第1話 転生したら
「よく眠っているわね。」
「あぁ。気持ち良さそうだな。」
そんな声で、ルステリオは目を覚ました。
そこにいたのは茶髪で緑目のふんわりした雰囲気の女性と、金髮に碧眼の、女性とは逆のキリッとした雰囲気の男性だった。
(ふむ、無事に転生できたみたいだな。おそらくこの二人は親であろう。しかしあのバカ勇者、魔法陣の上にのっていたが、あいつも転生したのだろうか?できればそのまま転生しないで寿命で死んでいてくれているとありがたいのだが…)
「あれ、アストルム、アルナリアも。目が覚めちゃった?ごめんね〜」
(む?アストルム?アルナリア?おそらくアストルムは俺の名前であろう。しかし一体アルナリアとは…)
「アストもアルナもお互いの顔を知っといたほうがいいだろう。なんせ双子だしな。それっ」
父親らしき人物によって、ルステリオは隣にいたもう一人の赤子と目を合わせるように転がされた。
そして、、、
「「!?」」
その瞬間、二人の赤子には稲妻が走ったと錯覚させるほどの衝撃をもたらした。
(はぁ!?こ、この女、まんま勇者テルミニスじゃないか!?)
ルステリオの双子の相方は、勇者テルミニスだったのだ。
見た目こそ黒髪緑眼と金髪碧眼のテルミニスとは違かったが、なんども戦ったルステリオだからこそ一瞬でわかる、圧倒的なオーラ、雰囲気を纏っていた。
そしてテルミニスの考えているもしかり…
(な!?この男の雰囲気、というか圧倒的なオーラ、魔王ルステリオでは!?これは討伐したほうが?いや、そもそもなんでこんな姿に…先ほどの怪しい魔法陣のせいだと思うんですが…)
「アストルム、こっちがお前のねぇちゃんのアルナリア・ルテ・リガーレだ。」
「そしてアルナリア、こっちがあなたの弟でアストルム・ルテ・リガーレよ。
二人とも双子なんだから、仲良くしてね。」
そう言われ、二人は同時に((それは無理!))と双子らしく、全く同じ考えを持ったのだった。
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