~6話~ レンダート

「これがレンダートか!凄いですね!」


俺の目の前には巨大な城壁がそびえ立っていた。鉄格子の門からは人が行き交う様子が見えた。門の前で馬車を止め、ギルタンが門番と少し話していた

その間にレインに尋ねる


「レンダートって世界的に見たらどのくらい大きい町なんですか?」

「そうね…トップ3には入ってると思う」

「それはすごいですね」


「どうしたんだ?」

ギルタンが帰ってきた

「んーん、なんでもないよー」

「そうか、行くぞ」


俺たちは馬車を降りる

トップ3、他の2つはどこにあるんだろうかここからの距離はどれくらいだろう

それに他にどれくらいの数の街があるのか


うーん、わからないことだらけだ、あとで地図でも見せてもらおう


門番に軽く会釈をし門を通る


「ようこそガイア!俺たちの街へ!」

「おお!…お、?」


想像していたものと違う。貴族の街というのだから上品な街かと思ったら全然違う

行き交う人は鎧やプロテクターをつけているし、道の端には酔っ払いもいる

とても貴族にはみえない人ばかりだ


「あの、レンダートって貴族の街じゃないんですか?」

「ああ、レンダートは貴族が多いからな」

「ではこの人たちは…?」

「ここに貴族はいない。ここは冒険者の場所だ。貴族はこの先にあるもう1つの門を通った所に住んでいる」

「冒険…?おもしろそう!今度連れて行ってください!!」

「ははっ機会があったらな」


冒険かあ、洞窟で鉱石探し?いや宝探しか?どちらにせよおもしろそうだ


街の構造や場所を教えてもらいつつ大通りを歩く。しばらくすると城壁が見えてきた。城壁の上からは巨大な城が見えている。門番に声をかけようとしたとき門が開いた。そこには人が立っていた。


スラムでよく見たボロボロの服に、酒を片手に持っている。

どこからどう見ても酔っ払いだ


「リードか、いいところにきた。今日予定はあるか?」

「よーギルタン!今日は酒をのむという予定が入ってるぜぇ」


口調も酔っ払いだ。だがギルタンのことを呼び捨てで呼んでいる。何者だ?


「つまりなにもないんだな。ちょっとついてこい」

「ああん?酒を飲むって言ってるじゃねえか」

「今度奢ってやるって言ったら?」

「要件はなんだ。なんでもしてやる」


「リードさん相変わらずっすね」

「そうね~。あ、ガイアは初めましてだね。あの人も貴族だよ。私達の親戚」


え?貴族?あの人が?冒険者じゃないのか?


「ああ?ガキがいるじゃねえか。誰だこいつ」

「初めましてガイアといいます」

「こんなガキ連れてどういうつもりだ?今お前たちにそんな暇あんのか?」

「そのことなら心配ありませんよレイドさん!見事取り戻して参りました!」


ガッシュが得意気に言う。腰に手を置き斜め上を見て鼻を伸ばしていた

まあ実際には伸びていないのだが


「あんたは何もやってないでしょうが」


すかさずレインが蹴りを入れる。尻に一発。痛そうな音が響く


取り戻す…?何だろう…何かいざこざがあったのか?


「いいからついてこい」


冷静に言うギルタン。これが日常なのだろうか


「リードもいるし丁度いい。お前をレンダートに連れてきた理由について話そう」

「はい、ずっと気になっていました。」

「簡単に言うとお前に冒険者になってもらう。そのためにレンダートで修行をし、

一流まで育て上げる」

「なるほど。疑問は多いですが理解はできます」

「そしてお前に師匠をつける」

「ギルタンさんじゃないんですか?」

「俺は忙しい」

「なるほど。それで師匠というのは?」

「それがこいつ、リードだ」


え?この酔っ払い??




え??



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