第6話

「つくるおはよー」

「ひかりおはよー」

「つくるういっす」

「健おはよー」

「つくるおはよー」

「み、みうおはよう」


 ひかりと健はめっちゃニヤニヤしてた。そしてみうが行ってから、付き合い始めたのと色々聞かれた。ああー恥ずい。


 ***


 いよいよテスト返却の時間がやってきた。

「えー、今日はテストを返却する」

「小林、さすがだな。満点だ」

 しばらくしてから俺の名前が呼ばれた。

「えー佐藤、俺はお前がカンニングしたんじゃないかと思った。しかしそんなこともなく、まあいいや。おめでとう、満点だ」

「っしゃ」

 思わず美雨に向けてピースしてた。

 彼女も仕返してくれた。


 さあ花火大会で決めるぞ。


「つくる、すっごー」

「神童だしな」

「あれ、冗談だと思ったけど今回すごかったじゃん」

「なあつくる」

「健、どうした?」

「お前夏祭りで決めるんだよな」

「ああ、どうしたんだ」

「なんか照れるから一回しか言わないけど、頑張れな」

「っ、健ありがとうな」


「おい、お前がつくるってやつか」

 そこには美雨の幼馴染がいた。

「ああ、そうだが」

「話あるから少しこっちに来い」

「ああ」

「ねえつくる大丈夫」

「まあ多分」

「なんかあったら私か健に言うんだよー」

「そうするよ」


「おい、つくし。お前は美雨のために死ねるか」

「俺を殺そうとでもしてるのか」

「口答えはいい、答えろ」

「ああ、お前と心中して美雨を守ってやる」

「お前なら大丈夫そうだな、急に呼び足してごめんな」

 殴られるかと思ったけど金髪は申し訳なさそうにしてた。

「美雨は俺にとって妹みたいなもので、あいつがたまに話してたお前がどんなやつか見たかった」

「...」

「詳細は言えないけど、美雨は過去のトラウマみたいなものを抱えている。それで心配になってきた。急に怒鳴ってごめんな」

「大丈夫だけど、俺はてっきりお前が美雨のこと好きなのかと思った」

「お前は実の妹と結婚したいとか思うか?」

「思わない」

「まあそんな感じだ」

「なるほどね」

「まああいつを頼んだぞ」

「いっとくけどまだ付き合ってないからな。もし美雨が彼女になったら一生話さねえ」

「そうか、お前は強いな」

「?」

「独り言だ。またな」


 変なやつだったな。


「ねえつくる、れい変なこと言ってなかった?」

「ああ、大丈夫だよ」

「あなたに余計なこと言ってないよね」

「うん」

 彼女のトラウマを聞くのはまだ早い。


 花火大会まで残り1週間。この1週間が美雨との最後の1週間かもしれない。俺は思いっきり楽しむぞ。


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