第49話 ぺろぺろドラゴン③
そんなこんなで、あの後合流したパパドラゴンも含めて、僕たち神龍の親子3体は、ブリオスタ王国でお世話になることになった。いや、正確にはこの国は僕のものらしいので、僕たちがお世話になると云うよりも、人間たちがこの国に住むことを許してあげていると云えるのかもしれない。ママドラゴン曰く、この国は僕がお勉強するための教材のようなものらしい。国1つが丸ごと教材とか、相変わらずママドラゴンの考えはロックというか、神様視点というか、すさまじいね。
まぁ難しい政治の話は王様たちがやってくれるらしいし、僕は今まで通り離宮でのんびりと生活できて満足だ。しかも、パパママドラゴンが居るので、例えば戦争に駆り出されるなんて心配もない。というか、神龍である僕が治めるこの国に戦争を仕掛けるバカは居ないらしい。仮に居たとしても、パパママドラゴンが一掃してくれるだろう。
僕はなんの心配もなく、この離宮での生活を謳歌できるわけだ。
「ルシウス様、どのケーキになさいますか?」
「クー!」
クレアの問いに、僕はルムトプフのパウンドケーキを指して鳴く。
今は午前中。アンジェリカはいつも通りお勉強中だ。いつもだったらクレアたちメイドさんと遊ぶのだけど、今日はパパママドラゴンと一緒にお庭でお茶をしていた。
「わたくしもルーと同じ物を」
「では、私もそうしよう」
パパママドラゴンは、今は人間の格好をしている。ママドラゴンが絶世の美少女なのは知っていたけど、パパドラゴンもそれに負けないくらい美青年だ。肩に掛かるくらいの銀の長髪。宝石のような青の瞳からは、意志の強そうな知性の光を感じる。体型は、長身の細マッチョだ。細いと云っても線の細さは感じない。神様だからか、ものすごく頼もしい感じがする美男子だ。
神龍親子3体で、メイドさんたちに給仕されながら、優雅に午前中のおやつの時間だ。僕はママドラゴンの膝の上に抱っこされたまま、ママドラゴンにケーキを食べさせてもらっていた。自分でケーキを食べるよりも、僕のお世話をしている方が楽しいらしい。
「はい、ルー。口を開けて」
「クァー」
パクッと頬張ると、生クリームの濃厚なミルクの味と、どっしりとしたケーキのバターの味、そして、ルムトプフの果物の甘みと酒精の苦みを感じる。美味しい。やっぱりルムトプフは最高だ。
「ルーは本当にこのルムトプフという物が好きなのですね」
「クー!」
僕は元気よく頷く。実際、大好きだからね。愛してると言ってもいい。
「季節の果物を酒精の強い酒に漬けた物だね。独特の苦みがあるから、これが好みだなんて意外だな。ルーは将来、大酒飲みになるかもしれないね」
「ルー?」
なるのかな? どうだろう?
「お酒で失敗するドラゴンの話は多いですからね。気を付けないといけませんよ?」
「クー!」
ドラゴンもお酒で失敗することがあるらしい。なんだか人間味があって面白いな。
「はい、ルー。あーん」
「クァー」
ママドラゴンにケーキの最後の一口を食べさせてもらい、両手で抱えるように持っていたカップのお茶を舐めるように飲む。
「ルーは満足しましたか?」
「ルー……」
どうしようかな?もう1個ケーキ食べちゃおうかな?
「クー!」
僕は頷くことで、食べる意思があることを伝える。それを見ていたクレアが、ケーキを乗せたお皿を持って近づいてくるが、ママドラゴンがそれを手で制した。
「ハチミツを用意してくださる?」
「かしこまりました」
あれ?僕のケーキはお預けなのかな?
そんなことを思っている時だった。突然、ママドラゴンがドレスの胸元を肌蹴て、おっぱいがぷるんとむき出しになる。大きすぎず、小さすぎず、丁度良いバランスの綺麗な白くて眩しい丸いおっぱいが丸見えだ。
ゴクリと喉が鳴ったのが分かった。
「実は、わたくしもやってみたかったのです。生クリームでは、まったく同じになってしまいますから、今回はハチミツで」
ママドラゴンはそう言うと、クレアから受け取ったハチミツを胸に垂らす。
「さあ、どうぞ」
僕の目の前にハチミツにてらてらと濡れた2つのおっぱいが迫る。なんだかハチミツのねっとりとした輝きがいやらしいおっぱいだ。僕は抗うこともできずにおっぱいへと舌を伸ばす。これは……そう、授乳みたいなものだよ。母親のおっぱいを赤ちゃんが吸ってるだけで、全然いやらしい行為じゃない。むしろ、命を繋ぐための神聖な行為だよ。わいせつな行為に見える人は心が汚れてるんだよ。親子でハチミツプレイとかたまげたなぁ……。
「カイヤ……」
パパドラゴンの呆れたような声が聞こえる。
僕の中のパパドラゴンへの申し訳なさが刺激された。ママドラゴンは、当然ながらパパドラゴンの人妻だ。だけど、僕のママでもある。おっぱいペロペロは、授乳という解釈で見逃してほしいところだ。
「なんです?あなたも舐めますか?」
親子3人でハチミツプレイとか、正気かよ。すげぇなママドラゴン。無敵かよ。
「いや、そうではない。人間の社会において、女性が胸をさらすことは、はしたないとされているのだよ?」
どうやらパパドラゴンは、はしたないと注意しているらしい。
「それくらいわたくしも知っていますわ。でもそれは異性に対してでしょう? ここにはアンジェリカやメイドの女の子しか居ないのですから、よいではないですか」
「私は異性だよ?」
そう言って自分を指すパパドラゴン。
「あなたは異性の前にわたくしのつがいでしょう? だからよいのです」
「そういうものなのかな?」
「そういうものです」
よく分からないけど、ママドラゴンがパパドラゴンを言い包めたらしい。まぁ僕はその間も2人の話そっちのけでおっぱい舐めていたけどね。
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