第3話 イケメン男子の恋は儚い

イケメン男子の恋愛は儚い

 昼休み——

 「さゆりから聞いたぞ。 やっと好きな人ができたんだな」

 食堂で共に食事をしているのはさゆりの双子の兄、後藤和樹。

 剣道部キャプテンのエースだ。

 顔立ちは……いわゆるイケメンってやつだ。

「ああ、あの子は天使だよ」

「ぷっ!お前がそこまで言うってことは、よっぽど良い女なんだな」

「和樹こそどうなんだ? 女子弓道部のエースさんは」

「相澤先輩か……夏休みも終わったのにまだ告白してないよ。 嫌われたくないからね」


 相澤先輩は学校の中で七姫セブンプリンセスとして有名で男性が苦手としても知れ渡っている。


「和樹でも難しいのか……」

「近くにも行けない。 後輩女子たちのバリケードでね……」

 イケメンでも苦労するのか。

 儚い。

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