第4話⁂不安材料⁈⁂
四〇〇年先の未来を知った秀吉は、余りの発展の速度に驚きを隠せない。
「それにしても凄い進歩じゃのう?発展し過ぎて皆目見当が付かんが、そのクロ―ン作りは興味が有るな~?ワシはな~?優秀な人材を確保したい。そこで今尚、尊敬して止まない信長公……それとじゃ……今一番筆頭格の五大老の一人で徳川家康が不穏な行動を取って、腹黒タヌキで困っておる。この二人とワシのクロ―ン作りをして欲しい」
「ハイ!分かりました」
🟥🟩🟥
幾ら安土桃山時代時代だからと言っても。誰もが知るあの当時のヒーロー的存在だった戦国三英傑の三人が、新たに存在するという事は有ってはならぬ事。秀吉としては自分の戦闘知能として存在して欲しいだけなのだ。だから、存在自体は隠しておきたい。
そんな事も有って…碧がクロ―ン作りをしている場所は、誰にも知られていない奥深い山奥。
若い研究員補助が数名に料理作りの婆さん二人と爺やが一人
こうして……碧は興味のある仕事なので、寝る間を惜しんでクロ―ン作りに着手している。すると…苦労の甲斐ありやっとの事クロ―ン作りに成功した。
「おうおう!な~んとも可愛いこと💛💖👶💞ウッフッフッフ!この織田信長はシュッとして美形だが、鼻の形がワシ鼻で直ぐに分かるな~。オオオ豊臣秀吉は爬虫類のトカゲのようにズンベリしていて目玉が飛び出ていて猿のような目玉、そして…何とも貧相な顔立ち、オオオ オオオ可哀想に、これでは到底女の子が見つからないなあ?アッ!徳川家康オオオ オオオたぬき?イヤイヤ……ブルドックか~?これも~?ぶ男?で、到底女にモテそうな顔では無いな~?」
🔴🟩🟠
やがて…四年の月日が流れた。
何とも信長🅰は残虐非道な幼児に変貌を遂げていた。短気で大うつけの片鱗をこれでもかと出しまくっている。
野山を駆け回り、決して大きい生き物ではない小さな生き物を殺しまくり、ぼさぼさの長い髪の毛を無造作に縛り、ブルンブルン振り回して吠えている。
「嗚呼アア……ネズミを殺した~い!ネコを殺した~い!犬を殺した~い!」
どういう訳か研究室の周りは犬、猫、ネズミ、ミミズに蛇、更にはバッタやカマキリ、カブトムシの無残に切り殺された死体だらけ。
あっ!それでもこんな残虐な幼児だが肝っ玉はちっちゃ~い!😨『言っときますが、犬は生後二か月までの犬だけ。大型犬など滅相も無い!』
一方の秀吉🅰は、口八丁でチンチクリンのチビで貧相なサルの様な容姿に、変貌を遂げていたが、口は上手い。
こんな山奥だが近くに宝願寺という高額の祈祷料を取るお寺が有る。まぁ昔は年貢の取り立てやらなんやらで、皆ボロボロの格好している人が殆どだった。
このお寺は商人が御利益祈願でやって来るか、大名の奥方などが安全祈願でやって来るらしく、高額の祈祷料を納めて安全祈願をしてもらっている。
だから…宝願寺にお参りに訪れる人たちは、高齢のお金持ちが殆ど。そして…ここのお寺の名物、宝願寺ぼた餅を買って帰るのが習わしだ。
金持ちで高齢のしわくちゃの婆さんを見掛けると、必ず声を掛けている秀吉🅰。それは…大概ここのお寺の名物、宝願寺ぼた餅を買って帰る事を知っているからなのだ。そして…早速、人たらしの片鱗をのぞかせている。
「どえりゃ~器量良しじゃ。フッフッフ?」
そして高齢の御婦人方から、大好きなぼた餅をゲットしている。
また家康🅰はぶっくり太った肥満児で、腹黒の片鱗を覗かせている。
「オイ!秀吉🅰おいらにも、ぼた餅分けてちょうでゃ~よ?」
「おうおう分けてやるがよ~?だでよ~誰か?金持ちの婆さん知らん?」
「知っとるがや~。お寺の婆さん、よう畑の方歩いとるんさる」
こうして秀吉🅰は御寺の婆さんに、またしても人たらしの片鱗を覗かせている。
「どえりゃ~器量良しじゃ。フッフッフ?」
「おみゃ~まだおぼこのくせして、お世辞がうみゃ~なぁ?嗚呼……そうじゃお供え物の金平糖が有ったでよ~待っとりゃ~」
(ウッシッシッシ~超高級品シメシメ!😁)
「ほ~れ……これ持っていきゃ~」
「ありがとう」
幼少ではあるが腹黒家康🅰は秀吉🅰の様子を陰から見て、しっかりとその片鱗を覗かせていた。食いしん坊の肥満児家康は、きっとお寺の婆さんの所に行って、またゴマすって、お菓子貰う魂胆だと見抜いていた。
早速、秀吉🅰の元に向かっている。
「秀吉🅰、お寺のお婆ちゃんにお菓子貰っただろう。おいらにもちょうでゃ~!」
「な~にを言ってるんじゃ~?そんなもん……もらっとらんがや~」
「どりゃ~見せてみゃ~よ。アッ!な~んも無いな~?」
実は…デブっちょ家康🅰が付いて来たのを、知っていたので木の下にこっそり隠していた。アア?どうも…今回は秀吉が一枚上手だった。
だが食い意地の張った家康🅰は腹の虫が治まらない。
(確かにお寺の婆さんから袋詰めを貰っていたのを見たのに、どこに隠したんだ~?あのインチキゴマすり坊主メ————ッ!)食べ損ねた家康🅰は、食べ物の恨みを晴らすべく、早速信長🅰にチクってやった。
「秀吉🅰がよ~、婆さんダマくらかして散々食べ物をだまし取っとうぜ。酷にゃ~か?」
「何~?おいらがコテンパンにやっつけてやるでよ~。オイ!秀吉🅰のいる場所に連れて行け!」
すると…チンチクリンのサルで貧相極まりない秀吉🅰だが、口達者で人たらしの秀吉🅰が、またしても婆さん達にお世辞を言っているらしく、婆さん達の輪の中にいるではないか。
「嗚呼アア……おいら、やっぱり嫌だ!もう帰るでよ~」
信長🅰は短気で狂暴な一面があるが、それは弱い者に対してであって、幼児の信長🅰にすれば婆さん達は立派な大人。(怖い!怖い!)そう思い逃げ帰った。
このように幼児期ではあるが、徐々に欠点が露呈して来る事になる。
赤ちゃんの内は何も分からなかったのだが、日に日に露呈して来るクロ―ンの子供達の不安材料。一体どうなる事やら⁈
碧の力不足で外見はそっくりそのままなのだが、能力と性格が手違いでとんでもない事になってしまった。
実は…負の部分だけが浮き彫りになり、才知に満ち溢れた戦国三英傑の知力の部分が、スッカリそぎ落とされて負の部分が「ドドドドドドドドド————————ッ!」と出て来る事に……⁈
これは大変!大変!
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