第7話⁂小鳥ハッピー⁂


 南極や北極の場合は夜が来ない「白夜」と、日中でも薄暗い、もしくは太陽が沈んだ状態が続く「極夜」がある。


 


 🌁漆黒の夜が来ない白夜だが、夏の白夜は時として夢のような美しい、幻想世界を演出してくれる。


 真夜中だと言うのに空は、明るい紫のライラック色や藤色そして…やがて…鮮やかな桃色の雲で覆われ、空がオレンジに、そして…その雲が、真っ赤に染まって燃える様な赤になって行く。


 通常の一日の空の動きはこのような美しい光景を作り上げてくれる。

 早朝には、バイオレットの美しい空がどこまでも広がり、そして…時間とともに淡い水色に変わったかと思うと、やがては淡い黄緑色の空が現れ、今度は、何とも美しい幾重にも連なった淡いイエローや、桃色に、オレンジ色のグラデーションされた空に変化して行く。

 そして…やがては、元の瑠璃色に近いバイオレットの美しい空に変化して行く白夜。


 また、真夜中だというのに東の空が、真っ赤な雲と薄むらさきの空に彩られて行く様はこの上ない美しさ。


 そして…淡いパープルに染まった真夜中の空に、美しいコントラストの七色の虹を見る事が出来る。自然が生み出す美は、まさに圧巻の一言に尽きる



 

 🌌極夜とは、一日中太陽が出て来ない日の事。

 

 地平線が明るい桃色やオレンジ色に…そして……やがて…朝焼け(昼焼け?)が真っ赤に染まり何とも美しいグラデーションが、地平線にマジックアワーのような美しい幻想的な風景を作り出して行く。

 赤や青の色合いが一面に広がり、赤・オレンジ・黄色・ピンク・紫など何色もの層にグラデーションして、時間とともに変化してやがては花紫色の空に変わっていくが、太陽は登らない幻想世界がどこまでも広がっている。


 また、朝だと言うのに南西の方向にはバイオレットの空に、無数の天の川銀河が流れて、右には緑のオーロラの帯が幾重にも揺れている。自然が織りなす神秘の現象、それはそれは圧巻の美しさである。


 

 🟩🟠🟥


 異世界転生した四人がどこまでも続く「極夜」の砂漠地帯をテクテク歩いていると、遠くの砂漠地帯に、ポツリと佇む不気味な、何かしら……要塞のような…到底誰か住人が住んでいるとは思えない、寒々しい不気味で巨大な城が現れた。


 四人はこんな無法地帯に放り出されて、ここでお世話になれなかったら野垂れ死にするしかないと思い、何とも不気味で物騒極まりない城だとは思ったが、一か八か勇気を出してドアをノックした。

 


 この様な経緯で何とか暫く、お世話になることが出来た四人だったのだが?

 何かしら……怪しいこの城の召使たち。一体どうなる事やら……?


 確かにルフィ姫だけは、どこかで会ったような安心感と……どこか懐かしい感覚に捕らわれた。だが、あのリンゴ婆さんと言い、家臣たちと言い、何かしら……胡散臭いし、怪しい?到底普通の善人とは程遠い何かしら……裏が有りそうな?


 こうして…何事もなく一晩お世話になったのだが、一層不信感がたまる一方だ。


 何か怪しい、それこそ強盗団、ギャングのアジトを連想させる、昨日の夜の会話、更には今朝目にした無造作に置かれた大きな袋包みの正体に、益々不信感で一杯になった四人。


 それでも…朝食の和食で気分が良くなった四人は、すっかり油断をして城の外に出た。すると…すごい勢いで馬に乗った男が現れ、四人のカバンを次から次へと奪って足早に逃げて行った。


 四人は慌てて追いかけたが、到底捕まる訳がない。

 カバンを盗まれてしまった😵💧四人は途方に暮れている。


「全くとんでもない星に転生させられたものだな」


「アア……ぼた餅や🍙おにぎり、たんと入れてあったのに~😞」

 早速、肥満児の家康🅰がブ~ブ~文句を言っている。


「デブ、食う事しか考えないのか?このデブ!」

 早速短気で口の悪い信長🅰が、鞄を取られてイラついて家康🅰に八つ当たりをしている。


「本当に大切なカバン取られて困ったのう」

 

 四人が困り果てていると…そこにルフィ姫がやって来た。


 そして……辺りをキョロキョロ見渡してから、話を聞かれたら困るので、小さい声で囁くように話し出した。

「実は…この国は恐ろしい国なの!だけど……ここで話していたら……全て聞かれてしまうので……この小鳥をあなた達に渡すわ。この小鳥は魔法の小鳥で、私がこの星に生まれ変わった時に神様から授かった小鳥なの。窮地を救ってくれる魔法の小鳥でハッピ—という小鳥なの。この鳥だったら大丈夫……だから…明日この小鳥に付いて来て頂戴。この小鳥に付いて行っても疑われないから」


「それって一体どういう事?」


「ともかく……ここで話していては、誰に聞かれるか分かったものじゃ無いから……明日の朝、あなた達が準備ができたら、この小鳥が案内する場所に来て頂戴!」


「それでも…こんな見ず知らずの僕らを、どうして助けて下さるのですか?」


 すると…その時透かさず、あの腹黒家康🅰が口を挟んだ。

「研究長、上手い話には裏が有るって聞きゃあせんかった?危にゃあでよ」


 すると…今度は信長🅰が口を挟んだ。

「アホだにゃあ家康🅰は、怪しかったら……そんなもん小鳥を殺したらええがあ?」


 今度は秀吉🅰が口を挟んだ。

「止めりゃあ! 止めりゃあ!小鳥がもしも役に立つようだったら、こんなええ事は無い。おいら達が貰うって手も有るから」


 すると…碧が、ルフィ姫に言った。

「まぁ三人の意見を総合して、じゃ~その小鳥ハッピーを預かって、明日その場所に行きます。そして色々な秘密を教えて下さい」



 こうして…可愛い魔法の小鳥ハッピーを預かった四人は、早速翌朝その小鳥に付いて行った。

 

 すると…そこは、何とも奥深い山奥の・・・⁈

 一体この星には、どんな恐ろしい秘密が隠されているのか?











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