第2話 はじめに

  2023年1月31日、かの宮本武蔵が「五輪書」を執筆した霊巌洞(熊本市西区・雲巌禅寺)を訪れました。

  「物事に執着せず」が主義であったはずの武蔵が、その人生においてただ一度、最も執着した霊巌洞を見るという只一点が目的のこの旅行。

  10時間の夜行バスの旅ゆえに熟睡はできませんでしたが、朝8時に熊本へ到着してみれば、どうしたわけか気力充実・意気軒昂、まさに「五輪書」に言う「上は早くして心は静かに」の如く。

  まるで武蔵の魂が宿ったかのように「宮本武蔵的なる生き方」を実践してしまいました。

◎ 今回の宮本武蔵的なる生き方の実践とは

  ○ 「いずれの人にも打ち合い、その心を知り」(「五輪書」水の巻)

  ○ 「敵々の知略をはかり、敵の強弱、手だてを知り、兵法の知徳を以て、万人に勝つところを極める」(同 火の巻)

  *「打ち合い」とは言葉を交わすということ。

  *「敵」と云い、単に街中で出会って、一言二言言葉を爻わした人たち、ということ。

  *「知略をはかり」 → 彼や彼の心中を慮(おもんぱか)るということ。

  *「勝つ」といって、私も相手も共に「ウィン・ウィン(お互いがハッピーになる)の関係になる」ということ。(「ウィン・ウィン(お互いがハッピーになる)の関係になる」は、中国政府の基本外交方針でもあります。)

熊本滞在の一日とは、まさに武蔵「五輪書」にある教えを(図らずも)現実社会で実践してしまった、というわけです。


  2023年2月5日

  V.1.3

  平栗雅人

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る