅰秀吉🅰家康🅰だが、案外利用価値が有るかもしれない?」


「それは碧が出来損ないと思っているだけで、扱い方さえ間違わなければ案外と優秀かも?」


「その為には、三人をもっと観察する必要があるね?」


 ◆▽◆


 まず碧とルフィ姫はギャング王国に留まり、ジノ王の恐ろしい計画を追った。

 それは、潤沢な資源を有する⁑空中都市〈グランド王国〉の侵略だ。


 そして…その空中都市には善良な『天使』と悪事の限りを尽くす『悪魔』が住んでいる。

「碧、まず最初に善良な『天使』と悪事の限りを尽くす『悪魔』の正体を暴く必要が有るわね?」


「本当にそうだね!」


 


 そこで碧とルフィ姫は、この三人組、信長🅰秀吉🅰家康🅰が本当に役に立つのか?それともとんだ見当違いの悪魔のなのか?調べるつもりでリビングルームに呼び出し、調べるつもりで問いただした。


「君たちを呼び出したのは他でもない、実は聞きたいことが有ったんだ。ギャング王国のジノ王が、隣のグランド王国を侵略しようとしているが、君たちはジノ王が手伝ってくれと言ったら手伝うつもりなのかい?俺とルフィ姫は断固として反対するつもりだ。」


 すると…信長🅰がまず口火を切った。

「おいらはギャング王国の住民でも何でもありゃーせんが、たまたま転生してこんな強盗、窃盗、上等のとんでもない事がまかり通る国に辿り着いてしもうたが、こんな事は本当はいかんと思ーとる。だから手伝うつもりなどありゃあせんが」


 次に秀吉🅰が話し出した。

「おいらも強盗、窃盗は、いかん事だと思ーとる。悪い事だと分って高利貸しをやっとーが、おいら一刻もこんな常識はずれの国から出とーてお金貯めとぅだ」


 最後に家康🅰が本心を打ち明けてくれた。

「おいらは碧とルフィ姫と一緒で反対だでよ。法律の事も書物を読んで勉強しとるで力になるつもりだが~、待っとりゃーせ」

 

 クロ―ン三人組、信長🅰秀吉🅰家康🅰だが、思いの外順調に成長していたのだと分った碧とルフィ姫はホッと胸を撫で下ろした。


 

 そこで今度はルフィ姫が、三人に手伝って貰おうと話し出した。


「実は…私は神様銀次から「ファイブドアーズ星」の守り人となって隠されている秘密を解き明かしてくれ。例えそれがどんな恐ろしい結果であっても……その後には静寂が訪れるであろう。そう神様銀次から仰せつかったが、その言葉を解き明かさなくては……その為にも暫くこのギャング王国に留まり、これだけ悪事の限りを尽くすジノ王の裏の顔を暴いてやろう?そう思っているの。碧も手伝ってくれると言っているの。そこで三人も一緒に手伝ってくれない?」


「隠されている秘密知りたーい!」三人が一緒にそう言った。


「じゃーみんなもギャング王国に留まり、ジノ王の恐ろしい計画を一緒に探ってくれる?」

 ルフィ姫が言うと三人が「いいとも!」と答えた。

 

「潤沢な資源を有する⁑空中都市〈グランド王国〉だが…その空中都市には善良な『天使』と悪事の限りを尽くす『悪魔』が住んでいる。先ずはその『天使』と『悪魔』を早速探りに行こう!」


 碧が胸の銀色の手帳に手をやった。するとその時、その銀色の手帳がピカピカ点滅した。


 碧が『 アブラ オーム シャンティ アブラシャンティ アブラシャンティ』と三回唱えると……なんと空飛ぶ近未来風自動車が目の前に現れた。


 こうして…五人は何ともハイセンスな空飛ぶ近未来風自動車に飛び乗り、空中都市〈グランド王国〉に辿り着いた。

 

 近未来的なグランドは、それはそれはハイセンスでゴージャス感あふれる世界が広がっていた。

 

 極僅かだが、浮島の上に築かれた紫禁城の様な広大な城も有れば、マチュ・ピチュのように高地の断崖に築かれた天空の城も存在する。


 近未来的な空中都市というだけあってSF的な建築物が目立つ。


 金の球体建築やピンクゴールドメタリックの、斬新な色使いのビルも有ればシックなビルも多く存在する、ハイセンスな高層ビル等のビル群が乱立していて、科学技術が非常に発展した都市である事が伺える。


 そして…電飾に彩られた超高速ビルからの夜景は、銀やゴ-ルドに赤や緑の電飾が光り輝き圧巻の一言に尽きる。また、ホテル、カジノなどの楽しい贅沢なリゾートも沢山ある。


 クロ―ン三人組、信長🅰秀吉🅰家康🅰は余りの近未来都市に大はしゃぎ。


 

「ワァ~~~イ凄いなあ!」


「イヤイヤここじゃないから……」


「碧、まず最初に善良な『天使』と悪事の限りを尽くす『悪魔』の正体を暴く必要が有るわね?」


「本当にそうだね!」


 

 

 こうして一路、近未来風空飛ぶ自動車で、まず悪魔の棲み処に車を走らせた。

 

 するとそこは…何とも不気味な真っ暗闇の世界で、朽ち果てた沼から……何かしら巨大な動く影がニョッキリと出て来た?


 よくよく見ると、黒光りした毒々しいまでのウロコを身体中に蓄え、七つの頭と十本の角を持ち、ギラリと光を放つ恐ろしいまでの鋭い目で睨み付けられたら、恐怖で足がすくみ卒倒しそうだ。


 そして…巨大なコウモリのような羽を広げ沼地から……這い出て来た。

 まさに悪魔!真っ暗闇なのでハッキリは分からないが、サタンのような?

 ユダヤ教・キリスト教及びイスラム教における最大級の悪魔サタンなのだろうか?




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る