二章登場人物紹介

重要な人物ほどどうでもいいことしか書いていない、あまりアテにならない人物紹介第二弾。


○主人公


この険しい現代の荒波に突如として舞い降りた天使、その名もスネカジリエルの弟のヒキコモリエル。前世はうんこ怪人にしてメフィストくん笑である。


リラちゃんいわく、あまり惹かれない容姿をしている。社会行動心理学的にいえば、翔ゲイのようないわゆる男性的魅力に溢れすぎる人物には、異性側が気後れというか、浮気されないだけの投資コストがかさみ、逆にモテないという現象が起きるという。

まああれだ。品のない言い方をすれば新築好立地好条件のバカ高賃貸と一緒である。クラスで三番目くらいの子が一番モテる現象でも可。彼はこの現象であると頑なに信じている。間違いない。本人がそうだっていったらそうなんだよ、ボケがっ。


実はこの世界が彼の知るゲームではなく、後に作られたアニメの世界であることが明かされた。しかし、杜撰すぎる記憶力のため、違和感に一切気がついていない。ご主人っ、毎日幸せそうだぞっ! ――アホの独白。



◇能力◇


闘獣技我:?

レベル:2

スキル:ヒューマンテイム、コアラ君の権力


密林など草木生い茂る地形では身体能力及び五感が上方修正される。聴覚に関してだけならば、斥候系の「獣」に劣らないだけの能力がある。まあ斥候系と言ってもピンキリだし、隠蔽系の能力を持つ獣もいるので過信してはならない。

実はこの五感強化も一種の能力であり、東組のなかには満足に操れないポンコツもいる。リなんとかちゃんとか、なんとかラちゃんとかね。あと最近、仕送りが諭吉からセミの死骸になった。





○ヘカテーたん:


本名ヘカテー・ボーリー。最強無敵、堅牢堅固……とはいかないが、わりと最強に近い立ち位置の関西弁女。ゲームきっての常識人であり、記憶に残らないと称されやすい「北組」唯一の希望である。


真の恐ろしさは敵対していたときではなく、味方になったときこそ発揮される。長い苦労の果てに北組を打ち倒し、彼女を仲間に引き入れることに成功したプレイヤーが見るのは、才色兼備の面影などない、暴飲暴食を繰り返すただの豚なのだ。彼女を支えていたトップとしての重圧。これが失われたとき、幼きころ封じたはずの欲望が芽吹くのである。


食費に消える資金。ブクブクと肥えていく肉体。いつもコタツでぬくぬくたこ焼きを頬張る彼女に、プレイヤーはいつまで愛情を注ぐことができるのか。ニートをもつ親の気持ち。彼女はそれを、身をもってプレイヤーに訴えかけてくれているのだ。……たぶんね。


なお、とある悪役にコマされてしまうと、変態痴女化して大幅パワーアップを果たし、主人公勢力に襲いかかってくる。この場合絶対に引き抜けない。クソキャラ筆頭。


◇能力◇


闘獣技我:タイプ・ヒグマ

レベル:18

スキル:なくても強いのにある


素質がそもそも「熊」と恵まれているが、部分獣化、獣心回帰、獣人形態と続く闘獣技我の三段階目を、こんな序盤なのに使用できてしまうバランスブレイカー。森だとフィールド補正がかかってしまうので、「虎」のような同じく森を棲家にするバランスブレイカーを引っ張ってこないとなかなか太刀打ちできない。


強いて弱点を挙げるなら仲間。伝統派である「北組」は、血に眠る「獣」に統一感がなく、どう頑張っても組織として、力を最大限に発揮できない。ゴミが足を引っ張っているとも。そのうえプライドだけ高く、ころっと仲違いしてくれる。まともに戦ってんじゃねえ、という制作側のメッセージなのだろうが不憫といえば不憫。




○リラちゃん:


本名リラ・ルリクック。少女時代、ラリルリというあだ名で揶揄われて以来、あまり自分の名前が好きではない。そして、揶揄われそう筆頭である主人公には、絶対にフルネームを明かさないと心に誓っている。


原作でも今でもBLをこよなく愛し、それを世に広めるだけの力量を持った、褒めていいのか悪いのかどうにも判断のつきにくい困ったちゃん。後世の人に語らせれば「産まれてくるのが百年は早いかと思ったらまさか時代を追い付かせてしまった人」とか言われているかもしれない偉い人。その分野では、間違いなく教科書に載るレベルの偉業を成し遂げた。


はずなのだが、何を思ったか右手で「L」の字を作り、天高く掲げながらイナバウアーするラッキー教の教祖へとマジカルチェンジしてしまった。謎である。そんな彼女の本心とはっ!


ご主人……あいつアタマおかしいぞ――アホの独白そのニ。



◇能力◇


闘獣技我:タイプ・ゴリラ

レベル:1

スキル:あっても弱い、そしてない


貧弱クソ雑魚。「大猩猩」という強力な素質を受け継ぎながら、その力を一分どころかこれっぽっちも発揮できていないポンコツガール。戦闘能力だけでなく、五感を使った感知能力その他ほぼすべてがパンピーレベルで、ぶっちゃけ何の役にも立たない。潜在的な身体能力、および体力はかなりのものなので、長期間の行軍にもついてこられるといえば聞こえがいいがそれだけ。将来性はともかく、戦闘方面で彼女を生かすのにはかなりの愛が必要である。



○ウル郎くん:


本名ヴォルフ。一人孤高の道をゆく強きもの。実家は王国北側の有力諸侯だが、その力を借りず成功するために努力している。

と聞こえはいいが、主人公に弱みを握られてしまい、色々言いように利用されたあと、「馬糞マン」などというひどいあだ名まで付けられた没落王子である。なお、ここでいう馬糞は実は人糞である。

そして孤高と言いながら、別に狼ではない。孤狼っていい響きなのにね。


◇能力◇


闘獣技我:タイプ・ノーザン・イヌイット・ドッグ


ヴォルフという本名、ウル郎というあだ名を裏切ってまさかまさかの「犬」である。彼の真価は、いまだ見ることができない。





○イヌ男くん:


本名ハス・ベリャーエフ。王国北側で一大勢力を誇るベリャーエフ一族の分家の次男。傍流なのか主流なのか、いまいち判断しずらい男である。人によっては犬のように接し、人によっては犬のように吠えるが、後述するように別に犬とは一切関係ない。


◇能力◇


闘獣技我:タイプ・ギンギツネ


北組お得意の獣詐欺師二匹目。正確に言うと、非常に攻撃的な血であるタイプ・ギンギツネの家系の中で、血を制御しやすい性格的に穏やかな者を選別(セレクション)した結果、独自の進化をとげた一族である。

もっと深堀すると、有名な研究所メンデルに属する学者が、狼の家畜化を参考に生み出した一族である。そのため、選別や淘汰といった言葉に激しく反応する。割と笑えない経歴である。



○イタチくん:


通称にして覚える気がないゆえの仮称イタチ野郎。本名はイナズマ・マックス。とても素早そうな名前だが、ゲーム中行動速度は平凡であり、小回りが効く程度の能力しかない。


非常に好戦的な性格をしており、どんなときも虎視眈々と誰かを出し抜くことばかり考えている。ただ残念ながら、相手の実力を見抜くという野生生物において重要な能力に欠損がある。原作においてはあっさり主人公くんの餌食となり、奴隷のように働く姿が見られた。

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