墓守りの腕時計

Rotten flower

第1話

腕時計はそこに埋まっている。

僕はそれに触れてみた。

それぞれの思い出が自分の脳に映される。

悔いがある、ない。

悲しみがある、ない。

ただただ自分の周りに悲しんでくれる人がいる。

ただただ自分の話に笑ってくれる。

そんな人がいるだけで、幸せ。

「孤独死」という選択肢は周りに誰もいなかった人の最終選択肢。


みんな思ってくれる人がいる。

ただただ笑ってくれる人がいる。

それだけでいいんだ。


周りの人が全員いなくなった。

自宅に火をつけ自分の身体からだとお別れする。

もう決断はできた。

「みんな、今行くよ。」

僕は最終選択肢ありがとうを選んだ。

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