第15話⁂碧の初恋⁂



 信長🅰秀吉🅰家康🅰の淡い恋心?初恋の様子は何となくお分かりだろう。

それでは碧の方は、もう直ぐ二四歳、恋愛の一つや二つ、もう経験しているのだろうか?


 それがこのギャング王国憲法の基本原理。


 ギャング王国は、ジノ王によって支配されている王国。

 憲法に基づいて他王国からギャング王国に、いかに多くの物品、資源を調達(強盗、窃盗、搾取)出来たかで、国を担う重要なポジション政治化や官僚の地位を得ることが出来る。


 政治家は議員の事。

 官僚はエリ-ト国家公務員。【主な業務は国の予算案や法案の作成と国家公務員の人事や、天下り先の確保等々】



 要は他国から「窃盗(泥棒)、強盗、騙し取る」これ等の行為がギャング王国の経済成長、外貨獲得に繋がるので、何よりも望ましいとされて、一般社会では最も悪い行為が、このギャング王国では最も崇拝され尊敬される行為なのだ。


 だから…窃盗、強盗の為に人殺しをしても法律で裁かれる事はない。もっと言うなら大金や高価な宝石類などを強奪出来るのであれば、暴力、リンチ、殺人、上等の世界。


「狂ってる————————!😱」


 だから…まともな考え方など皆無。

 ガラの悪い危険人物であれば有る程、重用される狂った思想の王国。

 そんな国にまともな女なんかいる訳無い。


 だけど碧は見た通りの超イケメン。街を歩けば無知でケバイはすっぱな女達が行列を成して付いてくる。


「碧、昨日アタイさ~〈ジャイアント プラント王国〉に侵入して、蛇をバッサバサ殺してプラント札を泥棒したんだ。そして…ギャング札に交換したんだ。御馳走するから付き合わない?」 

 はすっぱな女子が全く悪びれた様子も無く、反対に誇らしく堂々と碧に告白した。

 それはそうだ。この国は人殺しをしようが、何をしようが、他国の外貨獲得する事は何よりもの名誉であり誇りなのだ。全く狂った国


 また他のケバイ女子は、本能の赴くままに恥じらいも何もあったものじゃない。余りにもイケメン過ぎる碧に自分の気持ちを抑えきれない。いきなり碧に飛び付いて強引にキスしたり抱き付いたり。

(君達はどう思っているか知らないが、俺はこんなケバイ女子だ~い嫌い😢!タッ助けてくれ——————ッ!😱)


 また他の今度はバカ過ぎる無知な女子が言い寄って来た。

「私勉強だ~い嫌い‼第一何のために勉強するの?勉強しなくても強盗や泥棒出来るのに?」


「だけどね。色んな事知りたくない?」


「テレビ見ても色んな事分かるじゃない?」


「それは…娯楽で何の勉強にもならない。第一自分の志望する学校に行けない」


「ああああ……それは大丈夫このギャング王国は、超最難関ギャング大学、国の予算案や法案の作成を育成する超ハイスペック生徒と、もう一校は、実技優先のいかに早く泥棒が出来るか、いかに素早く民家に押し入ることが出来るか、この二点が最重要ポイント。ギャング育成専門学校しか無いの。極一部の生徒は超最難関ギャング大学に行くけど、大概はギャング育成専門学校に行くので、たし算引き算も出来ない、字もまともに読めない、根っからの手が早い泥棒達ばかり……だから…泥棒するのに難しい事勉強して何になるの?それより早く侵入するための鍵の開け方とか、人殺しの方法を勉強するほうが余程マシ!ギャング育成専門学校では泥棒のイロハをしっかり叩き込んでくれるの!」

  

 碧は、開いた口が塞がらない😱。

 こんな感じの女達ばかりなので、このギャング王国では、到底碧がお気に入りの女性はいない。


 ◆▽◆

 碧は、実は…最初にルフィ姫を見た時から、ビビビッ⚡ビビビッ⚡ビビビッ⚡と雷に打たれたかの如く、激しい恋の炎が燃え上がっていた💕💚💓😍。


 今はルフィ姫だが、神様銀次から…異世界転生する時にド近眼ではなくなり、莉子本来の個性だった瓶底メガネが外され異世界転生する事になった。


 だから…碧は、瓶底メガネでは無いルフィ姫を莉子だとは分かっていないが、遠い記憶の中のどこかしらに残っている。

 前世の日本に居た莉子は瓶底メガネの冴えない女の子だったが、感の良い碧は莉子の美しさに気付いていたのかも知れない。


 だから…極夜のギャング王国に辿り着いてルフィ姫を見た時は、懐かしさも相まって余計にビビビッ⚡ビビビッ⚡ビビビッ⚡と雷に打たれたかの如く💕💚😍激しく恋の炎が燃え上がってしまったのかも知れない。


 そんな激しい恋の炎が燃え盛っているにも拘らず、ある日とんでもない場面に遭遇してしまった。


 このギャング王国の姫なのだから、てっきりジノ王の娘だとばかり思っていたのに、ある夜ジノ王がルフィ姫に話している内容を聞いてしまった。


 それは広い貴賓室で、要人の出迎えの為待機していたジノ王とルフィ姫を呼びに行った時に、何か異様な言葉、決して娘を思う父の言葉ではない、それこそ愛しい女性に囁いている様な、熱い情熱ほとばしる言葉の数々に思わず足を止めてしまった。


「おお…💓💚麗しい…私の愛するルフィ姫💛ウッフッフッフ~😍\(◎o◎)/!ギラギラ🤩おお……抱かせておくれ💚😍今日は一段と美しい✨🧡💘。ウッフッフッフ~\(◎o◎)/!💕💚😍😍ギラギラ」


 そして…危険を察知した、まだ十八歳の少年では有ったが、碧は、こっそり扉を開けて中の様子を伺っていた。

(エエエエエエ————ッ!愛する?一段と美しい?抱かせておくれ?あのギラギラしたいやらしい目付きと言い😍\(◎o◎)/絶対に怪しい?)

 

 そこで見た姿。ジノ王の欲望渦巻く卑しいギラギラ脂ぎった目付き。そしてルフィ姫に接近して、ルフィ姫を抱きしめている姿にショックを通り越して言葉も出ない。


(あのルフィ姫、汚れを知らない童女の様な、うぶな眼差しをいつも俺たちに向けていたのに、実はとんでもない発展家だったのか?よりによってあんなギラギラ脂ぎったジノ王に身を任せるなんて……許せない😡!)ショックを隠し切れない碧。


 ◆▽◆


 ルフィ姫は、記憶の片隅に遠い記憶日本の父をジノ王に投影していた。


 だから…このギャング王国に閉じ込められた時にも、暫くはこのジノ王の事を悪者とは思えなくて、思いたくなくて、神様銀次の言葉に背き、ジノ王に甘え切っていた。


 それは…こんな見知らぬ世界に転生させられて何の幸せが有ろうか、只々不安ばかりだ。たとえそれが悪人だったとしても、今のルフィ姫はジノ王に甘えるのが何よりもの安らぎであったし、自分の遠い記憶を呼び起こさせる、唯一の方法だったのかも知れない。


 まさか、五〇歳近く年の離れた孫のような存在のルフィ姫に、恋心を募らせるなどあり得ない事だと信じ切っていた。


 だから…ジノ王に抱きしめられるのはルフィ姫にとっては何物にも代えがたい幸せだった。

 それが・・・・ある日とんでもない事に……牙を剝き出し⁈


「キャ————————————ッ!」







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