第26話⁂碧と莉子、それに信長🅰秀吉🅰家康🅰の思惑⁂





 信長🅰秀吉🅰家康🅰三人の邪魔が入りキスはお預けとなり、折角のロマンチックな二人の世界は一瞬にして打ち砕かれてしまった。


 要は十三歳に成長した信長🅰秀吉🅰家康🅰は、ルフィ姫に淡い恋を募らせていて、絶対に碧と恋人同士にさせたくないので、必死で子供ながらに悪知恵を働かせてぶち壊しにかかっていたのだ。


 それでもこのクロ―ンはどういう訳か、碧の手違いで人間の十二ヶ月で一歳と比べて、クロ―ンの一歳が七ヶ月~八ケ月で一歳になっているので、人間よりはサイクルが早く年を取る。


 現在二七歳の碧とルフィ姫そして…十五歳に成長した信長🅰秀吉🅰家康🅰は、各々自分に都合の良い思いを巡らせている。


 先ずは碧だが、少年だった碧もスッカリ青年に成長していた。

 それでも…願う事は、早くこんなとんでもないインチキ国の野蛮なギャング王国から旅立ち、どこか違う国で愛するルフィ姫と結ばれて幸せになりたいと、とみに願っている。



 一方のルフィ姫の方も思いは同じで、本心では女の幸せを掴み碧との結婚生活を夢見る立派な大人の女性に成長していた。


 だがルフィ姫には、到底誰にも真似のできない果たさねばならぬ重要な任務が待っている。そうなのだ。神様銀次が、延々と探し求めていた五つの扉の守り神に相応しい、やっと見つけた銀色の瞳を持つ少女ルフィ姫。


 ルフィ姫の秘密、この銀色の瞳がピカリと輝く時に世界は変わる。

 これは一体何を意味しているのか……?


 その為にも一つづつ謎を解き明かさなくてはならない。


 先ずギャング王国に留まり、ジノ王の狙い。それは潤沢な資源を有する⁑空中都市〈グランド王国〉の侵略だが、この都市には善良な『天使』と悪事の限りを尽くす『悪魔』が住んでいる。そして『天使』と『悪魔』が恐ろしい限りの対立をしている。そう容易くジノ王が支配できる代物ではない。


「ファイブドアーズ星」の謎を解き明かすのは至難の業である。

ルフィ姫は、こんないやらしいスケベオヤジに怒り心頭で、あっさり縁を切って五つの扉が有る「ファイブドアーズ星」の任務に取り掛かろうと思っては見たが、余りにも酷いこのギャング王国の有り様に、絶対に見過ごす事は出来ない。


(神様銀次が言っていた言葉「ファイブドアーズ星」の守り人となって隠されている秘密を解き明かしてくれ。例えそれがどんな恐ろしい結果であっても……その後には静寂が訪れるであろう。『その秘密って何?』そしてその時には……その「ファイブドアーズ星」の永遠の守り神となってくれ!そう神様銀次から仰せつかったが、その言葉を解き明かさなくては……その為にも暫くこのギャング王国に留まり、これだけ悪事の限りを尽くすジノ王の裏の顔を暴いてやろう?)


 そう思い、ルフィ姫はこの極夜のギャング王国に留まっている。


 

 それからもう一つの謎リンゴ婆さんの真実も見逃せない。


(少しづつ分かって来た事だが、アクアの世界の魔女に会いに行き、永遠の美を手に入れる筈だったのだが、どういう訳か魔女リンゴ婆さんのままになってしまった。海底にはどんな秘密が隠されているのか?また…あの婆さんにはどんな秘密が隠されているのか?それも探る必要がある。)


 いくら、碧と結ばれ女としての幸せを掴みたいと願っていても、そうは問屋が卸さない。それより何より、この幻想世界の番人、守り人、守り神として、五つの扉「ファイブドアーズ星」を守って欲しいと神様銀次から強く望まれている。そして…五個の鍵を渡されている。その任務が何より最優先。


 そこでルフィ姫は碧と一緒になって、このファイブドアーズ星の秘密を解き明かしたいと願っている。そうすれば、いつも一緒に同じ空間で愛と仕事を両立できると思っている。


 そして…神様銀次が渡してくれたこの小鳥ハッピーは、普段は真っ白い小鳥なのだが、何か異変を察知すると良い事も悪い事も銀色に点滅して知らせてくれる。


 更には…小鳥ハッピーを手の平に乗せて小鳥ハッピーの頭を撫でて、銀次神様が言っていた呪文「 アブラ オーム シャンティ アブラシャンティ アブラシャンティ」三回唱えると、どんな願いも叶う。碧とこの小鳥ハッピーさえいれば鬼に金棒。こうしてファイブドアーズ星の秘密を解き明かしたいと願っている。


 

 ▽◆▽

 十五歳に成長した、どうにもならないガラクタ信長🅰秀吉🅰家康🅰の思惑はどのようなものなのか……?

 


 本来の信長は衆道(男色)の面も持ち合わせていたらしく、森蘭丸とのBLは有名な話。その為信長🅰もBLの遺伝子を受け継いだらしく、男に興味津々。


 かと言って同級生の秀吉🅰家康🅰は揃いに揃って、あのようにサルとでぶっちょなので男としての魅力ゼロ。


 そこで標的になったのが碧。碧が風呂入ると慌てて飛び込んで来る。

 そして…いやらしい目付きでお尻と○タマを凝視している。ギラギラ😍 ギラギラ😋、更には風呂に入っているとお尻を触って来る。


 堪り兼ねた碧が、秀吉🅰家康🅰に相談した。


「どうもあの信長🅰BL(ボーイズラブ)らしいんだけど、君たちに不審な行動取らなかった?たとえばお尻触るとか、○タマ凝視するとか?俺その気ないからさ~気味悪くて……」

 

「第一俺たち二人は、見ての通りルックスは魅力の欠片も無いから、反対に避けて通るがや!無い!無い!そんな事あらすか!」


「まぁ確かに」


更には夜眠っていると碧の布団にも潜って来る有様。

ギラギラ😍 ギラギラ🥰

碧は最近精神的に追い詰められている。

(俺その気無いっうの!😱)



 

 豊臣秀吉は、父が早くに亡くなり、十歳くらいから農繁期に生誕地とされる中村に戻っては、また日銭を稼ぎに放浪に出て行商をする。という生活を送っていた。


 そんな生活を送る中、十六歳ごろにはこんな逸話を残している。

 ある時、父の代わりに家庭を支えるお金を稼ぐために、父の遺産である(現在のお金の価値でいうと約十万円)を持ち、清州へ向かう秀吉。そこで木綿針を買い、今度は遠江の浜松へと向かった。父の遺産であるお金を木綿針に変えたのは、現金を持ち歩くより安全だという秀吉の判断だった。


 まだ子供ながらも鋭い経済感覚を持ち、賢さを見せる豊臣秀吉。

 残された少ない逸話からも分かるように厳しい子供時代を過ごしていた事がよくわかる。


 こんな遺伝子がどこか記憶の片隅に残っているのか、ギャング王国で若干十五歳にしてギャング達を「人たらし」で散々お世辞を言いまくり。かなりのお金をくすねていた秀吉🅰。


 それはそうだろう。人殺しをして押し入って、お金や宝石を強奪するような輩に、お世辞何て世界は無い!無い!飛び交うのは怒号のみ!

「死ね!金出せ!」

「お前等なんかにクレてやる金なんて無い消えろ!このガラクタ‼世の中のゴミ!チリ!」


 このような世界に住む輩に秀吉🅰は、「カッコいい!ゴッドファーザーのマーロン・ブランド!ロバート・デ・ニーロ!アルパチ-ノ!イヤそれより豪快!引けを取らないクールさ!任侠映画の高倉健バリのカッコ良さ!」とヨイショしまくり!


 散々強盗でせしめた、あぶく銭があるので、褒められた記憶の無いギャングたちは、すっかり有頂天になり嬉しくなってホイホイ秀吉🅰にお金を落としている有様。



「ウッフッフッフ~!バカが❕😁」

 そして…そのお金を元手に、極一部のギャンブラ-や、色恋に狂った無知でケバイ輩に高利貸しを始めて、若干十五歳にして大金を手に入れていた。





 徳川家康の母は諸々の理由で離婚されてしまった。また、父さんは幼少名竹千代が八歳の時に,家来に殺されていた。父も母もいない竹千代は、「戦国の孤児」となり隣の国で力のあった今川義元の駿府に人質として預けられた。そのとき竹千代は若干六歳だった。


 今川義元の駿府に預けられるため、家臣の戸田宗光が駿府に送る役目だった。ところがその家来にだまされて竹千代は、今川の敵であった織田家の人質として売り飛ばされた。何と……その金額!千貫文=現在に換算一億二千万円


 織田家の人質として名古屋に送られた竹千代は、八歳になるまで名古屋で過ごした。ところが怒った今川義元は、織田家から竹千代を奪い取り、今川家で保護することにした。こうして八歳の時に竹千代は、駿府(現在の静岡)に送られて来た。


 ふつうに想像する人質生活は、座敷牢に閉じこめられたイメージだが、実は…それとは程遠く、竹千代の身辺には竹馬の友である、岡崎から来た同世代の仲間が遊び友達として同行し、竹千代の身辺の世話をするため、お婆ちゃんの源応尼が親代わりとなって、駿府で竹千代の面倒を見ていた。


 竹千代が駿府や織田に預けられた目的、それは家同士の関係をより深いものにする為。戦国の世の戦争を優位に運ぶための道具。天下統一の為の道具。政略結婚として利用する等々。

 

【人質とは:裏切りなどをされない為の保険のようなもの。

もし人質を差し出した方が差し出し先の大名を裏切った場合、人質は見せしめとして多くの場合残虐な殺され方をした】

 


 このような策略を幼い頃からイヤという程見て来た家康は、人間の心理を見抜く天才となり、策略の力と腹黒タヌキ?が備わり約二百六十年もの江戸幕府を築く事に成功した。


 だから…十五歳の家康🅰も何やら書物を買いあさり、必死に何か自分に有利に推し進めようと策略を練っている様子。腹黒策略練りまくり!

 さあ……どうなる事やら……?





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