第4話

 小林さんほんとにかわいかったなー。

 そんなこと考えてるとひかりからチャットが来てた。


 ひ:「つくる、あんたとんでもない顔してたよ」

 つ:「まじ?」

 ひ:「大マジ。写真撮る時もちょっと引いたもん」

 つ:「まじかー」

 け:「つくるおめでとうな」

 グループチャットだったから健も反応してくれた。

 つ:「小林さんまじ天使」

 ひ:「告白はできたの?」

 つ:「いや、友達にはなれた」

 け:「深い友達になりすぎちゃうと恋愛対象にならなくなるらしいから気をつけろよー。だよなひかり」

 ひ:「まあ、人によるねー。けど早めの方が良いかも」

 つ:「俺夏祭りで告る」

 ひ:「そうなの!」

 つ:「小林さん、マイスイートエンジェル俺の恋人になってください。そして死ぬまで一緒にいましょうとかどう」

 け:「重すぎて草」

 ひ:「流石にキモい」

 つ:「え、ロマンチックじゃない?」

 ひ:「そんなのが告白のセリフだったら100年の恋も冷めるよw」

 け:「まあ彼女になってくださいでいいと思うけどね」

 つ:「俺の恥ずかしい話はもういいから二人はどうなの?好きな人とかいないの?」

 け:「おれはいないなー」

 ひ:「私も特に」

 つ:「ま、好きな人ができたら俺に言ってな。俺がくっつけてやるぜ」

 ひ&け:「「お前はダメだろw」」

 つ:「なめてもらっちゃこまるぜー」


 そんなこんなで二人とたくさん話した。

 あ、そうだ小林さんになにか送ろ。


「小林さん、今日はありがとう!ケーキとても美味しかったです」

「佐藤くん今日はありがとうねー」

「あ、そうだ佐藤くん」

「どうしたの?」

「なんか現実に戻すようで悪いけど、佐藤くんって勉強結構壊滅的じゃない?」

「いやIQ 1000とかだから大丈夫」

「わー、頭良いねー」

「でしょ!」

「こりゃだめだ」

「ええ、小林お姉ちゃん辛辣ー」

「きもい」

「ひどい」

「明日の武田先生の小テスト大丈夫?」

「あ」

「やっぱり忘れてた」

「佐藤くん教科書の78ページだけとりあえずやっときなねー」

「小林さん、マイエンジェルありがとう」

 あ、やっべ。さっきの癖でマイエンジェルつけちゃった。

「さっきからなんかきもいー」

「まじごめん」

「まあ良いけど。佐藤くん神童の名前維持するために小テスト頑張ってね〜」

「まっかせて」


 小林さんとついでに武田先生を喜ばせるために神童の名前にかけて少し頑張っちゃいますかー。あ、あれなんだこれ。なんか小さな数字がxとかyの右上にあるけど、これ印刷ミスだね。


「小林さん、教科書間違いだらけだよね」

「?」

「なんかxとかyの右上にある数字ミスって小さくなってる」

「それw、印刷ミスとかじゃなくて二乗ってやつだよww」

「え、これ印刷ミスじゃないの」

「小林くん結構ピンチじゃない?」

「や、やばい」

「お姉さんがケーキ一つで教えてあげようかー」

「お姉様靴でもなんでもなめるのでお願いします」

「いいよー」

 電話がかかってきた。

「あー、聞こえる?」

「うん」

「佐藤くんなんかチャットだとキモかったー」

「照れ隠し?」

「いや、マジ」

「あら」

「じゃあ始めますかー」


 ***


 ぐー

「わ、私じゃないから今の。猫の鳴き声だから」

「小林さんお腹すいたの?」

「ち、ちがうもん」

「かわいい」

「きるぞー」

「お姉様手を下げてください」

「やだ」

「まって小林さん、解けた」

「ほんと?」

「武田を明日ぎゃふんって言わせてやるぞー」

「佐藤くんそれまだ例題でしょ?」

「神童の応用力はすごいから大丈夫だよー」

「じゃあ佐藤くん勝負しよ。もし佐藤くんが私と同じ以上の点数とったらなんでもしてあげるー」

「な、なんでも」

「うん、頑張ってね」

「めっちゃがんばる」


 なんでもかー、なんでもしていいよってとんでもない言葉だな。


 寝ずに朝まで数学を頑張った。


 さあ、俺の晴れ舞台の準備は整った。



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