~2話~ 出会い

~3年後~

母に捨てられてから3年がたった

俺はサウルというスラムの端に移動し暮らしていた

家はぼろぼろの一戸建て、勝手に使っているが何も言われない

家の持ち主は遠くに行ったのだろう、スラムのどこかかスラムの外、はたまた天国か

鳥のさえずりで目を覚ます。窓から太陽の位置を確認する


「もうこんな時間か…」


太陽が山から姿を現す時を目印に外出するのが日課だ。水を一口飲み外に出る

朝は資源の取り合いが激しいため早起きしなければいけない

資源はどうやって集めるかって?もちろんごみ漁りだよ

最初は抵抗があって人前で漁るなんてできなかったが今では抵抗なんかより資源だ

ごみだからと言って侮ることなかれ

ここは貴族の住むレンダートから近いためいい値段で売れるものが混ざっていることが多い

まったく貴族はもったいないことをする。そのおかげで俺は生活できているのだが


みんながごみ漁りをしてる場所を通り過ぎ、少し先の場所で漁る

ここはごみの量が少ないため優先度が低い。なのでこの時間は独占状態だ

しかし今日は同い年くらいの女の子がついてきた。

体系は細め、身長は140ほど、髪はボサボサだが顔は整っている

目線は顔から胸に降りていく


「なっ!?本当に子供か!?」


しまった、思わず声が漏れてしまった、

まあ声は小さいからバレてはいないだろう、たぶん

にしてもすごいなぁ…

じろじろ見ていると目があった、ちょうどいい


「すいません、見ない顔ですがこのあたりの人ですか?」


警戒されないよう優しい口調で話しかける、相手は慌てて逃げた、ちょっとショック

まあいいだろう、ごみ漁りの続きだ

しかし惜しいことをした、いやいやあのおっぱ…見た目にだまされるな

俺は一人で生きていける


「大体漁りおわったな、今日の収穫は上々だ」

立ち上がり振り返ると目の端にかすかに映った、思わず二度見した


「これは剣じゃねーか!」


剣はごみに埋もれつかしか見えていなかった、

剣があるならまっすぐきれいにさしとけよな


剣はスラムではめったに見られない。

俺は昔母が持ってきた本に書いてあったのを見たことがあるだけだ

世界では一般的なものらしい、殺し合いでもするのか

俺はスキップをしながら誰もいない道を通り家に帰った

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