第11話⁂空中都市⁂
莉子は五つの扉が有る「ファイブドアーズ星」に異世界転生した。
そして…五つの扉の向こう側には、五つの王国が存在する。
⁑死者が集まる 〈冥界王国〉
⁑空中都市 〈グランド王国〉
⁑紫世界 〈バイオレット王国〉
⁑巨大植物都市〈ジャイアント プラント王国〉
⁑強盗団都市 〈ギャング王国〉
◆▽◆
莉子改めルフィ姫を睡眠薬で眠らせカギを複製して、スペアキーを作ってしまったジノ王の目論見は、どうせ五つの王国を支配したかったのだという事は、おおよそ察しが付く。
それでも…ジノ王は何故、娘の様に懐いてくれているルフィ姫を、このギャング王国に閉じ込めてしまったのか?
実は…それは…このギャング王国は、強盗団の国なので、いかついガタイのいい男達が殆ど。また女達も無知でケバい、はすっぱな女達ばかり。
莉子はと言うとルックスは、そばかすだらけの瓶底メガネ女子で冴えない女の子だった筈だが?
いえいえそれは…瓶底メガネのせい。
このジノ王は流石だ。一瞬で莉子の美しさを見抜いた。
顔が小さいのでメガネお化けに映っていたが、眼鏡を外せば超美形で小顔の八頭身美少女なのだ。
だから…その美貌を生かして、他の王国に忍び込ませて色仕掛けで王様を誘惑させようとする魂胆だった。
だが……まだ未成年の一七歳の少女にそんな事やらせたら、それこそ風営法や淫行条例 違反で重い刑に処されるのでは?
まぁ、この星では十五歳から大人の女性と見なされるので全く関係ない。
こうしてルフィ姫は、リンゴ婆さんがいつも突いていた杖で、一瞬にして魔法を掛けられて、絶世の美女楊貴妃の格好に変貌させられた。
リンゴ婆さんが魔法の杖をルフィ姫に向けてクルクル回す。
「ウウウウン 絶世の美女楊貴妃の衣装をルフィ姫にお願い致す。えい!」
すると…杖の先が真っ赤に光り、ルフィ姫が、あの世界三大美女楊貴妃と寸分変わらない美女に変身を遂げた。
それでは、世にも美しい中国の楊貴妃の格好、それは一体どのようなものなのか?
金の煌びやかな漢服髪飾りをゴージャスに髪に飾り、アップにした髪の後ろには大輪の薔薇の花をあしらった髪飾りを付けて、それはそれは華やか。
ドレスは高級感あふれる サテン生地に、精巧な刺繍入りの真っ赤なドレス。その漢服を身にまとったルフィ姫は、この世の者かと思う程の美しさ。これならどんなに目の肥えた王様も、イチコロ😍💘💛
それこそ楊貴妃と見間違うほどの美しい姿に変貌したルフィ姫は、魔法の杖で一瞬にして空中都市〈グランド〉に侵入させられてしまった。
◆▽◆
それでは…空中都市〈グランド〉の王様はどんな王様なのか?
近未来的なグランドは、それはそれはハイセンスでゴージャス感あふれる世界が広がっていた。
極僅かだが、浮島の上に築かれた紫禁城の様な広大な城も有れば、マチュ・ピチュのように高地の断崖に築かれた天空の城も存在する。
どうも王様はこの天空の城に住んでいるらしい。人嫌いで有名なこのグランドの王様は、ここに籠ってテレビ電話やインターネット回線を利用して重要な指示を家臣たちに出している。だから…王様の顔を知っている者は極々側近の数人だけ。
どうも…この国だけが抜きん出て発展している近未来的空中都市なので、他の王国から度々攻め入られているのだ。
だから…いつ命を狙われるか分かったものではないので、出来るだけ顔を晒したくないのだ。
◆▽◆
近未来的な空中都市というだけあってSF的な建築物が目立つ。
宇宙”を反映した近未来的なデザインのビル群は、数千メートル級の高層ビルに覆われた惑星の近未来的な異空間。
ドローンおよび空飛ぶ近未来風自動車が、引っ切り無しにビュンビュン超高層ビルの隙間を飛び交い、斬新でハイセンスな高層ビルや超未来的な建造物で溢れ返っている。
金の球体建築やピンクゴールドメタリックの、斬新な色使いのビルも有ればシックなビルも多く存在する、ハイセンスな高層ビル等のビル群が乱立していて、科学技術が非常に発展した都市である事が伺える。
そして…電飾に彩られた超高速ビルからの夜景は、銀やゴ-ルドに赤や緑の電飾が光り輝き圧巻の一言に尽きる。また、ホテル、カジノなどの楽しい贅沢なリゾートも沢山ある。
この様に他の国に圧勝しているこの国は、他の国からすれば喉から手が出るほど手に入れたい国。
こうして…ジノ王の指図でラバー城の女中で魔女のリンゴ婆さんに、莉子は恐ろしい魔法を掛けられてしまった。
魔法の杖をルフィ姫に向けて、気を集中してクルクルと回す。
「ウウウン えい!」とリンゴ婆さんが発すると、杖の先端が赤く光り出してルフィ姫の身体が小刻みに揺れた。
その魔法とは自分の意に反して、自然と言葉や身体が動き王様を誘惑するように、仕向けられてしまうのだった。
◆▽◆
気が付くと何と空中都市である王様の住み家天空の城に、ルフィ姫は空間移動させられていた。
こうして…魔法を掛けられたルフィ姫は王様が居る職務室に向かった。
こんな事はしたく無いと心で叫んでも、意に反して身体が言う事を聞かない。
身体の赴くままルフィ姫は、王様を誘惑すべく王様の職務室に向かった。
当然警備員もいるので注意しながら、やっと王様の職務室の前にやって来た。そしてこっそり忍び込んだ。
”ガタン” その時ルフィ姫が、うっかりミスして椅子を動かしてしまった。
「誰だ!そこに居るのは?」
(しまった!)そう思ったルフィ姫だったが、咄嗟にリンゴ婆さんが言っていた言葉を思い出した。
「ルフィ姫よ、お前が天空の城に侵入する理由はこうだ『以前からクラブ歌手のエリ-を、この天空のお城に来るよう仰せつかっておりましたが、エリ-が辞めたのでわたくしが代わりに参りました』こう王様に言うのだ。空中都市の〈ナイトクラブゴールド1〉には、ちゃんと金を握らせ話はつけてある。分かったな?」
そして…早速その話をした。
「ああああ……ハイ!わたくしは、王様が好んで出掛けられているナイトクラブの歌手ルフィといいます。最近働き出したばかりで、一度もお目に掛かっておりませんが、以前からクラブ歌手のエリ-を、この天空のお城に来るよう仰せつかっておりましたが、エリ-が辞めたので、後輩のわたくしが代わりに参った次第で……」
漢服に身を纏ったルフィ姫の余りの美しさに、言葉が出ない王様。すっかり舞い上がってしまった。
”くらくら” 😍”くらくら” 😍”くらくら”😍
「あっあっあっ💓💕……そっそう……そうじゃったのう?」
「アア……王様よろよろと……よろけて…危のうございます」
咄嗟に王様に、これでもかと身体をピタリと密着させて支えた。
「ウッフッフッフ💛👄王様危のうございます」
そして…耳元に💋プチュっと軽くキスをした😚。
王様完全にルフィ姫の魅力にノックアウトされて、もうデレデレ状態😍💓完全に正気を失っている。重要な要件歌ってもらう事もスッカリ飛んでしまって、頭の中はもわんもわん状態🥰
「ウフ~ン💛王様わたくしが、ここに招かれた要件は?ウッフッフッフ💛何ですか?」
「嗚呼アア……そうだった!そうだった!それは…失礼致した。歌は歌えるという事だな?歌ってくれ!」
「あっハイ!わかりました」
♪虹色の湖には、二羽の白鳥が♬
♬アア……失って初めて知った恋の・・・♪
逢いたい・・・・・・今も忘れない・・・♪
♬あの日の……サマータイム・・・
ああ……陽炎が揺れて・・・♪
ルルルル・・・♬
「オオオ オオオ美しい歌声だ。満足!満足!」
すると…透かさずルフィ姫は「有り難うございました」そう言って、王様の手をギュっと握りしめた。
もう王様はルフィ姫にメロメロ💕。
どうなる事やら………?
だが……この話には……実は…?
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