そろそろ休憩しよっか……

 三人バーッと喋ったところで、一旦休憩と相成った。

 放課後マ王こと担当主催者も一旦ログアウト。毎回の流れではあるが、だからといってこの隙に好き勝手し放題、という訳にはいかない。

 でも、

「はふー。ずっとここに住んでたいー」

「眠くなりますよねえ、このソファー」

 ぐでー、と横になり、折角の自前スーツをヨレさせながら転がるしっく先輩に同調する。僕の家にもこんな高級そうなテーブルとソファーがあったらなあ。

「わかるー。修羅の時間を潜り抜けたら眠くなっちゃった…… ふわぁ」

 会話につられるように梨奈々さんも盛大に欠伸。ちなみに優芽と都和先輩は席を外している。

「てゆーか燿平君、あっさり元に戻ったんだね」

「いや、元からイケメンでしたけど」

「突然の自信過剰! 今もイケメンじゃないのに!」

「ねづひら、イケメンじゃない」

 ただでさえキツい突っ込みにさらに畳みかけて来るしっく先輩。ちょっとしたボケに致命入れるのやめて下さい。

 僕は頭に吹き出しがぶっ刺さったまま会話を続ける。

「く…… 梨奈々さん、元にとは? 僕はありのままの根津燿平ねづようへいですよ」

「え…… お、覚えてないんだ。とわ様の再教育恐るべし」

「完全催眠。漫画以外で初めて見た」

 二人は戦慄といった表情で僕を見ている。聞くに、とわ様が僕に何かしたらしい。そういえば……

「いつもとわ様のターンだけ、あんま記憶に残ってないんですよね。何を言われたかははっきり思い出せるのに、情景が浮かんでこないっていう。いやあ不思議だ」

「自分のお手とかちん○ん思い出せないのは、僥倖と言えるかもね」

「!! りななんのち○ちん、見たい」

「!? な、ち…… ち」

「ち? 続き言ってみろーほれほれ」

「しっく先輩、それはどっちかっていうとまんま○――」

「こう?」

「うひょ、そうですそうです! その調子で尻ををもうちょっと持ち上げるように――」

「死ねこのハラスメントツーブロックマンがあぁ!!!!」

 再ログインした優芽のライダーキックと共に、ハラスメントツーブロックマンこと僕は爆発四散した。


 ◇


「まあ、まあ。どっちにしろ、ねづひら君のターンは最後ですし問題ないでしょう」

「は、ハラスメントツーブロックマン…… ぷ、くく」

「とわ様、十字架出せない? 罰としてこいつ磔にしとくから」

「どうぞ、どうぞゆめちゃん。あら――いい眺め。写真写真……」

「笑っちゃったけど、記憶戻ったばっかなのにちょっと可哀想だったかなぁ」

「いいのいいの。あたしの話聞くには十分な特等席じゃん」

「ハラスメントツーブロックマン…… アルティメットムッツリドスケベネキ…… ぼそぼそ」

「しっくのソファーだけバイブレーションレベルMAX!」

「あばばばばばばば」

「そんな機能がありましたのね。……ちょっと気持ちよさそう……」

「……ハァ」

 

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