第6話 アビリティ選択
選択したアビリティは次のとおりになった。
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【魔術 レベル1】【魔力強化 レベル1】【俊敏強化 レベル1】【技量強化 レベル1】【魔力供与 レベル1】【スキルリンク】【後方支援 レベル1】【調合 レベル1】【加工レベル1】【料理レベル1】
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因みにそれぞれのアビリティの効果は次の通りだ。
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【魔術】:魔術スキルを取得する。魔術スキルの使用時にその効果に補正を与える。レベルが上がることで新規スキルやアーツを取得する。最大レベル20。
【魔力強化】:MPのステータス上限値を20上げる。レベルアップで効果上昇、最大レベルでセットしなくても効果発動。最大レベル10。
【俊敏強化】:AGIの基礎ステータス値を20上げる。レベルアップで効果上昇、最大レベルでセットしなくても効果発動。最大レベル10。
【技量強化】:DEXの基礎ステータス値を20上げる。レベルアップで効果上昇、最大レベルでセットしなくても効果発動。最大レベル10。
【魔力供与】:『魔力供与』のスキルを取得する。レベルアップで消費MPと与えるMPの差が少なくなる。最大レベル10。
【スキルリンク】:自身が発動した単体向けの支援・回復・補助スキルの効果を半減した状態でパーティー全体に反映する。スキルの消費MPが1.2倍になる。スキルレベルなし。
【後方支援】:支援スキルを取得する。隊列で後衛にいる場合、レベルに応じて支援・回復・補助スキルの効果に補正を与える。レベルが上がることで新規スキルを習得する。最大レベル10。
【調合】:調合スキルを取得する。関連する生産活動時に補正を与える。レベルが上がることで新規スキルやアーツを取得する。最大レベル20。
【加工】:加工スキルを取得する。関連する生産活動時に補正を与える。レベルが上がることで新規スキルやアーツを取得する。最大レベル20。
【料理】:料理スキルを取得する。関連する生産活動時に補正を与える。レベルが上がることで新規スキルやアーツを取得する。最大レベル20。
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必ず選ばなければいけない戦闘技能に関しては【魔術】を選択した。後衛となるとこれか【弓術】くらいしか無かったのだが、初期スキルで回復スキルを覚えているからこちらを選択した。
「うーん、割と生産寄りになってしまった感じがするなぁ……」
原因としては支援系のプレイスタイルで習得する必要がありそうなアビリティがそこまで見かけられなかったからだ。
取り敢えず見つけられたのは【魔力供与】と【スキルリンク】と【後方支援】の3つだ。
【魔力供与】は同名スキルの『魔力供与』で自身のMPを相手に渡す際の減衰率を補正してくれる。確か最大だと消費量そのままになる筈だ。
【スキルリンク】に関しては常時発動なので、パーティーを組んでいると消費MPが1.2倍になるというデメリットがあるものの、全体を一斉に強化することができる。
【後方支援】は支援スキルを取得でき、また後方で支援する場合にスキルの効果を引き上げてくれるというアビリティだ。その際の対象スキルは【スキルリンク】と同じく、支援・回復・補助スキルと幅広い。
本来なら同じく支援スキルを取得できる【支援術】というアビリティを覚えたかったが、INTの条件が合わずに習得できなかった。なので内容的には似たようなスキルを覚え、また補正の対象が広いので選択した形だ。
ただし補正対象が広い分、補正効果の上昇率に関しては支援スキルのみ対象である【支援術】よりも低くなってしまうし、最大レベルも違うのでかなりの差になるが、そればかりは仕方ないだろう。
ステータスアップ系に関しては、運を上げるステータスアップ系のアビリティがあれば真っ先に選んでいたのだが、残念ながらそれだけは無かったので諦めた。
また、生産技能に関しては、他に付けれそうなものが見当たらなかったので取り敢えず習得してみたという形になる。
基本的にアビリティは他に習得済みアビリティがあればそれと付け替えることが可能だ。
「取り敢えず、【後方支援】のアビリティレベルは早いところ上げておきたいな」
レベル表記があるアビリティに関しては、そのアビリティに関連した行動を取ることで経験値を得ることができる。戦闘技能なら戦闘でその技能に関連した攻撃をする、生産技能なら生産活動でその技能に関連したものを作る、といった感じだ。
アビリティレベルが上がると補正効果が上がったり、新しいスキルやアーツを取得することがある。
なお、ステータスアップ系のアビリティレベルは経験値ではなく、アビリティポイントを消費して上げる形になる。
そのアビリティポイントは、基本的にプレイヤーのレベルが上がることで入手できる、アビリティを習得するのに必要なポイントとなる。
基本的にプレイヤーのレベルが上がってもステータス値自体は変化しない為、ステータス値を引き上げるにはこのステータスアップ系アビリティのレベルを上げる必要がある。
ただ、そうすると他のアビリティを習得するのに必要なアビリティポイントを消費することになるので、使い所はよく見極める必要がある。
基本的にアビリティポイントは、自分のプレイスタイル等をよく考えてから使用するのがいいだろう。
――ピロリン。
アビリティを決定するとふと通知を知らせる音が鳴る。その音と共に空中に浮かんでいる通知のアイコンを押すと、インフォメーションが表示される。
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〈INFO〉
・アビリティ【魔術】を習得したので、スキル『マナボール』『ヒール』を取得しました。
・アビリティ【魔力供与】を習得したので、スキル『魔力供与』を取得しました。
・アビリティ【後方支援】を習得したので、スキル『アタックアシスト』『リリーブテンション』を取得しました。
・アビリティ【調合】を習得したので、スキル『調合』を取得しました。
・アビリティ【加工】を習得したので、スキル『加工』を取得しました。
・アビリティ【料理】を習得したので、スキル『料理』を取得しました。
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どうやらアビリティの習得によって覚えることができたスキルの通知だったようだ。
さっきのアビリティの説明にもあった通り、一部のアビリティを習得するとスキルやアーツを習得する事がある。また、アビリティレベルが上がると新規に取得するものもある。
基本的にスキルやアーツはアビリティを習得することで得るか、スキルやアーツそのものをNPCから譲ってもらったり、ショップ等で購入することで覚えることができる。
スキルはMPを消費して発動するもので、基本的に体の動作には関係なく発動するものが多い。
それに対してアーツはSPを消費して発動するもので、基本的には体の動作に連動して発動するものが多い。
尤も、どちらにも例外は存在するため一概にそうとは言えないのだが、基本的にはこの認識で間違ってはいないはずだ。
因みに習得したスキルに関してだが、【魔術】で覚えた『マナボール』は魔力をボール状に形成して敵に投げつける攻撃スキル、『ヒール』は一定のMPを消費して自分や味方のHPを50回復するという効果をもつ回復スキルだ。
『魔力供与』は指定したMPを消費し、そのうちの一定割合のMPをパートナードラゴンやパーティーメンバーに与えるという効果スキルだ。
消費MPに対して相手に与えられるMPの量の割合はアビリティレベルによって変化する。なお、与えたMPは最大量を越えて与えられるので、使用不可能なスキルも扱えたりする。
【後方支援】の支援スキルである『アタックアシスト』は対象単体のATKのステータス値を一定時間上昇させるという効果だ。その上昇倍率は基本的に1.5倍だが、支援スキルを補正するアビリティによって変動する。因みにこっちは【支援術】の方でも覚えられるスキルだった。
もう一つの支援スキルである『リリーブテンション』は【支援術】では覚えられず【後方支援】で覚えられるスキルだ。これは、緊張状態という特殊状態異常を解消するスキルで、簡単に説明すると緊張をほぐしリラックスさせる効果がある。
また、追加効果としてプレイヤーの場合には、思考してからアバターを動かすまでの動作遅延を軽減するという効果を持つようだ。どちらも目に見えて分かりやすい効果ではないだろうが、使い所によってはかなり便利なスキルではないかと思う。
『調合』『加工』『料理』に関しては専用の生産キットがある状態でその名前に関連した生産活動が行えるようになる技能スキルになる。
ひとまずここまでキャラクリエイトを進めて、僕のステータスは次のようになった。
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リュート レベル:1
属性:無
ジョブ:未設定
HP:100/100
MP:320/320
SP:80/80
STR:20
ATK:20
VIT:90
INT:30
MIN:90
RES:30
AGI:110
DEX:170
LUK:200
ALL STATUS:1260
〈アビリティ〉
・セット
【魔術 レベル1】【魔力強化 レベル1】【俊敏強化 レベル1】【技量強化 レベル1】【魔力供与 レベル1】【スキルリンク】【後方支援 レベル1】【調合 レベル1】【加工レベル1】【調理レベル1】
〈スキル〉
・メイン
『契約』『召喚』『送還』『マナボール』『ヒール』『魔力供与』『アタックアシスト』『リリーブテンション』『調合』『加工』『料理』
〈アーツ〉
・メイン
なし
〈装備〉
・武器:なし
・頭防具:なし
・胴防具:初心者の革鎧(上)
・腕防具:なし
・腰防具:なし
・脚防具:初心者の革鎧(下)
・靴防具:初心者の靴
・アクセサリー1:なし
・アクセサリー2:なし
・アクセサリー3:なし
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スキルの欄にある『契約』『召喚』『送還』は全てのプレイヤーが取得しているドラゴン関係のスキルになる。『契約』がドラゴンと契約を結ぶためのスキル、『召喚』が契約したドラゴンを異界より召喚するスキル、そして『送還』が召喚したドラゴンを異界へと送還するスキルである。
『……以上でキャラクリエイトを終了します。これより、ゲームの舞台である〈エル・ドラゴニア〉へとプレイヤーを転送します。良き、ドラゴニアライフを』
僕がステータスなどの確認まで済ませたことで、キャラクリエイトが完了したとみなされたのか、女神は僕をゲームの舞台へと送り込もうとする。
最後に女神が微笑みを浮かべると、僕の意識は再び深い水の中に潜り込むかのように沈んでいった。
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