第16話 風呂上がりドラゴン
その後、ようやくお手入れが完了したらしいアンジェリカと合流した僕は、また湯船に浸かってまったりとした時間を過ごした。その時、アンジェリカたちに僕の泳ぎを披露したのだけど、「ルーはすごいですね」と頭を撫でてたくさん褒めてもらえた。こんなことでここまで褒めてくれるなんて、チョロすぎて心配になるまである。
でも、考えてみれば、ペットの犬が“お手”や“伏せ”などの芸を覚えたようなものだから、褒めてもらえるのは当然かもしれない。
お風呂って最高だ。アンジェリカをはじめ、かわいい女の子たちが皆、裸なのだ。どこを見ても裸の女の子が目に入る。裸の女の子たちに囲まれていると言っても過言じゃない。あちこちでおっぱいやお尻がぷるぷる揺れて目にも楽しい。お風呂って素晴らしい文化だね。
だが、そんな楽しい時間にも終わりが訪れる。
「そろそろ出ましょうか」
アンジェリカのその一言で、僕のパラダイスは終わりを告げた。
それから僕は、脱衣所に戻って、メイドさんに体を拭かれると、テーブル席に座らされる。
「ルー様、こちらをどうぞ」
裸のヴィオが持って来てくれたのは、カップに入ったオレンジ色の飲み物だった。甘く酸っぱい柑橘系の良い香りがする。
それにしても、裸の女の子に接待されるのって、なんだかすごい非日常のような感じがしてドキドキする。ヴィオは、そのまま裸で僕の横に立っている。たぶん、なにかあった時のために待機しているのだろう。ヴィオを見ると、ヴィオは僕にニッコリと笑いかけてくれた。かわいい女の子が裸で接待して笑いかけてくれるとか、僕は前世でどんな徳を積んだんだろうね?
「クー」
ヴィオへのお礼に鳴いて、僕はカップを手に持つ。体の小さな僕にとって、カップは大きな桶のような感じだ。両手で抱えるようにしてカップを持つ。ドラゴンの手が5本指で良かった。おかげで違和感なく器用に使える。
舌を伸ばして、オレンジ色の液体を舐め取る。オレンジ色の液体は、そのままオレンジジュースだった。ジューシーでフルーティーなオレンジの味が口いっぱいに広がる。たぶん、なにも手を加えていないオレンジ100%のジュースだ。とても濃い味わいがする。舌に感じる甘味と爽やかな酸味のバランスが丁度良い。甘くて美味しくて、酸味のおかげで後味がスッキリする。いくらでも飲めてしまいそうだ。それに、よく冷やされているというのも心憎い演出だ。温泉で火照った体にとても気持ちが良い。
「ク~」
思わず鳴き声が漏れてしまうほどの美味しさだった。
「おいしそうですね、ルー」
そう言って、テーブルを挟んで僕の向かいの席に腰を下ろすアンジェリカ。座った拍子におっぱいがぷるんと震えたのがかわいらしい。
「わたくしにも同じ物を」
「かしこまりました」
アンジェリカはまだ裸だった。淡くピンクに上気した肌が、なんだかエッチだ。
「失礼します、姫様」
アンジェリカの隣に立つ裸の赤毛のメイドさんが、アンジェリカの髪に手をかざすと、アンジェリカの髪が、まるで風に吹かれたように靡く。赤毛のメイドさんは、手に黒い野球ボール程の球体を持っていた。これってもしかして、異世界版のドライヤーだろうか? この世界に電気は無いみたいだから、たぶん魔法の道具みたいな物だろう。すごく気になる。
「お持ちしました」
「ありがとう」
黒髪巨乳メイドさん、アンネが持って来たカップを、さっそく口に運ぶアンジェリカ。お風呂に入って喉が渇いていたのだろう。とても美味しそうに飲んでいる。
「美味しいですね。お風呂上がりの一杯は、格別に美味しいです」
「クー」
アンジェリカの言葉に、僕は同意するように頷いた。
「それで、どうでしたか? この離宮自慢の温泉は?」
「クー!」
僕は元気よく頷く。最高だった。温泉は気持ち良かったし、何より景色が最高だった。いろんなタイプの美少女たちが、ことごとく全裸なのだ。まさに酒池肉林といった感じだ。しかも、美少女たちがご僕に付きっきりで奉仕までしてくれるのである。眼福どころの騒ぎじゃない。まさに楽園、パラダイスだった。
いや、まだまだパラダイスは続いていると言っていい。アンジェリカもメイドさんたちも、まだ裸なのだ。アンジェリカは服を着るよりも先に髪を乾かしているし、メイドさんたちは、アンジェリカと僕へのご奉仕が最優先なのか、服も着ずにパタパタと忙しそうにしている。彼女たちが動く度にぷるんぷるんと揺れるおっぱいやお尻から目が離せない。欲を言えば、もう少し恥じらいを持って恥ずかしそうにしてくれると最高なんだけど……贅沢は言うまい。
「そうですか。ルーが気に入ってくれてよかったです」
そう言ってニッコリと笑顔を浮かべるアンジェリカ。その笑顔は、眩しいほど輝いて、とてもかわいらしいのだけど、そんな彼女は今すっぽんぽんである。かわいいおっぱいも丸見えだ。なんだかギャップで風邪を引きそうな光景だね。
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