第20話⁂静蘭の謎⁈⁂
ベニー王と静蘭はいつの間にか強く惹かれ合い、気が付くといつも傍に寄り添っている二人になっていた。
時間が空くと薔薇の咲き誇る美しい宮殿を、二人連れだって時間を共に過ごしている。だが未だかってベニー王と静蘭は一夜を共にした事が無い。
それは…何故なのか?
ある日とうとう我慢が出来なくなったベニー王は、強引に静蘭をベッドに押し込んだ。ああ……それでも…ベッドと言っても、大蛇なのでシルクのベッドでは少々問題がある。花々を散らしたお洒落な土で出来たベッドだ。
「嗚呼アア……嗚呼アア……もうワシは我慢が出来ぬ!今宵はどんな事が有っても静蘭を離さない!」
こうして強引に静蘭をベッドに押込み、愛し合っていると……するとその時静蘭の首筋から醜いもう片方の静蘭の顔がニョッキリ角が生える様に、這い出して来たではないか?静蘭はビックリしてしまった。
(折角美しく生まれ変わったと思ったのに、これは一体どういう事?)
そう思っている間もなく、あの美しかったサンゴやトルコ石の様な煌びやかな肢体は色褪せ醜い正体を表して来た。
静蘭は(折角、王様に愛の告白を受けて『静蘭よ!是非ともワシの妃になってくれ!』とまで言われているのに、今この場に留まれば全て水の泡!)そう思い、醜く変わり果てる前に逃げようと、一気に寝室から逃げて姿をくらました。
だが、王様の方は全くもって納得がいかない。
(あんなに愛していると言ってくれたのに何故だ?)
そして…静蘭はあの夜以来、姿をくらまし宮殿に現れなくなってしまった。
重要な任務も放ったらかしてどこに消えたのか?
◆▽◆
行方をくらました静蘭の居場所を知る事も重要な事だが、それより何より、何故静蘭がベニ-王との一夜を拒み続けたのか?
そうだ!そこが重要ポイントである。
それは…ある日の事だ。静蘭は妃を殺して魔法の扇子を手に入れ、醜い姿からやっと解放され、美しい姿を手に入れる事が出来て有頂天になっていた。
だが……ある日、自分の身体に起こる異変に気付いてしまった。
それは…何かしら興奮すると、徐々に元の姿に戻るのだという事を知ってしまった。
ある日静蘭は、復興工事が進んでいる〈ジャイアント プラント王国〉の様子を見ようと、遥々遠い都のある宮殿にやって来た。
するとどうでしょう。あれだけ酷く崩壊して跡形もなく粉々に壊れ去った〈ジャイアント プラント王国〉だったが、それがまるで噓のように美しく再建されているではないか!
「ワァ~!な~んて美しい王国に変わったのだろう」
するとその時…身体全体に、何かしらムズムズむずがゆいと言うか、おも怠いというか、何とも言えない感覚に見舞われた。
そうこうして居る間もなく今度は、静蘭の首筋にプックリこぶの様な物がニョッキリ出て来た。それは次第に大きくなり醜い姿に変化して、やがて最も有って欲しくない醜い本来の姿が現れ出して来た。
ビックリした静蘭は、慌てて物影に隠れて事の一部始終に見入った。すると、やがて…完全に元の醜い頭が二つの醜女大蛇に戻ってしまった。
「エエエエエエ————ッ!何故?……何故なの?……ワァワァ~~ン😭ワァワァ~~ン😭」
こうして…静蘭は、この時に初めてこの扇子は、永遠に姿が持続できるものではないかも知れない。そう疑い出した。
だが…まだこの時は、一度や二度はこんな事も有るだろうくらいに安易に考えていた。まさか…興奮すると魔法が解けてしまうとは夢にも思わなかった。
じゃ~どうしてこの扇子の正体が分かったのかと言うと……?
ある日ベニ-王といつものように美しい宮殿を散策していたが、その日は、たまたま「花巡り御所」に仲良くやって来た。
その時、余りにも美しい花々に魅了された静蘭は、その花を自分の部屋に飾りたくなった。そして…我を忘れて、その美しい花々を積みだした。
すると…その時、後ろからベニ-王がいきなり身体を巻き付け、強引に口づけをして強引に交尾に及ぼうとした。
余りにも急な事ではあったが、この時静蘭は、この上ない喜びと興奮に見舞われた。するとどうでしょう。その時あの時と同じ感覚、何かしらムズムズむずがゆいと言うか、おも怠いというか、何とも言えない感覚に見舞われた。
すると…やはりあの時と同じ、静蘭の首筋にプックリ、こぶのような物がニョッキリ出て来た。
静蘭は愛するベニ-王に、一番見られたくない姿を見せる訳には行かないので、慌てて交わり掛けた巻き付いた身体を引き離して一気に逃げた。
「ああ……王様……わたくしは……わたくしは……まだその様な行為は…ちゃんと結婚してからでないと……」そう言い残して消えた。
(何ともうぶな静蘭💛💛)と思い余計に愛しく可愛いと思ったが、その反面それ以上に、折角今度こそは愛し合えると期待したのに、ガッカリしてしまい憎たらしくも思うのだった。
こうして…静蘭は、興奮すると本来の醜い姿に戻ってしまう事を、ハッキリと知ってしまった。
◆▽◆
〈ジャイアント プラント王国〉の家臣たちは静蘭の行方を探し出そうと血眼になって居る。
一方の静蘭は〈ジャイアント プラント王国〉に居てはすぐに捕まり、同じことの繰り返し。そこで…打開策を思案中。
(興奮すると元の姿、頭が二つの本来の醜い姿に逆戻りしてしまう。それでも…ベニー王の事は心から愛している。何とか元に戻らない永遠の美を手に入れたい)
そう思い暫く異国の地に潜り込もうと思い立った。
こうして全く別の姿に変わって「ギャング王国」に潜り込んだ。
それが……あの長ったらしい名前の『アナコンダマリオ○○○○○○リ○○○○○○○○○○○○ンゴ』のリンゴ婆さんに変身する事だった。
こうして…静蘭はこの「ギャング王国」で、本来の目的である、永遠の美を手に入れる事に成功した。
だが、ここで一つ納得のいかない事が有る。やっとの事永遠の美を手に入れる事が出来たのだが……。
それなのにである。何故「リンゴ婆さん」の姿で、こんなガラの悪い「ギャング王国」ラバー城のお手伝いとして、留まっているのだろうか?
永遠の美を手に入れたのだから〈ジャイアント プラント王国〉に戻り、愛するベニ-王の妃になれば良い事なのだが?何故か?このギャング王国に留まっている。
実は…静蘭「リンゴ婆さん」には、恐ろしい秘密が有る。
それは一体何なのか?
◆▽◆
それから…神様銀次が言っていた『隠されている秘密』は、この〈ジャイアント プラント王国〉の動植物の巨大化に有るらしいが、この〈ジャイアント プラント王国〉の生き物達は最初は、普通の動物や植物だった。
だが、ある日とんでもない生物によって巨大化されてしまった。
一体その生物とは何ものだったのか?それから『隠されている秘密』とは、どういう事なのか?
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